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アルシデス・エスコバー

アルシデス・エスコバー
Alcides Escobar
キンタナロー・タイガース
ワシントン・ナショナルズ時代
(2021年7月4日)
基本情報
国籍 ベネズエラの旗 ベネズエラ
出身地 ラ・グアイラ州ラ・サバナ
生年月日 (1986-12-16) 1986年12月16日(37歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
195 lb =約88.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 遊撃手
プロ入り 2003年 アマチュアFA
初出場 MLB / 2008年9月3日
NPB / 2020年6月19日
最終出場 NPB / 2020年11月10日
年俸 $1,000,000(2022年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ベネズエラの旗 ベネズエラ
WBC 2017年

アルシデス・エスコバーAlcides Escobar, 1986年12月16日 - )は、ベネズエララ・グアイラ州ラ・サバナ出身のプロ野球選手遊撃手)。右投右打。愛称はエスキー[1]メキシカンリーグキンタナロー・タイガース所属。

ケルビム・エスコバーエドウィン・エスコバービセンテ・カンポスロナルド・アクーニャ・ジュニアとは従兄弟である[2]

経歴

プロ入りとブルワーズ時代

ミルウォーキー・ブルワーズ時代
(2009年8月14日)

2003年7月9日にドラフト外(アマチュアフリーエージェント)でミルウォーキー・ブルワーズと契約した[3]。この時、16歳であった。

2007年マイナーリーグ(A+級ブレバード・カウンティ・マナティーズとAA級ハンツビル・スターズ合計)で125試合に出場し、打率.306、22盗塁[4]の好成績を挙げ、6月16日はフロリダステート・リーグのオールスターに、7月8日にはフューチャーズ・オールスターゲームに出場した[5]。シーズン終了後、チーム内のベスト・ディフェンシブ・インフィルダーとベスト・インフィールド・アームに選出[6](ベスト・ディフェンシブ・インフィルダーは2005年から3年連続[7][8])。

2008年はAA級ハンツビルで131試合に出場し、打率.328、出塁率.363、34盗塁。7月14日はサザン・リーグのミッドシーズン・オールスターに、8月28日には同リーグのポストシーズン・オールスターに出場[5]。この間、週間MVPを2度受賞している[5]。9月1日にメジャーに初昇格し、同月3日のニューヨーク・メッツ戦で遊撃手の守備からの途中出場によりデビューを果たし、その後の初打席でスコット・ショーエンワイスから初安打を記録した。また、5日にはベースボール・アメリカのマイナーリーグ・オールスター代表チームに選ばれている[9]

2010年は前年までの正遊撃手だったJ.J.ハーディの移籍、クレイグ・カウンセルの衰えなどの影響で、レギュラーに定着した。145試合に出場し、打率.235、4本塁打、41打点、出塁率.288を記録した。

ロイヤルズ時代

2010年オフにザック・グレインキーユニエスキー・ベタンコートとのトレードで、ロレンゾ・ケインジェレミー・ジェフレスジェイク・オドリッジと共にカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍した[3]

2011年

2011年はロイヤルズで正遊撃手を務めた。459補殺(リーグ1位)、271刺殺(同1位)、守備率.980(同4位)だったが[10]、打撃では打率.254、4本塁打、46打点に留まった[3]

2012年3月15日に2015年まで4年1,050万ドル(2016年の525万ドル[11]、2017年の650万ドル[11]の球団側選択オプション付)で契約を結んだ[12]。この年も前年に引き続き正遊撃手として出場し、打率.293、5本塁打、52打点、35盗塁(アメリカンリーグ5位)、出塁率.331を記録した。守備では408補殺(同5位)、242刺殺(同2位)、守備率.972を記録した。

2013年は前年から一転して打率.234、出塁率.259などと、打撃成績では自己最低だった。守備では395補殺(ア・リーグ4位)、222刺殺(同4位)、守備率.979(同5位)を記録した。

2014年はレギュラーシーズン全162試合とポストシーズン全15試合に遊撃手で先発出場し、チームのワールドシリーズ進出に貢献した。9月13日以降は1番打者として起用され続けた。守備で440補殺(ア・リーグ2位)、213刺殺(同2位)、守備率.976(同4位)を記録した。オフの11月7日に日米野球2014のMLB選抜に選出された[13]

