アンデウソン・シウバ [ 2] (Anderson Silva , 1975年 4月14日 - )は、ブラジル とアメリカ合衆国 の男性 総合格闘家 、プロボクサー 。パラナ州 クリチバ 出身。アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ロサンゼルス 在住。チーム・ノゲイラ 所属。キラービーズ・ムエタイ・カレッジ主宰。元UFC 世界ミドル級 王者。UFC殿堂 入り。
ジルマ・ルセフ ブラジル大統領(当時・左)とシウバ(右)(2011年)
概要
細長い腕と脚から、ザ・スパイダー (蜘蛛)の異名を持ち、長い四肢とバックボーンのムエタイ で培った強烈かつスピーディーな打撃、また、優れた動体視力と反応速度を駆使したスウェーやダッキングなどの卓越したディフェンステクニックを武器に長期に渡ってUFC世界ミドル級王者として君臨し、総合格闘技におけるパウンド・フォー・パウンド 最強の1人と目されていた。また、全盛期での圧倒的な強さとカリスマ性から「The Greatest Of All Time」(史上最高の意)と称された[ 3] 。
UFCにおいて、全階級を通じて王座の在位期間がUFC史上最長(2457日間)であり、全階級を通じた最多連勝記録(16連勝)も保持する。王座最多連続防衛記録でも初代UFC世界フライ級王者のデメトリアス・ジョンソン (11回)に次ぐ歴代2位の記録(10回)を有する。
来歴
サンパウロ に生まれ、経済的な理由から4歳の時にクリチバの叔母の下へ預けられた。クリチバでは、まず柔術を学び、テコンドー を8年間学んだ。その後ムエタイ を3年間学んだ後、シュートボクセ・アカデミー に所属していたファビオ・ノグシの下で7年間トレーニングを積んだ[ 4] 。
その後、才能がフジマール・フェデリコ会長の目に留まり、シュートボクセの本部へ移籍した。
2001年 3月2日、初参戦となった修斗 で加藤鉄史 と対戦し、3-0の判定勝ちを収めた。
2001年8月26日、修斗ミドル級 (76 kg) タイトルマッチで王者の桜井"マッハ"速人 に挑戦し、3-0の判定勝ちを収め王座獲得に成功した。
2001年11月26日、PRIDE 参戦と階級転向を理由に修斗ミドル級王座を返上した。
PRIDE・Cage Rage
2002年 6月23日、PRIDE 初参戦となったPRIDE.21 でアレックス・スティーブリング と対戦し、ドクターストップでTKO勝ちを収めた。
2003年3月16日、PRIDE.25 で元UFC世界ウェルター級王者のカーロス・ニュートン と対戦し、タックルに合わせたカウンターの飛び膝蹴りでKO勝ち。同年6月8日、PRIDE.26 で高瀬大樹 と対戦し、三角絞め で一本負けを喫した。
2003年11月にアスエリオ・シウバ らとシュートボクセ・アカデミーを離れ、ムエタイ・ドリームチーム(MTDT)を結成するもすぐに離脱。
2004年 9月11日、Cage Rage 世界ミドル級王座決定戦でリー・マーレイ と対戦し、3-0の判定勝ちを収め王座獲得に成功した。
2004年12月31日、PRIDE 男祭り 2004 で長南亮 と対戦。打撃で優勢に試合を進めていたが、3Rに蟹挟み からのヒールホールド で逆転の一本負け。その後、シュートボクセ・アカデミーのフジマール会長の政治的圧力によってPRIDE離脱を余儀なくされ、主戦場をCage Rageに移す。
この頃から親交の深いアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ 、アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ らと共に練習をするようになり、シウバも柔術茶帯で寝技のスキルはもともと低くなかったが、総合格闘技で高いグラップリング技術を持つノゲイラ兄弟の手ほどきを受け、さらにグラップリングのスキルを磨くことで後の活躍への基盤を作った。2005年 には2人から黒帯 を授与されている[ 5] 。
2005年8月5日、ミノタウロことアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが地元で主催した大会「ミノタウロ・ファイト」でボクシング戦を行い、KO勝ちを収めている。
2006年
2006年 1月20日、Rumble on the Rock 8 のウェルター級(79 kg)トーナメント1回戦で岡見勇信 と対戦。優勢に試合を進めておきながらグラウンド状態の岡見に対して、ペダラーダ(グラウンドでの下からの顔面蹴り上げ)を放ってしまい反則で失格負けとなった。
UFC
