この項目では、種Larus canus について説明しています。
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カモメ (鴎[ 4] 、Larus canus )は、鳥綱チドリ目カモメ科カモメ属に分類される鳥類。
分布
夏季にユーラシア大陸北部やカナダ西部、アラスカ州などで繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸北部やヨーロッパ、ペルシャ湾沿岸部、アメリカ合衆国西部、中華人民共和国東部などへ南下し越冬する[ 5] 。日本では主に亜種カモメが冬季に越冬のため飛来(冬鳥)するが[ 6] [ 7] 、亜種コカモメが飛来した例もある[ 8] 。
形態
全長40 - 46センチメートル[ 5] 。翼開張110 - 125センチメートル[ 5] 。頭部や体下面の羽衣は白い[ 5] [ 6] 。背中や翼上面は青灰色の羽毛で被われる[ 6] [ 8] 。尾羽の色彩も白い[ 5] 。初列風切の色彩は黒く、先端に白い斑紋が入る[ 5] [ 6] 。
嘴は小型で細い[ 6] [ 8] 。後肢は細い[ 8] 。嘴や後肢の色彩は灰黄緑色や黄色で[ 6] [ 7] 、嘴先端に不明瞭な黒い斑紋が入る個体もいる[ 8] 。
幼鳥は全身が灰褐色の羽毛で被われ、肩を被う羽毛や翼上面の外縁(羽縁)が淡褐色[ 8] 。和名は幼鳥の斑紋が籠の目(かごめ→カモメ)のように見える事が由来とされる[ 4] 。尾羽の先端が黒い[ 5] [ 7] 。嘴は黒い[ 6] [ 8] 。後肢の色彩は淡ピンク色[ 6] [ 8] 。
夏季は頭部から頸部にかけて斑紋が無く(夏羽)、冬季は頭部から頸部にかけて淡褐色の斑点が入る(冬羽)[ 5] [ 6] 。
分類
以下の亜種の分類・分布(繁殖地)は、IOC World Bird List(v 10.2)に従う[ 2] 。和名は日本鳥類目録 改訂第7版に従う[ 3] 。
Larus canus canus Linnaeus, 1758
アイスランド・ブリテン諸島・白海で繁殖する
Larus canus brachyrhynchus Richardson, 1831 コカモメ
カナダ西部・アラスカ北部で繁殖する
外側から3枚目の初列風切先端に白い斑紋が入らない[ 5] 。
Larus canus kamtschatschensis Bonaparte, 1857 カモメ
シベリア南東部で繁殖する
外側から3枚目の初列風切先端に白い斑紋が入る[ 5] 。
Larus canus heinei Homeyer, 1853 ニシシベリアカモメ
ロシア西部からシベリア中部で繁殖する
生態
沿岸部や河口 、干潟 などに生息する[ 5] [ 7] [ 8] 。同科他種と混群を形成する事もある[ 7] [ 9] 。
食性は雑食で、主に魚類 やオキアミ、カニなど、陸地では穀類から果実など[ 9] 。
繁殖様式は卵生。集団繁殖地(コロニー)を形成する[ 7] 。沿岸部の岩礁や草原などに巣を作り、卵を産む[ 7] 。生後3年で成鳥羽に生え換わる[ 8] 。
名称
カモメを指す英語 のmew、ドイツ語 のMöwe、オランダ語 のmeeuw等はゲルマン祖語 *maiwaz に遡るが、おそらく当時の借用語 でありインド・ヨーロッパ祖語 起源ではない[ 10] 。
中国語のōuに対する漢字表記「鴎(鷗)」は、発音を表す「区(區)」と意味を示す「鳥」からなる形声文字である。
画像
脚注
出典
^ a b c d BirdLife Inte. 2019. Larus canus (amended version of 2018 assessment). The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T22694308A155576460. doi :10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T22694308A155576460.en , Downloaded on 04 October 2020.
^ a b Noddies, gulls, terns, auks , Gill, F & D Donsker (Eds). 2020. IOC World Bird List (v10.2). doi :10.14344/IOC.ML.10.2 , (Downloaded 04 October 2020)
^ a b c 日本鳥学会「カモメ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、日本鳥学会 、2012年、167-168頁
^ a b 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社 、2008年、106頁。
^ a b c d e f g h i j k 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版 、2000年、280-281頁。
^ a b c d e f g h i 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会 、2007年、88-89頁。
^ a b c d e f g 中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社 、1984年、79、183頁。
^ a b c d e f g h i j 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社 、2000年、304頁。
^ a b 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館 、2002年、64頁。
^ Kroonen, Guus (2014), Etymological Dictionary of Proto-Germanic , New York: Brill, p. 349–350, ISBN 978-90-04-18340-7
関連項目
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