2015年は、開幕から1番打者として定着した。ファン投票で自身初のオールスターに選出され「9番・遊撃手」で先発メンバーに名を連ねた[14]。148試合出場だったが、6年連続で規定打席に達して打率.257、3本塁打、47打点を記録した。守備では417補殺(ア・リーグ5位)、217刺殺(同4位)、守備率.980(同3位)を記録し、自身初のゴールドグラブ賞を受賞した。リーグチャンピオンシップシリーズでは打率.478(23打数11安打)、5打点などを記録しMVPを受賞し、ワールドシリーズでは第1戦の初回先頭打者としてマット・ハービーの初球で、シリーズ史上86年ぶり10人目となるランニング本塁打を記録し、ワールドシリーズ制覇に貢献した。オフに球団が契約オプションを行使し、残留が決まった。

2016年も開幕から1番打者として出場した。全162試合にフル出場し、打率.261、7本塁打、55打点、17盗塁という成績を記録した。

2017年開幕前の2月8日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ベネズエラ代表に選出された[15]。オフの11月2日にFAとなった[16]

2018年1月29日にロイヤルズと1年250万ドル+出来高最大150万ドルで再契約を結んだ[17]。シーズンでは140試合に出場して打率.231、4本塁打、34打点、8盗塁を記録した。オフの10月29日にFAとなった[18]

ホワイトソックス傘下時代

2019年2月16日にボルチモア・オリオールズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[19]が、3月21日にFAとなった。3月22日にシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ[20]。シーズンでは傘下のAAA級シャーロット・ナイツで96試合に出場して打率.286、10本塁打、70打点の成績を残していたが、球団に契約を破棄するよう申し出て、8月2日にFAとなった[21]

ヤクルト時代

2019年10月30日に東京ヤクルトスワローズと契約を結んだ[22]。背番号は2で、推定年俸は80万ドル(約8800万円)プラス出来高[22]

2020年はMLBでゴールドグラブ賞を受賞した高い守備力を期待され、開幕戦から遊撃手のレギュラーとして起用された。守備面では持ち前の強肩を活かした派手なプレーを見せることもあったが、守備範囲の狭さを露呈した。守備指標の1つでDELTA社の算出するUZRでは12球団の遊撃手として最下位の数値を記録し、シーズン終盤には三塁手でも起用見された。打撃面では最終規定打席に到達し、打率.273、1本塁打、30打点だった。11月23日に自由契約選手として公示された[23]

ロイヤルズ傘下時代

2021年5月5日にロイヤルズとマイナー契約を結んだ[24]。加入後は傘下のAAA級オマハ・ストームチェイサーズでプレーし、35試合に出場して打率.274、5本塁打、16打点、2盗塁を記録した。

ナショナルズ時代

2021年7月2日にトレードでワシントン・ナショナルズへ移籍し、7月3日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[25]。同日のロサンゼルス・ドジャース戦にて「7番・遊撃手」で先発出場し、7回裏の第3打席でMLBでは3年ぶりとなる安打を放った。75試合の出場でオフの10月5日にナショナルズと1年100万ドルで再契約した[26]

2022年8月3日に自由契約となった[3]

メキシカンリーグ時代

2023年3月1日にメキシカンリーグユカタン・ライオンズと契約した[27]

同年7月に、モンクローバ・スティーラーズに移籍した[28]

翌年の2月16日に、キンタナロー・タイガースへ移籍した[29]