2006年6月28日、UFC 初参戦となったUltimate Fight Night 5 でクリス・リーベン と対戦。パンチのコンビネーションでダウンを奪うと、立ち上がったリーベンに首相撲からの右膝蹴りで再びダウンを奪い開始49秒のKO勝ち。ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[ 6] [ 7] 。
UFC世界王座獲得
2006年10月14日、UFC 64 のUFC世界ミドル級タイトルマッチで王者リッチ・フランクリン に挑戦。首相撲で終始コントーロールし膝蹴りの連打で1RKO勝ち。UFC参戦2戦目にして王座獲得に成功し、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[ 8] [ 9] 。
2007年
2007年 2月3日、UFC 67 でトラヴィス・ルター と対戦。三角絞め を極めながらの肘打ち連打で2R一本勝ち。なお、この試合はUFC世界ミドル級タイトルマッチとなるはずだったが、ルターの体重超過 でノンタイトルマッチに変更された[ 10] 。
2007年7月7日、UFC 73 のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者ネイサン・マーコート と対戦。シングルレッグのテイクダウンを狙うマーコートにスイッチから逆に左脚を取ってテイクダウンを奪い、すかさずパウンドで1RTKO勝ち。王座の初防衛に成功し、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[ 11] 。
2007年10月20日、UFC 77 のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者リッチ・フランクリン と再戦。1R終盤に右フックでダウンで奪うと、2Rにダメージの残るフランクリンからクリンチからの右フックで再びダウンを奪い、最後は打撃のコンビネーションからの膝蹴りでTKO勝ち。2度目の王座防衛に成功し、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[ 12] 。
2008年
2008年 3月1日、UFC 82 のUFC世界ミドル級タイトルマッチでPRIDE ウェルター級(83 kg)王者ダン・ヘンダーソン と対戦。1Rはテイクダウンを奪われグラウンドのポジショニングで劣勢に立たされるも、2Rにテイクダウンを防ぐと打撃で形勢を逆転し、下になったヘンダーソンからバックを奪いそのままリアネイキドチョークを極めて一本勝ち。3度目の王座防衛に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトおよびサブミッション・オブ・ザ・ナイトを同時受賞した[ 13] 。なお、この試合によってPRIDEウェルター級王座はUFC世界ミドル級王座に併合された。
2008年7月19日、UFC Fight Night: Silva vs. Irvin でジェームス・アーヴィン とライトヘビー級契約で対戦。アーヴィンの右ミドルキックをキャッチした状態から右ストレートでダウンを奪い、パウンドで開始61秒のKO勝ち[ 14] 。
2008年10月25日、UFC 90 のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者パトリック・コーテ と対戦。優勢に試合を進める中、3Rに突如コーテが右膝を脱臼 し続行不能となりTKO勝ち。4度目の王座防衛に成功した[ 15] 。
2009年
ターレス・レイチと対戦するシウバ
2009年 4月18日、UFC 97 のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者ターレス・レイチ と対戦し、3-0の5R判定勝ち。5度目の防衛に成功するとともに、UFC9連勝を達成し、それまでホイス・グレイシー の保持していたUFC最多連勝記録を更新した。しかし積極性に欠ける試合運びとなったため、会場からはブーイングが沸き起こり、UFC代表のダナ・ホワイト からも、「今も彼がパウンド・フォー・パウンド最強の男だと信じている」としつつ、試合のパフォーマンスを「恥ずかしい」と批判された[ 16] 。
2009年8月8日、UFC 101 で1階級上の元UFC世界ライトヘビー級王者フォレスト・グリフィン とライトヘビー級契約で対戦。階級差をものともせずノーガードで挑発しながら、グリフィンの攻撃を見切りスウェーとダッキングで避けつつ、パンチで2度のダウンを奪い、最後はバックステップでパンチをかわしながらカウンターの右ストレート一撃でグリフィンを大の字にし1RKO勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトおよびノックアウト・オブ・ザ・ナイトを同時受賞した[ 17] 。
