オニビシ(鬼菱 Trapa natans var. japonica[1])は、ヒシ科の水草。
分布
日本などの東アジアに広く生育している[2]
形態、生態
一年草の浮葉植物[2]。葉は菱形で、長さ3-6cm、幅4-9cm[2]。茎の先端から葉を放射状に叢生して、水面を覆う。
果実は石果で、長さ45-70mmと大型になる[2]。果実には4本のとげをもち、胚乳にでんぷんを貯蔵している。
染色体数は2n=48[3]。
近縁種
近縁種としてヒシ、ヒメビシなどがある。ヒシやオニビシの葉の大きさは変異が大きく、確実に同定するためには果実を見る必要がある[2]。ヒシの果実のとげは4つの萼片のうち2つが発達したもの(通常残りの顎片は脱落して2本)だが、ヒメビシの果実には上向きのとげが2本と下向きのとげが2本(計4本)、オニビシの果実には下向きのとげが4本ある[4]。特にオニビシは果実が大型になる[4]。
利用
先述の通り、果実中にある胚乳にはでんぷんが貯蔵されており、食用になる。
かつては撒菱としても使用された。
脚注
- ^ 学名は角野 (1994)に準じた。
- ^ a b c d e 角野 (1994) pp.128-129
- ^ 荻沼一男、高野温子、角野康郎(1996)「日本産ヒシ科数種の核形態」植物分類・地理 47(1) pp.47-52
- ^ a b “ヒシ”. 北海道開発局. 2022年8月1日閲覧。
参考文献
関連項目