イスタンブール・アタテュルク空港 (イスタンブール・アタテュルクくうこう、英語 : Istanbul Atatürk Airport 、トルコ語 : İstanbul Atatürk Havalimanı )は、トルコ ・イスタンブール にあった国際空港であり、同国最大の空港であった。旧称は地名から採られたイェシルキョイ空港 で、現在の名前はトルコ建国の父 、ムスタファ・ケマル・アタテュルク から名づけられている。イスタンブールのヨーロッパ 側(トラキア )にあり、市街地中心部から南西に約15km離れている。ターキッシュ エアラインズ の本拠地であった。
同じイスタンブール市内のアジア側にはサビハ・ギョクチェン国際空港 があるが、こちらはアタテュルク国際空港より規模が小さく、就航路線も少ない。
2018年10月29日にイスタンブール空港 が開港し、移転作業のスケジュールは延期され続けたものの、2019年4月6日に旅客便の運航をすべて終え、全面移転が完了した[ 2] 。その後は貨物便やゼネラル・アビエーション などの便は運航されているが、将来的には当空港は閉鎖され、ターミナルビル 等は催事会場として利用される予定である[ 3] 。
施設
離陸するターキッシュ エアラインズのボーイング 737-800
3,000m滑走路2本、2,600m滑走路1本の計3本の滑走路を有する。
旅客用ターミナル はかつては1つであったが、2001年 に国際線ターミナルが新設され、現在は国際線ターミナルと国内線ターミナル(旧ターミナルの建物をそのまま使用)の2つに分かれており、両ターミナル間は連絡通路(動く歩道 設置)により接続されている。国際線ターミナルの到着エリア(税関 検査通過後)および出発エリア(出国手続後)には公衆無線LAN が完備されている(1週間あたり2時間まで無料。SMS の受信ができる携帯電話が必要)。国際線ターミナル内各所に外貨両替カウンターが複数設置されている。
旅客用ターミナルとは別に、貨物専用のターミナルがあり、貨物取扱量は世界各国の空港の中で30位である(2007年 4月現在)。
2020年、新型コロナウイルスのパンデミックに対処するため、3000m級の35L/R滑走路は閉鎖され、元滑走路だった部分の一部に救急病院が建設された。
新空港の建設計画
同空港を拠点に置くターキッシュ エアラインズでは、機材の拡充と同時に空港の拡張を求めていた。このため、トルコ政府運輸省管轄の航空管理局は、イスタンブールの黒海 側に第3の空港を建設する計画が持ち上がっている。当初は2013年へ着工後に4年後の2017年を完成目標として設定されていたが[ 4] 、2014年6月8日にこの新空港建設が着工され、完成予定は2018年末までに変更し[ 5] 、2018年3月には同年10月29日に新空港が開港とアナウンスされた。新空港の開港後にアタテュルク国際空港は閉鎖される[ 6] 。
アクセス
鉄道
イスタンブール地下鉄 (LRT)M1A線 (英語版 ) がターミナルビル地下に乗り入れている。LRTの空港駅 (英語版 ) はハヴァリマヌ駅(Havalimani)やアタテュルク空港駅(Ataturk Airport)などと表記されるが、いずれも同じ駅を指す。2014年 11月 にM1線がイェニカプ駅 まで延伸したことにより、空港から旧市街および新市街への行き方は以下の3通りとなった[ 7] 。
LRTの空港駅から途中駅アクサライ駅 (英語版 ) (Aksaray)まで行き、そこでトラムのユスフパシャ駅(Yusufpasa)に乗り換える。なお、アクサライ駅は地下駅であり、かつユスフパシャ駅とは大通りを挟んで徒歩3分ほど離れている。
LRTの空港駅から途中駅ゼイティンブルヌ駅(Zeytinburnu)まで行き、そこでトラムのゼイティンブルヌ駅に乗り換える。ゼイティンブルヌ駅はLRTとトラムの駅が地上で隣接しており、エスカレーター、エレベーター、スロープが設置されていることから、一般にはこちらでの乗り換えが推奨されている。
LRTの空港駅から終点イェニカプ駅(Yenikapı)まで行き、旧市街のスィルケジ地区およびアジア側が目的地であるのならマルマライ 、新市街が目的地であるのならイスタンブール地下鉄M2線 (英語版 ) に乗り換える。
運賃はLRT、トラムとも距離に関係なく片道1.75TL (2011年1月現在)。駅窓口や駅付近の売店で販売されているジェトン(Jeton)と呼ばれるコイン(3TL)を購入し、自動改札機 に投入して乗車する。または、空港のメトロ駅や大きな駅近くのキオスクなどで売られているICカード のイスタンブールカード (プリペイド式公共交通機関カード)を7TLで購入してチャージして使用する。カード使用時に割引金額でトラムやメトロ、オトバスなどの公共交通機関を使うことができる。
いずれの方法でも旧市街の中心であるスルタンアフメット駅(Sultanahmet)まで待ち時間・乗換時間を含めて所要約50分。
バス
ハヴァシュHAVAŞと呼ばれる空港バスがあり、新市街の中心部であるタクシム広場 に行くものは、4~9時は30分間隔、9~1時は15分間隔で運行されている。所要約30分。旧市街に行くには途中のアクサライで下車してトラムに乗り換える。タクシム広場から空港へは、4~1時の間30分間隔での運行。料金は片道12TL(ただし0~6時の間は25%割増となる)。
タクシー
黄色い車体のタクシーが空港前に常駐している。場所にもよるが、旧市街中心部までで40~50TL、新市街までで50~60TL程度。以前の深夜割増料金制度は廃止されている。
事件・事故
脚註
関連項目