2010年
2010年 4月10日、UFC 112 のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者デミアン・マイア と対戦し、終始優勢に試合を進めて、3-0の5R判定勝ち。この勝利により、ティト・オーティズ とマット・ヒューズ が保持していたUFC最多防衛記録を更新する6度目の王座防衛に成功したが、試合中のマイアに対する度重なる挑発行為と、後半の消極的な試合運びに対して、試合終了後まで会場からブーイングが沸き起こった[ 18] 。UFC代表のダナ・ホワイトは、試合中にベルトをシウバのマネージャーに渡してケージサイドから去り、試合後の記者会見でシウバのパフォーマンスを痛烈に批判した[ 19] 。
2010年8月7日、UFC 117 のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者チェール・ソネン と対戦。腰を負傷していたためか、試合では終始多くの場面で有利なポジションを許し、またダウンを喫するなど苦戦を強いられ、4Rまでのジャッジの採点で大差(34-40、36-40、35-40)をつけられ負けていたが、5Rに下から腕ひしぎ三角固め を極めて大逆転の一本勝ち[ 20] 。7度目の防衛に成功するとともに、ファイト・オブ・ザ・ナイトとサブミッション・オブ・ザ・ナイトを同時受賞した[ 21] 。
2011年
2011年2月5日、UFC 126 のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者ビクトー・ベウフォート と対戦。1R中盤に左前蹴りでダウンを奪い追撃のパウンドでKO勝ち。8度目の王座防衛に成功し、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[ 22] 。
2011年8月27日、ブラジル で開催されたUFC 134 のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者岡見勇信 と再戦。2Rに岡見のパンチをノーガードでかわすとカウンターの右ジャブでダウンを奪い、さらに右フックで再びダウンを奪って追撃のパウンドでTKO勝ち。9度目の王座防衛に成功した。
2012年
2012年 7月7日、UFC 148 のUFC世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者チェール・ソネン と再戦。1Rは前回と同じく開始早々テイクダウンを奪われ、マウントポジションまで許すも、2Rにスピニングバックエルボーを外し尻餅をついたソネンにボディーへの右膝蹴りを浴びせ、パウンドで攻め立てると、立ち上がったソネンに右ストレートでダウンを奪いパウンドでTKO勝ち[ 23] 。UFC最多防衛記録を更新する10度目の防衛を果たし、ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。試合後には、トラッシュトーク を浴びせられた因縁の相手であるソネンと握手を交わし、肩を組みながらマイクアピールを行った。
2012年10月13日、ブラジルで開催されたUFC 153 でステファン・ボナー とライトヘビー級契約で対戦。自らケージ際に下がりノーガードでボナーのパンチをかわす余裕を見せつけた後、足払いで下がったボナーにすかさずボディーへの膝蹴りでダウンを奪い、パウンドを浴びせ1RTKO勝ち[ 24] 。この勝利で、UFC最多連勝記録を更新する16連勝を達成した。
2013年
世界王座陥落
2013年 7月6日、UFC 162 のUFC世界ミドル級タイトルマッチでミドル級ランキング1位の挑戦者クリス・ワイドマン と対戦。激しく挑発を繰り返すも、2Rに左フックをスウェーでかわしきれずダウンを奪われ、追撃のパウンドでキャリア初のKO負け。約7年間、防衛回数10度に渡って守り続けてきたUFC世界ミドル級王座から陥落した。ブラジルではこの試合を大手地上派テレビ局のヘジ・グローボ が録画で放送して約2400万人が視聴した[ 25] 。
2013年12月28日、UFC 168 で王者クリス・ワイドマン にダイレクトリマッチで挑戦。2Rに放った左ローキックがワイドマンの膝に直撃し、シウバの脛骨と腓骨を完全に骨折。レフェリーに試合続行不可能とみなされTKO負けを喫し、王座奪還に失敗した。後日骨折の手術を受けるが、シウバが執刀医に最初に尋ねた質問は「いつトレーニングに復帰できるんだ?」であった[ 26] 。別の日には「タイトルを再び手にするまで、引退するつもりはない」と復帰の強い意志を語った[ 27] 。
