リバプール・ストリート駅
ロンドン・オリンピック 会場の最寄となるストラトフォード駅
ロンドンよりは複々線 で構成される。
グレート・イースタン本線 (Great Eastern Main Line、「GEML 」)は、イギリス鉄道の幹線鉄道路線 である。ロンドン 都心部とイースト・オブ・イングランド (イングランド東部地域、グレート・ブリテン島 東部)とを結ぶ。
概要
シティ・オブ・ロンドン にあるターミナル駅 のリバプール・ストリート駅 からイプスウィッチ 、ノリッジ 、およびイースト・オブ・イングランド の海岸沿いのリゾート地とを結ぶ[ 1] 。この路線は主として通勤路線かつレジャー客を輸送する路線であり、また貨物列車のルートでもある[ 2] 。
路線はロンドンから途中のシェンフィールド駅までは基本的に列車線 (急行線 )と電車線 (緩行線 )の複線 がそれぞれある複々線 で構成される。前者はインターシティ (特急列車 )とロンドン近郊の外まで走る列車が、後者は近距離の普通列車が使用する。近距離列車が走らないシェンフィールド駅以遠は複線となる。
歴史
この路線の最初の区間はEastern Counties Railway (ECR) により建設され、1839年よりマイル・エンド とロムフォード との間で運行を開始した。
1874年にリバプール・ストリート駅が開業するまでは、ビショップスゲート駅 (最初はShoreditch駅という駅名であった)がロンドンのターミナルであった。
1862年、ECRは他の鉄道会社と合併し、グレート・イースタン鉄道 となった。この鉄道は、1923年の輸送法によってロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道 へと「グループ化」された。その後1948年にイギリス在来線の国有化 により、イギリス国鉄 のイースタン・リージョン の一部となった。
1986年には、ネットワーク・サウスイースト の一部となった。
民営化後はナショナル・レール に属し、1997年 1月5日 ~2004年 3月31日 の間は、近距離列車(近郊列車、suburban service)および中距離列車 (medium distance service) はファースト・グレート・イースタン が運行し、対して急行線 を走る列車 (fast mainline service) はアングリア・レールウェイズ が運行していた。2004年以降はほぼ全ての列車をナショナル・エクスプレス・イースト・アングリア が運行している。
設備
この路線はネットワーク・レール が保有・保守管理を行っている[ 2] 。
電化方式
本線は交流 2万5千ボルト・架空電車線方式 (架線 方式)により電化 され、ロムフォード電気制御室(Romford Electrical Control Room)で制御されている。支線 であるアップミンスター 、サウスエンド・ヴィクトリア、サウスミンスター、ブレントリー、クラクトン、Frintonおよびハーウィッチ・タウンへの各路線もまた同様である。
1930年代にはLNERにより、リバプール・ストリート駅からシェンフィールド までの近郊区間わ直流 1500ボルトで電化する計画が立てられ、工事が始められていた。しかし、第二次世界大戦 の開始により計画は一時中止とされ、1949年まで完成しなかった。その後1956年にはChelmsfordまで延伸し、最終的に1986年にノリッジまで完成した。
イギリス国鉄 の1955年の近代化計画はグレート・ブリテン島 の架線 方式を交流2万5千ボルトで標準化するよう要求し、GEは1960年11月4日~6日にかけて転換された。
ロムフォード~Chadwell Heathの間で、小さなNetwork Rail OLE depotがJutsums Lane陸橋に隣接している。さらに、車両基地のロンドン側の端には、ネットワーク・レールの電気制御室(Electrical Control Room)があり、電気の供給とかつてのアングリア・リージョン全体へのOHLシステムの変更を制御している。
信号方式
信号 はリバプール・ストリートIECC(1992年使用開始)およびコルチェスターPSB(1983年12月使用開始)の2つの信号コントロール・センターにより制御されている。ロバプール・ストリートIECCはマークス・テイまでの信号をコントロールし、以遠はノリッジまでCコルチェスターPSBが管轄する。また、特定地域のみを管轄する小さな信号扱所 もいくつかあり、その中にはIngatestone boxのように複数の場所の分岐点 にわたり管轄区域を持つものもある。
リバプール・ストリートIECCは、ベスナル・グリーン(1997年廃止)、ボゥ((1996年廃止)、ストラトフォード (GE panel closed 1997) 、イルフォード(1996年廃止)、ロムフォード(1998年廃止)、ギデア・パーク(1998年廃止)、シェンフィールド(1992年廃止)、およびチェルムズフォード(1994年廃止)を置き換えたものである。システムはBR Mark 3 solid state interlockings(顕著に4灯式信号 (four-aspect signals) およびGEC-Alsthom HW2000とSmiths clamp-lock point machinesの組み合わせ)を使用する。
リバプール・ストリートIECCへの移転により最初に廃止された信号扱所 はシェンフィールドにある(1982年に使用開始したばかりの)ものであった。移転された最後の信号扱所はロムフォードとギデア・パークにあるものであった。これらは移転されたものの中で最も古いもので、GERおよびLNERの1924年の信号改良計画 (resignalling scheme) により使用開始したものである。
配線構造
リバプール・ストリート駅を出ると、路線は列車線 (本線、the Mains、急行線 )と電車線 (the Electrics、緩行線 ) として知られる2組の複線(複々線 )により構成される。また、ベスナル・グリーン・ジャンクションまではGEに沿ってウェスト・アングリア本線 の列車が走る複線 の「近郊線(サブアーバンズ、Suburbans)」も敷設されている。GEの列車が「Suburbans」を使用することも可能であるが、リバプール・ストリート駅のプラットホーム の配置の関係からこれは非常にまれである。
