イギリスと競合していたフランスの繊維産業を元気付けるため、1802年からナポレオン・ボナパルトはリヨンに大量の絹織物を注文し始めた[18]。1804年[19]、リヨンの絹商人 Gabriel Detilleu に頼まれ、ジャカールはフランス国立工芸院に展示されていたヴォーカンソンの織機の研究を開始した[6]。そして、ヴォーカンソンの織機で使われていた細長い紙をやめ、Falconの使っていたパンチカードを使うようにした[20]。
^Delve 2007, p. 98 See also: Jean Huchard, "Entre la légende et la réalité: La famille de Joseph Marie Charles dit Jacquard" [Between legend and reality: The family of Joseph Marie Charles known as Jacquard], part 1, Bulletin Municipal Officiel de la Ville de Lyon, no. 5309, 23 January 2000.
^Delve 2007, p. 98. ジャカールのこの当時の職業が何だったかについては、若干問題がある。1780年ごろ、絹の機織りは絹商人に雇われているのが普通で、ジャカールは当時のリヨンの記録には絹商人として記録されていない(Delve 2007, p. 99)。
ジャカールの初期の職歴には若干混乱がある。イギリスの経済学者 John Bowring はジャカールに会ったことがあり、その時ジャカールは以前麦藁帽子を作っていたと述べたという(Barlow 1878, p. 144)。Eymard は、ジャカールが絹の機織りに関わる前に活字の鋳造、兵士、麦藁帽子の漂白、生石灰製造(石灰窯)などの職業を転々としたと主張している(Eymard 1863, p. 9)。ただしEymardはその出典を明らかにしていない。Barlowは結婚前のジャカールの職業として、製本、活字鋳造、刃物製造を上げている。結婚後も機織り以外に刃物製造と活字鋳造をしたことがあるとしている(Barlow 1878, p. 140)。ただし、Barlowも出典を明らかにしていない。Ballotは、ジャカールは当初父の機織りの仕事を手伝っていたが、それがあまりにも大変だったため、製本業に移り、その後活字の鋳造を手がけるようになったとしている(Ballot 1913, p. 39)。
^Barlowによれば、ジャカールは模様織りの事業を始めたが失敗し、全財産を失ったという(Barlow 1878, p. 140)。ただし例によって出典は不明である。
^Delve 2007, p. 98. ジャカールの息子については名前と生年月日以外不明である。Ballot 1913, p. 40によれば、1793年のリヨンの反乱が鎮圧されると、ジャカールと息子は都市を抜け出して革命軍に加わったという。そして兵士として暮らす中で息子が戦死したという。ただし、Ballotは噂好きの不注意な歴史家である。例えば、Claudette Boichon は刀鍛冶の親方 Antoine-Hélon Boichon の娘だと書きつつ、別の箇所ではジャカールと結婚する前に Mr. Boichon と結婚して未亡人になったと書いている。
^これには異論もある。当初、ジャカード織機はパンチカード機構に問題があってほとんど売れなかった。1815年、Jean Antoine Breton による改良でその問題が解決し、販売台数が急激に増加したという。詳しくは Jean Huchard, Bulletin Municipal de la Ville de Lyon, numbers: 5219 ("Entre la légende et la réalité: Les tribulations de la mécanique de Joseph Marie Jacquard" [Between legend and reality: The problems of the Joseph Marie Jacquard mechanism]), 3 May 1998; and 5220 ("Entre la légende et la réalité: Le véritable inventeur de la mécanique dite à la Jacquard" [Between legend and reality: The true inventor of the so-called Jacquard mechanism]), 10 May 1998. また(Delve 2007, p. 100)も参照。