2015年
2015年 1月31日、1年1か月ぶりの復帰戦となったUFC 183 でニック・ディアス と対戦し、3-0の5R判定勝ちを収めた。試合後、試合前に行われていた薬物検査から禁止薬物のステロイド の一種であるドロスタノロン とアンドロスタン の陽性反応が検出されたことが発表され[ 28] [ 29] 、さらに後日、試合当日に行われた薬物検査でもドロスタノロンと不安障害 や不眠の治療に使われる禁止薬物のオキサゼパム とテマゼパム の陽性反応が検出されたことが発表された[ 30] [ 31] 。これを受けてシウバは決まっていたTUFブラジル・シーズン4のコーチ役を降板している[ 32] 。2015年8月の公聴会でシウバは、ドロスタノロンについて「性機能増進 目的で服用したサプリメントに本来含まれているはずのないステロイドが混入していた」と潔白を主張し、オキサゼパムとテマゼパムについては、試合前夜に抗不安薬 と睡眠薬 としてベンゾジアゼピン を服用したことを認めたが[ 33] 、ネバダ州アスレチック・コミッション はシウバの答弁を却下して1年間の出場停止と38万ドルの罰金処分を科し、試合結果もノーコンテストに変更した[ 34] 。
2015年4月、テコンドーでリオデジャネイロオリンピック 出場を表明。しかし、6月10日、ドーピング違反の処分取り下げを求める訴訟の準備に専念するために五輪出場を断念する事を発表した[ 35] [ 36] 。
2016年
2016年 2月27日、1年1か月ぶりの復帰戦となったUFC Fight Night: Silva vs. Bisping でミドル級ランキング7位のマイケル・ビスピン と対戦。3R終盤に飛び膝蹴りでダウンを奪ったものの、0-3の5R判定負け。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。
2016年7月9日、UFC 200 でジョン・ジョーンズ の代役として大会2日前のオファーを受けてUFC世界ライトヘビー級王者ダニエル・コーミエ とライトヘビー級契約で対戦[ 37] [ 38] 。左ミドルキックを効かせプレッシャーをかける場面があったものの、テイクダウンを切れずグラウンドで劣勢となり0-3の判定負け[ 39] 。
2017年
2017年 2月11日、UFC 208 でミドル級ランキング8位のデレク・ブランソン と対戦し、約4年半ぶりの勝利となる3-0の判定勝ちを収めた[ 40] 。
2017年11月10日、米アンチ・ドーピング機構(USADA)が10月26日に実施した競技外の抜き打ち検査でシウバにアンチ・ドーピング規則違反(禁止薬物のメチルテストステロン代謝物とヒドロクロロチアジドの陽性反応)があったと発表[ 41] 。2018年7月18日、USADAは、シウバに陽性反応が検出された時に摂取していたサプリメントを提出させ、その中から禁止薬物が入っていた栄養サプリメントを特定して、シウバがその栄養サプリメントを購入していたブラジルの調剤薬局から独自に複数のサプリメントを入手し分析した結果、アナボリックステロイドや利尿薬が混入したいくつかの汚染サプリメントを確認したことを発表した。これによりアンチ・ドーピング規則違反が汚染サプリメントによるものと認められたシウバは出場停止期間が短縮され1年間の出場停止処分を受けた[ 42] [ 43] [ 44] 。
2019年
2019年 2月10日、2年ぶりの復帰戦となったUFC 234 でミドル級ランキング6位のイスラエル・アデサンヤ と対戦。スウェーやダッキングで打撃をかわすなど全盛期さながらの動きを見せ、時折パンチをヒットさせるなど健闘するも、0-3の判定負け[ 45] 。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。当初、同大会のメインイベントはロバート・ウィテカー とケルヴィン・ガステラム のUFC世界ミドル級タイトルマッチが予定されていたが、ウィテカーが腹壁ヘルニアで大会当日に欠場したため、アデサンヤとシウバの試合が同大会のメインイベントにスライドされる形となった[ 46] 。
2019年5月12日、UFC 237 でミドル級ランキング10位のジャレッド・キャノニア と対戦。1R終盤に右インローキックを受けた際に「破壊されたと言われるほどの威力」で[ 47] 右膝を負傷してダウンし、そのまま起き上がれずTKO負け[ 48] 。
