ジェフリー・トンプソン・リース(Geoffrey Thompson Lees, 1951年5月1日 - )は、イギリスの元レーシングドライバー。イングランド出身。
F1世界選手権やヨーロッパF2選手権などに参戦した後、1980年代半ば以降は日本に活動の場を移した。全日本F2選手権や全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権(JSPC)等で活躍。
経歴
1971年にイギリスのフォーミュラ・フォード1600に参戦してレースデビュー。
1976年にイギリスF3にステップアップ。
1978年のイギリスグランプリでエンサインのマシンに乗り、F1に初めてエントリーしたが、予選不通過に終わった。
1979年のドイツグランプリでティレルのマシンに乗りF1に出場し、予選16位・決勝7位となる(これが公式なF1デビュー)。
1980年にはシャドウやエンサイン、ウィリアムズといったチームからF1にスポット参戦を繰り返すが、計8戦中予選通過はわずか2回のみという成績に終わる。
1981年はF2にステップダウンし、ラルトに加入[注釈 1]。リースは同年のヨーロッパF2選手権でシリーズチャンピオンを獲得した。
1982年にはセオドールやロータスからF1にスポット参戦するが、かろうじて予選を通過するのが精一杯で、結局同年を最後にF1からは撤退を余儀なくされた。
1983年、生沢徹が監督を務めるi&iレーシングの招きに応じて来日し、全日本F2選手権にフル参戦。チームの前年までのエースは中嶋悟であったが、ヨーロッパでの意見の相違や関係の悪化から、あまりよくない状態での別れとなっており、生沢が「出て行った」中嶋に絶対に勝つという思いでリースにオファーを出したという経緯があった[1]。リースは生沢からの期待に応え、来日初年度にして移籍先で苦しむこととなった中嶋を破り全日本F2のシリーズチャンピオンを獲得した[注釈 2]。
以後は日本に活動拠点を移し、全日本F2やJSPC、富士グランチャンピオンレース(富士GC)などに参戦。1985年からヤマハ・OX66エンジンの開発を松本恵二と共に担当、1986年全日本F2第2戦富士ではヤマハエンジンでF2勝利を挙げた[2]。1987年にはホンダF1エンジンのテストドライバーとして日本国内でのF1エンジンテストを担当したこともあった[3][注釈 3]。
1989年に富士GCの最後のシリーズチャンピオンに輝いたほか、JSPCではトヨタのワークスドライバーとして活躍、
1992年にJSPCの最後のシリーズチャンピオンになった。
エピソード
トヨタ・スープラ(3代目・A70後期型)のテレビCMにドライバーとして出演、水を張ったテストコース上で華麗なドライビングを披露している。その幻想的ともいえる映像は大のクルマ好きである喜多郎を感激させ、自身初となるオリジナルCM楽曲製作を快諾させるほどの出来栄えだったが、リース本人は「レーシングドライバーに、わざとスピンなんかさせるんじゃない!」と、かなり怒っていたという。
レース戦績
F1
(key)
ヨーロッパ・フォーミュラ2選手権
全日本F2選手権,全日本F3000選手権
富士グランチャンピオンレース,日本グランチャンピオンレース
全日本耐久選手権/全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権
全日本GT選手権
ル・マン24時間レース
世界スポーツプロトタイプカー選手権/スポーツカー世界選手権
全日本ツーリングカー選手権
脚注
注釈
- ^ ラルトのマシンには、前年にF2へのエンジン供給を再開したホンダのワークスエンジンが搭載されていた。
- ^ 前年チャンピオンの中嶋悟が新チーム・ハラダレーシングのノウハウ不足、不十分な体制に苦しんだことも要因という記事も当時見られた。なお当時の全日本F2では生沢徹のチームと中嶋悟のチームにのみ、ホンダF2エンジンが供給されていた。
- ^ 前年まで中嶋悟が担当していたホンダエンジンのテストをこの年はリースと星野一義、鈴木利男が担当した。翌年からはエマニュエル・ピロが専任となった。
出典
関連項目
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※役職等は2023年4月時点。 |
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1998年 - 1999年 LMGT1 / LMGTP |
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1989年 - 1993年 IMSA GTP |
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1968年 - 1970年 グループ7 |
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太字はティレルにおいてドライバーズワールドチャンピオンを獲得。 |
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※年代と順序はチーム・ロータスで初出走した時期に基づく。 ※太字はチーム・ロータスにおいてドライバーズワールドチャンピオンを獲得。 |
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