選手としての特徴

打撃スタイルは、コンタクトヒッターで、俊足を生かすことに徹している[30][31][32]。広い守備範囲と強肩の持ち主であり、遊撃手を本職に高度かつ華麗なプレーを見せる[33]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2008 MIL 9 4 4 2 2 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .500 .500 .500 1.000
2009 38 134 125 20 38 3 1 1 46 11 4 2 2 1 4 0 2 18 0 .304 .333 .368 .701
2010 145 552 506 57 119 14 10 4 165 41 10 4 4 3 36 7 3 70 8 .235 .288 .326 .614
2011 KC 158 598 548 69 139 21 8 4 188 46 26 9 18 3 25 1 4 73 10 .254 .290 .343 .633
2012 155 648 605 68 177 30 7 5 236 52 35 5 8 0 27 2 8 100 14 .293 .331 .390 .721
2013 158 642 607 57 142 20 4 4 182 52 22 0 9 4 19 1 3 84 12 .234 .259 .300 .559
2014 162 620 579 74 165 34 5 3 218 50 31 6 8 4 23 1 6 83 12 .285 .317 .377 .694
2015 148 662 612 76 157 20 5 3 196 47 17 5 11 5 26 1 8 75 10 .257 .293 .320 .614
2016 162 682 637 57 166 24 6 7 223 55 17 4 10 5 27 2 3 96 16 .261 .292 .350 .642
2017 162 629 599 71 150 36 5 6 214 54 4 7 7 4 15 1 4 102 14 .250 .272 .357 .629
2018 140 531 485 54 112 22 3 4 152 34 8 2 8 4 29 1 5 74 14 .231 .279 .313 .593
2020 ヤクルト 104 402 377 27 103 14 2 1 124 30 6 7 1 2 13 6 9 52 9 .273 .312 .329 .641
2021 WSH 75 349 319 54 92 21 2 4 129 28 3 0 2 2 17 0 9 56 2 .288 .340 .404 .744
2022 40 131 124 12 27 4 2 0 35 8 1 1 0 0 5 0 2 32 1 .218 .260 .282 .542
MLB:13年 1552 6182 5750 670 1486 249 58 45 1986 478 178 45 87 35 253 17 57 864 113 .258 .295 .345 .640
NPB:1年 104 402 377 27 103 14 2 1 124 30 6 7 1 2 13 6 9 52 9 .273 .312 .329 .641
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

内野守備


遊撃(SS) 二塁(2B) 三塁(3B)




































2008 MIL 2 0 0 0 0 .--- - -
2009 37 59 94 6 20 .962 - -
2010 138 174 358 20 71 .964 - -
2011 KC 158 271 459 15 98 .980 - -
2012 155 242 408 19 97 .972 - -
2013 158 222 395 13 89 .979 - -
2014 162 213 440 16 91 .976 - -
2015 148 217 417 13 80 .980 - -
2016 162 221 426 14 95 .979 - -
2017 162 202 468 15 97 .978 - -
2018 104 129 243 9 49 .976 3 5 6 0 0 1.000 29 25 53 3 7 .963
2020 ヤクルト 69 82 172 7 33 .973 - 39 23 45 2 4 .971
2021 WSH 61 97 121 7 23 .969 18 28 43 0 10 1.000 -
2022 37 48 90 5 15 .965 2 1 1 0 0 1.000 -
MLB 1484 2095 3919 152 825 .975 23 34 50 0 10 1.000 29 25 53 3 7 .963
NPB 69 82 172 7 33 .973 - 39 23 45 2 4 .971
外野守備


中堅(CF) 左翼(LF) 右翼(RF)




































2010 MIL 1 4 0 0 0 1.000 2 2 0 0 0 1.000 2 2 0 0 0 1.000
2018 KC 6 12 0 1 0 .923 - -
MLB 7 16 0 1 0 .941 2 2 0 0 0 1.000 2 2 0 0 0 1.000

記録

MiLB
MLB
NPB初記録

表彰

MLB

背番号

  • 21(2008年 - 2010年)
  • 2(2011年 - 2018年、2020年)
  • 3(2021年 - )

登場曲

  • 「CÓMO SE SIENTE (Remix)」Jhay Cortez x Bad Bunny | Las Que No Iban A Salir(2020年〈奇数打席〉)
  • 「Gistro Amarillo」Ozuna x Wisin(2020年〈偶数打席〉)