2020年
2020年 10月31日、UFC Fight Night: Hall vs. Silva でミドル級ランキング10位のユライア・ホール と対戦し、4Rに右フックでダウンを奪われ、パウンドでTKO負け[ 49] 。
2020年11月19日、UFCからリリースされた[ 50] 。
2021年
ボクシング復帰
2021年 6月19日、約16年ぶりのボクシング復帰戦で元WBC 世界ミドル級王者フリオ・セサール・チャベス・ジュニア と対戦し、8回2-1(77-75、75-77、77-75)の判定勝ちを収めた[ 51] [ 52] 。この試合は182ポンド契約であったが、チャベスが前日の計量で2.4ポンドの体重超過をしたため、ファイトマネーから10万ドルをシウバに譲渡する条件で行われた。なお、ジャッジ3人のうち1人が77-75でチャベス勝利に付けたが、合計打撃数ではシウバ392発、チャベス153発とシウバが倍以上の差を付けた[ 53] 。
2021年9月11日、フロリダ州 マイアミ のセミノール・ハード・ロック・ホテル & カジノで元UFC世界ライトヘビー級王者ティト・オーティズ と対戦し、プレッシャーをかけるオーティズにカウンターの右フックをヒットさせ追撃の左フックで1回KO勝ち[ 54] 。この試合は195ポンド契約であったが、オーティズが前日の計量で5ポンドの体重超過をしたため、ファイトマネーの20%をシウバに譲渡する条件で行われた[ 55] 。
2022年
2022年 10月29日、アリゾナ州 グレンデール のヒラ・リバー・アリーナ でYouTuber のジェイク・ポール と187ポンド契約で対戦。互角の展開を繰り広げるも、8回に右ストレートでダウンを奪われ8回0-3(74-77、73-78×2)の判定負け[ 56] [ 57] 。
2023年
2023年 3月18日、UFC 286 でシウバのUFC殿堂 入りが発表された。
人物・エピソード
UFC世界タイトルマッチ史上最多フィニッシュ(KO・一本)勝利記録(9回)、同最多KO勝利記録(7回)、UFC世界ミドル級タイトルマッチ史上最多勝利記録(11勝)、同最多連続防衛記録(10回)、UFCミドル級史上最多フィニッシュ勝利記録(11回)など、数々の記録を保持している。
UFC世界ヘビー級・ライトヘビー級王者ジョン・ジョーンズ 、UFC世界ミドル級王者イスラエル・アデサンヤ を始め数多くのファイターが尊敬し、目標とされている人物であり、アデサンヤとユライア・ホール はシウバとの対戦後に涙を流しながら敬意を表している[ 58] [ 59] [ 60] 。
2017年にESPN が選定した「世界で最も有名なアスリート100人 」にて39位にランクインし、格闘家としてはロンダ・ラウジー (16位)やコナー・マクレガー (25位)に次ぐ記録で、マニー・パッキャオ (59位)を上回った[ 61] 。
柔術黒帯を授かったノゲイラ兄弟を尊敬しており、ノゲイラ兄弟について「俺は彼らに自分の人生を捧げている。彼らに恩を着せようとかそういうことじゃないんだ。ホドリゴ は俺の師匠で、ホジェリオ は俺の兄弟であり先生なんだ。彼らの存在無くして今の自分はあり得ない」と語っている[ 62] 。
試合中にトリッキーな動きをしたり、相手に喋りかけるなどの行為がよく見受けられるが、シウバはこれらの行為について「相手を貶している訳ではない。これは戦略であり、自分のスタイルだ」と語っている[ 63] 。
人前で涙を見せることがよくあり、PRIDE 男祭り 2004 では試合に敗れた後にバックステージで泣き、UFC 153 ではアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが勝利した際に嬉しさのあまり自分の試合前であるのにもかかわらず号泣した[ 64] 。また、UFC 162 で敗れた事に八百長 疑惑をかけられ、その事についてTV番組で聞かれた際に涙を流した[ 65] 。
ブラジルでは、ナイキ やバーガーキング とスポンサー契約している。自身は格闘家になる前はマクドナルド でアルバイトしていた[ 66] 。
高級時計メーカーのウブロ とスポンサー契約を結び、アンデウソン・シウバ限定モデルの時計が発売された[ 67] 。
22歳の頃結婚し、3人の息子と2人の娘を儲けている[ 68] 。長男のガブリエル・シウバ(Gabriel Silva)はキックボクサー であり、2020年にIKF 南カリフォルニア 王者となっている[ 69] 。次男のカリル・シウバ(Kalyl Silva)はラッパー であり、UFC 208 に出場した際には息子の曲「Doom」を入場曲として使用した[ 70] 。2021年8月17日、次男カリルがアマチュアキックボクシング のデビュー戦を行い、左ハイキックで開始僅か8秒のKO勝ちを収めている[ 71] 。
