ジェットエアウェイズ(Jet Airways)は、インドの航空会社。資金難により2019年4月18日から全便の運航を停止し[1]、インド倒産法による清算手続きが始まった。2021年9月現在、2022年第1四半期からの運航再開が計画されていると報じられている[2]。
概要
2019年4月18日より、すべての国内線と国際線の運航を停止している。
ムンバイをハブ(本拠地)とし、インドの民間航空会社の中では大手であった[3]。
航空券の座席予約システム(CRS)はSABREを利用していた[4]。
歴史
1992年4月1日に設立されたジェットエアウェイズは、1993年5月5日に4機のボーイング737-300で商業運航を開始した。ヨーロッパ・北米路線を就航させ、インド第2の航空会社となるなど、国営航空会社のみであったインドの航空業界に少なからず影響をもたらしたといわれている。
インドでは、同国国営のフラッグ・キャリアであるエア・インディアが主要エアラインであったが、欠航率や延着率が高いことがネックとなっていた。これに対し、ジェットエアウェイズは高い定時性を売りに、ビジネスマンなど時間に余裕のない顧客から支持を得て、2007年のインド国内における航空シェアは24.2%でトップとなった。翌2008年の調査ではキングフィッシャー航空とエア・デカンの合併の影響で22.7%と若干シェアを落としたものの、エア・インディアの14.7%をしのぎ、インド国内でのトップシェアを守った[5]。格安航空会社が台頭する近年においても、2013年4月の調査では子会社を含めて22.6%となっており、IndiGoに続く2位につけていた[6]。
2006年にエア・サハラを買収してジェットライトに社名変更した。2012年3月には、自社の格安航空部門であるジェットエアウェイズ・コネクト(Jet Airways Konnect)と統合し[7]、「ジェットコネクト(JetKonnect)」に再変更している。
2008年4月からは香港へも就航した。また、インドと北米を結ぶ路線に関しては、従来からのヨーロッパ経由に加え、アジア、太平洋経由での上海経由サンフランシスコ線を運航していた(後に運休)[8]。
2013年11月、エティハド航空がジェットエアウェイズの株式を取得後は同社との連携を強化、2014年10月に立ち上げた“エティハド航空パートナーズ”にも参加した[9]。なお、他国の航空会社との連携に関し、ジェットエアウェイズがスターアライアンスに加盟する可能性も報じられていた[10][11]。
2014年12月からは単一ブランド戦略に伴い、ジェットコネクトについてもフルサービスに転換した[12]。
2019年4月17日深夜(ムンバイ時間)、燃料費や各サービスにかかる費用を調達できなくなったため、すべての国内線、国際線の運航を4月18日から停止すると発表した[13]。ジェットエアウェイズの声明では運航停止は一時的としていたものの、資金不足に陥っており、つなぎ資金を調達できない限り運航は不可能であった[1]。最終便は、アムリトサルを発ち、4月18日にムンバイに到着したフライトだった[14]。
2019年6月20日、同社はインド倒産法(the Insolvency and Bankruptcy Code)による清算手続きに入った[15]。
2021年9月、ジェットエアウェイズが2022年第1四半期から国内線および近距離国際線の運航再開を計画していることが報じられた[16]。
2024年、インド最高裁判所がJETAIRWAYSに対し解散を命令。
保有機材
2020年3月現在、全機運用停止となっている。
路線
2020年2月現在、全ての便の運航を停止している。
日本への就航はなかったが、全日本空輸とコードシェア及びマイレージ提携を行っていた[18][19]。
マイレージサービス
ジェット・プリヴィレッジという名前のマイレージサービスを運営していた。パートナーは以下の通り。
太字はエティハド航空パートナーズ加盟航空会社。
受賞歴
- 1997年7月 1996-1997年度 IATA国内ベスト航空会社
- 1998年11月 インド国内ベストエアライン 国際ブランドサミット(International Brand Summit)
- 2003年1月 旅行ホスピタリティー部門のインドで最も尊敬する会社に選出 (Business Weekly Businessworld)
- 2004年2月 国内航空部門 (Business Traveller Awards)
- 2008年 CNBC Awaaz Travel Awards 2008
- 2014年 CNBC Awaaz Travel Awards 2014
関連項目
出典
外部リンク