イカルバス(セルビア語:Икарбус / Ikarbus)は、セルビア共和国のバス車両メーカーである。
概要
1923年に航空機メーカーとして設立され、1954年からバス製造を開始した。
設立以来、社名は「イカルス」(Ikarus)としていたが、ハンガリーに同名のバス車両メーカーが存在することから、1993年に現社名の「イカルバス」(Ikarbus)に改称している。
GSPベオグラードをはじめとするセルビア国内のバス事業者向けを中心に、各種バス車両を製造している。近年はGSPベオグラードの車両更新計画に対応し、ノンステップバスやCNGバスの製造も行っている。
本社所在地は、ベオグラード市ゼムン区。
主要車種
車名は「IK-車種コード(3桁)」で構成される。車種コードは百位の数字が車種分類を表し、1(IK-1xx)は単車バス、2(IK-2xx)は連節バス、3と4(IK-3xx、IK-4xx)は長距離・貸切バスを意味する。
- IK-101 (MAN製エンジン)
- IK-102 (RABA製エンジン)
- IK-103 (MAN製又はメルセデス・ベンツ製エンジン)
- IK-103CNG (CNGバス)(環境規制ユーロ5基準適合)
- IK-112N (MAN製エンジン)(ノンステップバス)
- IK-107
- IK-201 (MAN製エンジン)
- IK-202 (RABA製エンジン)
- IK-203 (メルセデス・ベンツ製エンジン)
- IK-206 (MAN製エンジン)
- IK-218N (MAN製エンジン)(ノンステップバス)
- IK-218M (MAN製エンジン)(ノンステップバス)
- IK-308
- IK-312
- IK-412
- IK-415
航空機製造事業(1961年まで)
1923年にイカルス社として設立された当時、事業の中心は航空機製造であった。外国製航空機のライセンス生産を経て自社設計・開発機を手がけるようになり、第2次世界大戦による中断をはさみつつ、練習機イカルス アエロ2や単発戦闘機S-49などを製作した。1950年代にはユーゴスラビア初のジェット機・イカルス451Mの開発も行っている。その後、イカルス社の航空機製造事業は、モスタルに設立されたSOKO社(en:SOKO)に移管されることとなり、1961年に航空機製造部門を同社へ移管し、事業から撤退した。
なお、SOKO社は、練習機G-4や攻撃機J-22などの開発・生産を手がけたものの、1990年代に至ってボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の激化により操業は困難となり、1992年に閉鎖となった[1]。SOKO社の航空機事業はパンチェヴォのUTVA社(en:Utva Aviation Industry)に承継されたが、その後はSOKO社開発機の新造は行われていない[1]。
脚注
- ^ a b 青木謙知 『戦闘機年鑑 2009-2010』 イカロス出版、2009年、p.143,145
参考文献
バスラマ・インターナショナル104号「世界の都市の公共交通 その9 セルビア・ベオグラードGSPの場合」
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
イカルバスに関連するカテゴリがあります。