自身が14歳の頃まで女装をして人形で遊ぶ事を一般的なことだと思っていたというエピソードや、ハイトーンな声質を持っていることなどから、以前はゲイ だと勘違いされることもあった[ 68] 。
ボクシング 世界王者ロイ・ジョーンズ・ジュニア と、ボクシングルールで対戦することを熱望している。ロイ・ジョーンズもこの対戦に関して意欲的だが、UFCは選手に対して独占契約を結んでいるため、他団体や他競技で試合をすることが許されておらず、この対戦は実現していない。また、ロイ・ジョーンズは「MMAルールでも構わないからアンデウソンと対戦したい」と希望したが、UFC代表のダナ・ホワイト はこの対戦にも否定的である[ 72] [ 73] 。
2019年7月23日にロサンゼルス・コンベンション・センター で開催された帰化セレモニーに出席しアメリカ合衆国の市民権 を取得した。シウバは「とても幸せな気持ちだし、これは自分や家族にとって素晴らしい瞬間だ」「母や兄弟はブラジルにいるが、今はここ(アメリカ合衆国)が自分の国だと思っている」と語った[ 74] 。
2019年に自身のスポーツブランド 「SPIDER KICK」を立ち上げた。また、ロサンゼルスにジムをオープンしている[ 75] [ 76] 。
ボクシングでティト・オーティズ にKO勝ちをした帰りの飛行機で、オーティズと一緒に座れるようするためオーティズの彼女に自身のファーストクラス のチケットをプレゼントした[ 77] 。
2021年11月にキャリアを振り返り、自身の総合格闘技のキャリアで最も重要だった試合を、この試合に勝てたからPRIDEやUFCに出場できるようになったとして、2001年に修斗 で桜井"マッハ"速人 と対戦した試合だと話している[ 78] 。
戦績
総合格闘技
総合格闘技 戦績
46 試合
(T)KO
一本
判定
その他
引き分け
無効試合
34 勝
22
4
8
0
0
1
11 敗
4
2
4
1
プロボクシング
プロボクシング 戦績
5 試合
(T)KO
判定
その他
引き分け
無効試合
3 勝
2
1
0
0
0
2 敗
1
1
0
エキシビションボクシング
戦
日付
勝敗
時間
内容
対戦相手
国籍
備考
1
2022年5月21日
—
8R
N/A
ブルーノ・マチャド
ブラジル
無判定試合
テンプレート
キックボクシング
勝敗
対戦相手
試合結果
大会名
開催年月日
○
タデウ・サンマルチーノ
1R 2:57 KO
STORM Muay Thai Grand Prix
2003年4月12日
獲得タイトル
表彰
ペイ・パー・ビュー販売件数
出演
CM
映画
Like Water(2011年)
Tapped Out(2014年)
無敵のドラゴン (2019年)
脚注
^ Anderson Silva grateful to be sworn in as U.S. citizen: 'This is my country now' MMA Junkie 2019年7月24日
^ 日本では誤った発音の「アンデウソン」が通名となっているが、ポルトガル語での正しい発音は「アンデルソン」に近い。なお、UFC等では英語読みで「アンダーソン」と発音される。
^ The Real-Life Diet of Anderson Silva, the Greatest UFC Fighter of All Time yahoo!sports 2019年2月12日
^ 『kamipro』No.147記事紹介・第五弾! アンデウソン・シウバの知られざる闇と優しき素顔 kamipro.com 2010年5月26日
^ Tatame has Anderson Silva Interview LOCKFLOW.com 2006年8月9日
^ MMA Knockout of the Day: Anderson Silva KO's Iron Chin Chris Leben Bleacher Report 2011年8月3日
^ Anderson Silva vs. Chris Leben TAPOLOGY 2006年6月28日
^ UFC 64 :: Rich Franklin vs. Anderson Silva CHRON 2006年10月14日
^ 5 fighters who had a quick path to a UFC title shot Sportskeeda 2021年5月3日
