Bombacaceae KunthSterculiaceae Vent.Tiliaceae Juss.[1]
アオイ科(学名: Malvaceae)は、双子葉植物のアオイ目の科のひとつ。
範囲と分類については#分類の項を参照。
旧アオイ科(APG分類体系におけるアオイ亜科。下記参照)は、草本または木本。花は両性花で、5枚の花弁と雄蕊が基部で合生し、雄蕊どうし合着して筒状になる。熱帯地方に多く、日本の本土に本来自生するものは数種(三浦半島以南の海岸に生えるハマボウのほか、南西諸島にさらに数種)で、そのほか帰化植物が数種ある。
アオイ(葵)という名は、元はフユアオイなどを指し、「仰(あおぐ)日(ひ)」の意味で、葉に向日性があるためという[2]。
家紋に使われる葵(徳川家の「三つ葉葵」、下鴨神社の「双葉葵」など)は別科であるウマノスズクサ科のフタバアオイの葉をデザインしたものである。
広義アオイ科(APG分類体系のアオイ科)は熱帯から温帯にかけて広く分布し、木本が多い。花は単性花や花弁を欠く種類もある。
本科植物のうち日本において食用で最も有名なのはトロロアオイ属(Abelmoschus)のオクラ(A. esculentus)である。また、チョコレートの原料であるカカオ(Theobroma cacao)、臭い果物として有名なドリアン(Durio zibethinus)もよく知られており、いずれも果実や種子を食用とする。オクラと同属のトロロアオイ(A. manihot)は果実は繊維質で食用に適さないが、花を食用花として利用できる。
トロロアオイの粘液は通和散と呼ばれて性交時の潤滑剤として使われたという。
ワタ属は40~50種ほどの多年草からなり、いずれも種子の表面に白い綿毛を生じ、これを繊維として利用するため栽培される。この繊維は綿(木綿)として利用される。
用途が多く、美しい花をつける観賞用のハイビスカス、ムクゲ、フヨウ、タチアオイなどのほか、食用のオクラ、ドリアン、カカオ、またワタやケナフなど繊維として利用されるものもある。フタトガリコヤガの幼虫はアオイ科の葉を食害する。
APG分類体系に基づいて記載する。APG体系で提唱されているアオイ科は、従来の分類ではアオギリ科、シナノキ科、パンヤ科に含まれていた種を分割再構成し(これらはいずれも多系統であることが判明したため)、アオイ科の亜科として置くことで所属する種がかなり増加した。旧分類におけるアオイ科は、アオイ亜科となっている。
和名未定の亜科。従来の分類ではパンヤ科を構成していた種が分割され、一部をアオイ科の亜科としたものである。26属650種を含む
和名未定の連。
和名未定の亜科。従来の分類ではシナノキ科を構成していた種が分割され、一部をアオイ科の亜科としたものである。25属770種を含む
和名未定の亜科。従来の分類ではアオギリ科を構成していた種が分割され、一部をアオイ科の亜科としたものである。12属430種を含む
和名未定の亜科。従来の分類ではシナノキ科を構成していた種が分割され、一部をアオイ科の亜科としたものである。3属50種を含む
和名未定の亜科。従来の分類ではアオギリ科及びシナノキ科を構成していた種が分割され、一部をアオイ科の亜科としたものである。20属380種を含む。
和名未定の亜科。従来の分類ではアオギリ科を構成していた種が分割され、一部をアオイ科の亜科としたものである。8属70種を含む。
従来の分類ではパンヤ科を構成していた種が分割され、一部をアオイ科の亜科としたものである。10属程度を含む
旧来の分類でアオイ科に含まれていた種は多くがここに含まれている。78属1700種を含む
従来の分類ではパンヤ科を構成していた種が分割され、一部をアオイ科の亜科としたものである。12属120種を含む