アメリカ行きは、ワイルドの派手すぎる芸術家気取りと身なりが遠因でそれをからかうウィリアム・ギルバート/アーサー・サリヴァンのサヴォイ・オペラ、『忍耐、またはバンソーンの花嫁』(Patience, or Bunthorne's Bride)がイギリスで当たり、それをニューヨークで再演する前宣伝に、招かれたという[1]。
1889年1月発行の雑誌『19世紀』に発表した「嘘の衰退」(The Decay of Lying )で日本美術について触れている[5][6]。当時のイギリスの芸術界はジャポニスムに沸いていた時期で、ワイルドは登場人物に「絵の中の日本は画家たちが創造した空想の産物であり実在しない」と語らせている[5]。同年に日本を訪れた作家のキプリングは、日本滞在記の冒頭でワイルドのこの論文に触れ、「大嘘だ。日本は実在した」と日本の印象を書き始めている[7]。
『アーサー・サビル卿の犯罪』(1887年)/『謎のないスフィンクス』(The Sphinx Without a Secret)(1887年)/カンタヴィルの亡霊(The Canterville Ghost(1887年)/『W・H 氏の肖像』(The Portrait of Mr. W. H.). 井村君江訳、工作舎 1989年/『模範的百万長者』(The Model Millionaire)
『芸術家としての批評家』(The Critic as Artist)/『嘘の衰退』(1889年)(The Decay of Lying)/『ペン、鉛筆と毒薬』(Pen, Pencil and Poison)(19世紀英国の画家・批評家・毒殺魔、 トーマス・グリフィス・ウェインライトの小伝。義妹を保険金目当てで殺害しておきながら、動機は彼女の足首が太かったからと、ウェインライトが囚人仲間に吹聴したと書かれている)/『仮面の真実』(The Truth of Masks)
『ザクロの家』(A House of Pomgranates)(1891年)第二童話集、III
『若い王』(The Young King)/『王女の誕生日』(The Birthday of the Infanta)/『漁師とその魂』(The Fisherman and His Soul)/『星の子』(The Star-Child)
^ジャイルズ・ブランドレス(Gyles Brandreth)の小説『オスカー・ワイルドとキャンドルライト殺人事件』(国書刊行会Oscar Wilde and the Candlelight Murders 2007)には「オスカー、あなたには驚かされる。あなたは、この時代の最もすぐれた人物のひとりに違いありません」と同時代人のアーサー・コナン・ドイルが終わりに言う場面がある。