^ UFC 67: SILVA, “RAMPAGE” AND “CRO COP” TRIUMPHANT - SILVA, “RAMPAGE” AND “CRO COP” Sherdog 2007年2月4日
^ Anderson Silva vs. Nate Marquardt TAPOLOGY 2007年7月7日
^ Anderson Silva vs. Rich Franklin II TAPOLOGY 2007年10月20日
^ Silva, Henderson and Leben Earn "Fight Night" Bonuses MMA Junkie 2008年3月2日
^ UFC Fight Night 14 play-by-play and official results MMA Junkie 2008年7月19日
^ Silva's apology for UFC 90 anitcs was appropriate Chicago Sun Times 2008年10月27日
^ Anderson Silva's Inconvienient Victory MMA Blitz Corner 2010年6月29日
^ UFC 101 bonuses: B.J. Penn and Forrest Griffin take $60K, Anderson Silva earns $120K MMAjunkie 2009年8月9日
^ 【UFC112】アンデウソンに不満爆発、ブーイング鳴りやまず MMAPLANET 2010年4月11日
^ UFC President Dana White Embarrassed by Anderson Silva Sports Gather 2010年4月11日
^ 【UFC117】残り110秒の大逆転劇、アンデウソン防衛成功 MMAPLANET 2010年8月8日
^ UFC 117 bonuses: Struve, Silva, Sonnen and Hughes earn $60,000 fighter awards MMAjunkie 2010年8月8日
^ 【UFC126】アンデウソンが前蹴りで一撃、ヴィトー退ける MMAPLANET 2011年2月6日
^ シウバ、TKOで10度目防衛成功/UFC nikkansports.com 2012年7月8日
^ アンデウソンが貫録の1RTKO勝利 ノゲイラは一本勝ちで復活アピール sportsnavi.com 2012年10月13日
^ [1] ブラジルのMMA記者のツイッター 2013年7月9日
^ [2] ダナ・ホワイトのツイッター 2013年12月30日
^ Anderson Silva: I won’t stop fighting until I get my title back MMA Fighting 2014年9月27日
^ UFC confirms Anderson Silva tests positive for steroids, Nick Diaz pops for marijuana MMA Junkie 2015年2月3日
^ Anderson Silva, Nick Diaz both fail UFC 183 drug screens Yahoo.Spors 2015年2月4日
^ Anderson Silva also failed UFC 183 pre- and post-fight drug tests MMAjunkie 2015年2月28日
^ Anderson Silva fails 2nd drug test ESPN 2015年2月18日
^ 【TUF BR04】アンデウソン・シウバ、TUFブラジル・シーズン04を降板。ミノタウロがコーチに就任 MMAPLANET 2015年2月10日
^ Anderson Silva suspended one year for failed UFC 183 drug tests MMAFighting 2015年8月13日
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^ Spider Kick 公式サイト
^ ANDERSON SILVA GIVES 1ST CLASS SEAT TO TITO ORTIZ'S GF... After KO'ing Him In Fight TMZ 2021年9月13日
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関連項目
外部リンク
空位 前タイトル獲得者 ポール・ジェンキンス
第2代Cage Rage 世界ミドル級 王者
2004年9月11日 - 2008年10月20日
次王者 王座廃止