ベスナル・グリーンで「Suburbans」と別れると、GEはボウ・ジャンクションまで4本の線路を有する。ボウ・ジャンクションには複雑なポイント ・平面交差 群 (a complex set of switches and crossings)がある。LTS線からの電化線路がロンドン側から合流し、さらにその後に別にノース・ロンドン線 、テンプル・ミルズおよびソーントン・フィールズ車庫 (Thornton Fields Carriage Sidings) へ向かう2本の線路がテンプル・ミルズ方面へデルタ線 形状で分岐・合流を行う。
テンプル・ミルズへの分岐点からストラトフォードのロンドン側の端までの間には6本の線路(三複線)があり、ストラトフォード駅を5本の線路で通過した後、駅の郊外側の端から線路は4本(複々線 )となる。
シェンフィールドではサウスエンド・ヴィクトリアへの線路を分岐し、複々線から複線となる。以降は終点のノリッジまでほとんどの区間が複線のままとなる。ただしこの区間では、コルチェスターやイプスウィッチのような通過列車が多い駅 (predominantly through stations) には、(Ingatestoneのロンドン側にあるような貨物用待避線 (goods loops) と共に)2本以上の線路があることがしばしばある。
立体交差の整備
1930年代までは、ロンドンまでやってきた列車線の列車がリバプール・ストリート駅の西側の長い方のホームを利用するには、同駅の入口で近郊列車と平面交差 する必要があったが、これを解消するため、1930年代 にイルフォード駅 のすぐ西に列車線と電車線を入れ替える立体交差 用の高架線路が作られた。
この新しい構造により、ストラトフォード駅ではセントラル線 (1946年に開通)とのcross-platform interchange(同一ホームでの乗り換え?)が容易になった。イルフォード立体交差 (Ilford Flyover) には、そのどちらの側でも単線 の連絡線が立体交差の脇を進み、急行線 ・緩行線 の間を結ぶ。西行きの線路はマナー・パーク駅 のすぐ西側まで伸びる。マナー・パーク駅の線路には5番目の短いホームが設けられているが、通常は使用されていない。東行きの線路はイルフォード駅まで伸び、同駅の5番目のホーム(頭端式 ホーム)につながっており、限られた数の旅客列車が使用する。
また、サウスエンド・ヴィクトリア方面に向かう列車が列車線から電車線へ移る(転線する)ための立体交差を、Gidea Park Carriage Sidingsの郊外側に建設することもまた考えられていた。現在はその代わりに、シェンフィールドのロンドン側の分岐点で列車は移っている。
車両
列車運行会社 により使用される旅客列車の詳細については、en:Greater Anglia#Rolling Stock を参照のこと
ロンドンとノリッジとの間で電気機関車牽引(動力集中方式 )の特急列車(インターシティ) (Electric locomotive-hauled inter city trains) が運行されている。近距離列車および近郊区間外まで走る普通列車 (Inner and outer suburban passenger trains) は電車 (動力分散方式 、electric multiple units)により運行されている。
列車は最高時速100マイル(160km)で運行される。
電気機関車・ディーゼル機関車 牽引の貨物列車も運行される[ 2] 。
列車運行
ほぼ全ての列車が「ナショナル・エクスプレス・イースト・アングリア 」のブランド 名を使用するナショナル・エクスプレス・グループ により運行される[ 1] 。 2004年 4月1日 に、'one'ブランドによりフランチャイズ が始まった[ 3] 。2007年5月の時点では、深夜にc2c によるバーキング駅 までの列車が2本運行されている[ 2] 。これは、ロンドン・フェンチャーチ・ストリート駅 がコスト削減運動のために午後早くに営業を終了し、全ての列車をリバプール・ストリート駅からの運行としていた、イギリス国鉄 の時代に遡る。
ストラトフォード駅がカナリー・ワーフ への接続により重要性を増したものの、リバプール・ストリート駅は主要な旅客の目的地である[ 2] 。
本線
近郊区間外まで走る列車 (Outer suburban) およびインターシティ (特急列車)はリバプール・ストリート~シェンフィールドの間では列車線 (急行線 )を使用する。支線 がロムフォード、シェンフィールド、ウィサム、マークス・テイ、コルチェスター、イプスウィッチ、Stowmarketおよびノリッジで分岐し[ 1] 、いくつかの目的地へは直通運転 が行われる。全列車がシェンフィールドからコルチェスターまでは同じ線路を共有する[ 2] 。
メトロ
高頻度の列車が近郊区間の駅が設置されているリバプール・ストリート駅~シェンフィールド駅間の緩行線 で運行されている。日中時間帯の列車は1時間あたり6本の発着となっている[ 2] 。いくらかの列車はイルフォードもしくはギデア・パーク止まりとなる[ 2] 。
2009年までに、ストラトフォードからハロルド・ウッドまでの路線で、オイスター・カードでの支払による乗車 (Oyster Pay As You Go) をできるようにすることが計画されている[ 4] 現在はリバプール・ストリートからストラトフォードまでの間使用できる[ 5] 。近郊区間の列車とストラトフォードとシェンフィールドの間の緩行線はクロスレール に吸収されると計画されている。
駅一覧
References
^ a b c National Rail, Rail Services Around London & the South East , (2006)
^ a b c d e f g h Network Rail - Route 7 - Great Eastern (PDF)
^ 'one' - Welcome to 'one'
^ 'one' 。 - 'one'(列車運行会社)がOyster Pay As You Goの対応区間を広げる。
^ National Rail - Oyster Pay As You Go (PAYG) (PDF)