野生のエゾサンショウウオ
エゾサンショウウオ (鯢、山椒魚、学名 Hynobius retardatus )は、有尾目 サンショウウオ科 サンショウウオ属 に分類される有尾類。
分布
日本 (北海道 )固有種 [ 3]
模式標本 の産地(模式産地)は登別[ 2] 。
形態
全長11 - 18.5センチメートル[ 3] 。頭胴長6 - 8.7センチメートル[ 3] 。体側面に入る皺(肋条)は左右に11本[ 3] 。体色は暗褐色や褐色・暗灰色[ 3] 。後肢の趾は5本[ 3] 。
繁殖期のオスは体側面の皮膚が弛み、尾が鰭状になる[ 3] 。幼生は巨頭化する型がみられ、エゾアカガエル の幼生や同種を共食いするための適応だと考えられている[ 3] 。第2次世界大戦前の倶多楽湖 で、幼生の性質を残したまま成熟したネオテニー 個体が発見されたが、1932年を最後に倶多楽湖の個体群ではネオテニー個体は確認されていない。2020年と2021年に北海道大学の研究グループが、胆振地方の池で幼形成熟したオス個体を89年ぶりに発見している[ 5] 。染色体数は40[ 4] 。
分類
肋条数・鋤骨歯列の形状・サンショウウオ属で本種のみ染色体数が40であることからエゾサンショウウオ属Satobius に分割する説もあったが、分割を認めない説が有力とされる[ 4] 。
属内では最も原始的な種である可能性が高いとされる[ 4] 。
生態
平地から山地にかけての沼沢地の周辺に生息する[ 3] 。小さな昆虫類 やクモ を食べる。
主に4 - 5月に繁殖するが、高地では7月に繁殖することもある[ 3] 。湖岸や池、水たまり、道路の側溝、用水路等に産卵する。卵嚢はコイル状に巻いた長いひも状で透明だが、産卵直後は白濁している。1か所の繁殖地に1,000匹以上の個体が高密度で産卵することもある[ 3] 。
人間との関係
河川改修・牧草地化・土地開発・道路建設による生息地・繁殖地の破壊、アライグマ による捕食により生息数が減少している[ 3] 。
情報不足(DD) (環境省レッドリスト )
参考文献
関連項目