代表歴

脚注

  1. ^ Jeffrey Flanagan (2017年8月24日). “Royals Players Weekend nicknames explained” (英語). MLB.com. 2018年1月30日閲覧。
  2. ^ Ronald Acuna Jr. has extended baseball family” (英語). BASEBALL'S RELATIVES (2019年8月18日). 2019年8月19日閲覧。
  3. ^ a b c d MLB公式プロフィール参照。2023年5月14日閲覧。
  4. ^ Baseball-Reference 参照。2018年1月30日閲覧。
  5. ^ a b c Highlights:Awards/Honors:” (英語). MiLB.com. 2018年1月30日閲覧。
  6. ^ Tom Haudricourt (2007年11月26日). “Top 10 Prospects: Milwaukee Brewers , BEST TOOLS” (英語). BaseballAmerica. 2008年9月23日閲覧。
  7. ^ John Manuel (2005年11月21日). “Top 10 Prospects: Milwaukee Brewers , BEST TOOLS” (英語). BaseballAmerica. 2008年9月23日閲覧。
  8. ^ Tom Haudricourt (2007年2月2日). “Top 10 Prospects: Milwaukee Brewers , BEST TOOLS” (英語). BaseballAmerica. 2008年9月23日閲覧。
  9. ^ Matt Eddy (2008年9月5日). “Minor League All-Star Team , FIRST TEAM” (英語). BaseballAmerica. 2008年9月23日閲覧。
  10. ^ Alcides Escobar » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball
  11. ^ a b 違約金は50万ドル
  12. ^ Escobar agrees to 4-year extension with Royals for guaranteed $10.5M KansasCity.com
  13. ^ MLBオールスターチーム、追加選手発表!来日全29選手が決定 侍ジャパン公式サイト (2014年11月7日) 2015年3月26日閲覧
  14. ^ July 14, 2015 All-Star Game Play-By-Play and Box Score - Baseball-Reference.com (英語) . 2015年10月16日閲覧。
  15. ^ Miggy, Altuve lead loaded Venezuela offense” (英語). MLB.com (2017年2月8日). 2018年1月30日閲覧。
  16. ^ David Adler (2017年11月5日). “Key free agents for all 30 MLB teams” (英語). MLB.com. 2017年12月30日閲覧。
  17. ^ Jeffrey Flanagan (2018年1月29日). “Royals bring back Escobar on one-year deal” (英語). MLB.com. 2018年1月30日閲覧。
  18. ^ Sam McDowell (2018年10月29日). “The Royals’ offseason kicks into gear, and Alcides Escobar is a free agent again” (英語). The Kansas City Star. 2019年2月11日閲覧。
  19. ^ Joe Trezza (2019年2月16日). “O's ink veteran Escobar, extend spring invite” (英語). MLB.com. 2019年2月17日閲覧。
  20. ^ Steve Adams (2019年3月22日). “White Sox Sign Alcides Escobar” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年4月29日閲覧。
  21. ^ Jeff Todd (2019年8月2日). “White Sox Release Alcides Escobar” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年10月30日閲覧。
  22. ^ a b ヤクルト新助っ人エスコバー獲得、14年青木と同僚”. 日刊スポーツ (2019年10月30日). 2019年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月31日閲覧。
  23. ^ ヤクルト エスコバー退団、マクガフとスアレス残留”. 日刊スポーツ (2020年11月16日). 2021年1月16日閲覧。
  24. ^ 【MLB】前ヤクルトのエスコバーがロイヤルズとマイナー契約”. SPORTINGNEWS (2021年5月5日). 2021年5月5日閲覧。
  25. ^ TC Zencka (2021年7月3日). “Nationals Place Kyle Schwarber, Alex Avila On 10-Day Injured List, Select Alcides Escobar” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月4日閲覧。
  26. ^ Nationals Re-Sign Alcides Escobar” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年10月5日閲覧。
  27. ^ Leones: Alcides Escobar jugará con los campeones”. MiLB.com. Mexican League (2023年3月1日). 2023年5月14日閲覧。(スペイン語)
  28. ^ https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=escoba001alc
  29. ^ https://x.com/deportetoday2/status/1758275371450192045?s=46&t=eZP8Q-G79vEQv5eJbip1Jg
  30. ^ Alcides Escobar - Scouting Report , Transactions / Injuries / Suspensions” (英語). Sportsnet.ca. 2008年9月23日閲覧。
  31. ^ Top 50 Prospects - Player Profile - Rank 42” (英語). MiLB.com. 2018年1月30日閲覧。
  32. ^ Alcides Escobar - pecota” (英語). Baseball Prospectus. 2008年9月23日閲覧。
  33. ^ ヤクルト・エスコバー メジャーの技を見よ/守備で魅せる! | 野球コラム”. 週刊ベースボールONLINE. 2022年3月10日閲覧。

関連項目

外部リンク

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