『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(ぼくはあす、きのうのきみとデートする)は七月隆文(ななつき たかふみ)の小説。2014年に宝島社より宝島社文庫として出版された。略称は「ぼく明日」。第3回京都本大賞受賞作[1]。2016年12月17日に映画が公開された。2018年8月に朗読劇が上演され、追加公演も行われた[2]。
概要
本作は2014年8月20日に書き下ろし作品として出版された。カバーイラストはカスヤナガト、カバー・本文デザインは山田満明が担当している。京都市を舞台に20歳同士の男女の40日間(映画では30日間)の恋愛を描いた作品であり、物語の中には叡山電鉄や宝が池公園などが登場する。
大谷紀子による漫画版が2015年12月9日より「このマンガがすごい!WEB」においてウェブコミックとして連載されている。
2018年8月時点で原作小説の累計発行部数は160万部を突破している[3]。
あらすじ
京都の美大[注 1]に通う学生の南山高寿は、通学電車[注 2]の中で出会った福寿愛美に一目惚れする。勇気を振り絞って声をかけ、別れ際に「また会える?」と聞くが、それを聞いた彼女は突然涙を流し、抱き付いて来たのだった。驚く高寿には、この時の彼女の涙の訳を知る由もなかった。翌日、美大の授業で動物園[注 3]に行くと、そこで昨日の彼女と再び出会う。その後すぐに2人は意気投合し、交際がスタートするが、初めてのデート、初めて手をつなぐ、初めてお互いを名前で呼び合う…、そんな初めてのことがあるたびに、彼女はなぜか涙を流す。高寿はそんな彼女を不思議に思いながらも愛情を深めていく。
違和感を覚えたのは、誰にも見せていない自作小説のヒロインの名前を、彼女が知っていると気付いたときだった。「予知能力でもあるの?」と聞く高寿に、彼女はいった。
「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」
初めてキスをして愛し合った日、高寿は想像も出来なかった彼女の秘密を明かされる。そして、2人の運命はすれ違いを始める。
映画
2016年12月17日公開の日本映画。三木孝浩監督、吉田智子脚本、福士蒼汰主演。
2016年1月13日に宝島社により小説の公式サイトが開設され、同年12月に東宝系で実写映画化作品が公開される旨が発表された[6]。映画の撮影は2016年1月中旬からの約1か月間、鴨川や伏見稲荷大社、三条大橋といった京都内の観光名所を背景として行われた[7]。公開に先立つ2016年12月6日には、伏見稲荷大社の参道にレッドカーペットを敷いてのヒット祈願イベントが行われた[8]。
キャスト
- 南山高寿
- 演 - 福士蒼汰
- 京都の美大に通う大学生。将来の夢はイラストレーターか作家。
- 愛美に一目ぼれする。
- 福寿愛美
- 演 - 小松菜奈(幼少期:川北のん、中学生時代:清原果耶)
- 美容の専門学校に通っている。携帯電話を持っておらず門限は24時。
- なぜか初めての事をすると涙を流す。また、重大な秘密がある。
- 上山正一
- 演 - 東出昌大[9]
- 高寿の親友。
- 林
- 演 - 山田裕貴
- 南山 たかもり
- 演 - 大鷹明良
- 高寿の父親。
- 南山 えいこ
- 演 - 宮崎美子
- 高寿の母親。
スタッフ
その他
劇場公開に合わせあいの風とやま鉄道主要駅に『ぼくは明日、昨日のきみとあいの風線でデートする』とうたったパロディーポスターを掲出し、あいの風線の利用促進キャンペーンを展開している。
朗読劇
東宝による朗読劇シリーズ《恋を読む》の第一弾として、2018年8月24日から29日にオルタナティブシアターで上演[2]。脚本・演出は三浦直之(ロロ)。キャストは回替わりで異なるが、組み合わせは固定。
新キャスト6名を加えて、2019年3月12日から17日に同じくオルタナティブシアターでアンコール上演が行われた[11]。
キャスト(朗読劇)
アンコール上演
脚注
注釈
- ^ 京都精華大学がモデル。
- ^ 叡山電車がモデル。
- ^ 京都市動物園がモデル。
出典
- ^ “【第3回「京都本大賞」大賞決定!】50万部突破!二度読み必至の純愛小説『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』”. PR TIMES (2015年11月3日). 2020年11月29日閲覧。
- ^ a b “恋を読む「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」オルタナティブシアター”. 東宝. 2020年11月29日閲覧。
- ^ “公演情報詳細|オルタナティブシアター”. オルタナティブシアター. 2020年11月29日閲覧。
- ^ TOHO GLOBAL SITE
- ^ 2017年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ “【主演福士蒼汰 ヒロイン小松菜奈】『ぼく明日(ぼくあす)』映画化!”. 宝島社 (2016年1月13日). 2016年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月12日閲覧。
- ^ “福士蒼汰&小松菜奈「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」撮影終了を惜しむ”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2016年3月14日). https://natalie.mu/eiga/news/179654 2020年11月29日閲覧。
- ^ “福士蒼汰&小松菜奈が「ぼく明日」で史上初の伏見稲荷レッドカーペット「光栄です」”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2016年12月6日). オリジナルの2016年12月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161220084051/http://www.hochi.co.jp/entertainment/20161206-OHT1T50122.html 2016年12月6日閲覧。
- ^ “東出昌大「ぼく明日」で福士蒼汰の親友役演じる、「初日からタメ口で話そうと決めた」”. 映画ナタリー. (2016年8月4日). https://natalie.mu/eiga/news/196972 2020年11月29日閲覧。
- ^ “福士蒼汰×小松菜奈「ぼく明日」主題歌はback numberの新曲「ハッピーエンド」”. 映画ナタリー. (2016年10月13日). https://natalie.mu/eiga/news/205185 2020年11月29日閲覧。
- ^ “朗読劇『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、荒牧慶彦、三森すずこ、蒼井翔太ら新キャスト6名を迎えて再演が決定”. SPICE. (2018年12月18日). https://spice.eplus.jp/articles/221259 2020年11月29日閲覧。
外部リンク