Share to: share facebook share twitter share wa share telegram print page

キクザトサワヘビ

キクザトサワヘビ
保全状況評価[1]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: ナミヘビ科 Colubridae
: サワヘビ属 Opisthotropis
: キクザトサワヘビ O. kikuzatoi
学名
Opisthotropis kikuzatoi
(Okada & Takara, 1958)
シノニム

Liopeltis kikuzatoi
Okada & Takara, 1958

和名
キクザトサワヘビ
英名
Kikuzato's brook snake
Kikuzato's stream snake

キクザトサワヘビ(喜久里沢蛇、Opisthotropis kikuzatoi)は、ナミヘビ科サワヘビ属に分類されるヘビ[2]。サワヘビ属が属するナミヘビ科ユウダ亜科(Natricinae)は、ユウダ科(Natricidae)であるという説もある。

分布

日本久米島[3][4][5][6][7]固有種[8]

形態

全長50-60センチメートル[4]。頭胴長45-55センチメートル[3][8]。前額板は1枚だが[6]、不完全な縫合線があり2枚あるように見える個体もいる[3][6][8]。胴体中央部の斜めに列になった背面の鱗の数(体鱗列数)は15[3][6][7][8]。総排泄口周辺や尾を覆う鱗には筋状の隆起(キール)が発達するが、その他の鱗にはキールがない[3][4][6][8]。背面の体色は黒褐色で、体側面に黄色や橙色の斑点が入る[3][4][8]。胴体腹面の体色は淡黄色で、尾腹面の体色は暗色がかる[3][8]

鼻孔は吻端寄りに位置し、上方に開口する[3][6][8]

分類

アオヘビ属の構成種と記載され[6]、旧和名もキクザトアオヘビだった[5]1965年に2頭目、1982年に3頭目が発見された[5][6]。これらの標本から分類学的再検討が行われた結果、サワヘビ属の構成種であるとして和名もキクザトサワヘビに変更された[5][6]

生態

山地にある原生林スダジイからなる二次林内を流れる渓流に生息する[3][7][8]。日本に分布するヘビでは唯一淡水棲[3]。主に午前中に活動する[7]。野生下では25分以上、飼育下の止水中では最大12分30秒の潜水例がある[7]

食性は動物食で、主にアラモトサワガニクメジマオオサワガニクメジマミナミサワガニの稚ガニを食べる[3][8]。またカエルの幼生、魚類、昆虫、甲殻類も食べると考えられている[4][7]

10月に飼育下個体の体内から11個の卵が発見された例がある[7][8]

人間との関係

和名は1956年9月15日に本種を発見・採集した喜久里教達に由来する[5][7]

分布が限定的であることに加えて、開発による生息地の破壊、水質汚染、漁業による混獲、人為的に移入されたウシガエルによる捕食などにより生息数は減少している[3][7][8]。沖縄県の天然記念物に指定され捕獲や飼育が厳しく制限されているが[3]、密猟も懸念されている[7][8]1990-1992年にかけて沖縄県教育委員会が26日間の生息地調査を行ったが5頭しか発見されなかった[7]1995年種の保存法により国内希少野生動植物種に指定、1998年に生息地が「宇江城岳キクザトサワヘビ生息地保護区」に指定、1985年に沖縄県の天然記念物に指定されている[7][9]

絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト[8]

参考文献

  1. ^ World Conservation Monitoring Centre (1996). "Opisthotropis kikuzatoi". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.1. International Union for Conservation of Nature.
  2. ^ 日本爬虫両棲類学会日本産爬虫両生類標準和名(2014年11月9日改訂版)』(2015年5月27日閲覧)
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社2000年、119、200頁。
  4. ^ a b c d e 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、322頁。
  5. ^ a b c d e 当山昌直「キクザトサワヘビ」『琉球大学資料館(風樹館)収蔵タイプ標本目録(1)』、琉球大学資料館(風樹館)、2009年、12頁。
  6. ^ a b c d e f g h i 深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編 『動物大百科12 両生・爬虫類』、平凡社1986年、162頁。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版-動物編-』、沖縄県文化環境部自然保護課編 、2017年、180-182頁。
  8. ^ a b c d e f g h i j k l m n 環境省 自然環境局 生物多様性センター
  9. ^ 環境省
Kembali kehalaman sebelumnya