スモールキャピタルまたはその省略形スモールキャップス(英: small capital またはその省略形 small caps)は、ラテン文字のタイポグラフィにおいて用いられる、小文字と同じ高さで作られた大文字である。主に大文字で組まれた単語や文章が冗長になるのを、スモールキャピタルで組むことによって防ぐ効果がある。またイタリックと併用、あるいはイタリックの代わりとして強調などに用いることもある。
スモールキャピタルはイタリックほど厳密な使用法は定められてはいない。よく見られる例としてはまとまった段落の最初の単語なり数単語、あるいは最初の1行をスモールキャピタルで組むものがある(右図)[1]。他にはBCやADなどの略語や[2]、4文字以上のイニシャルをスモールキャピタルで組むことも多い。例えばEUやFBIはすべて大文字であっても、NATOはNatoと組むなどである。またwhoのように略語と同一の綴りをもつ単語がある場合、その違いをより明確にする効果もある。スモールキャピタルは他にも欄外タイトル・記事への署名・相互参照・索引・戯曲の役名・参考文献の著者名などに使用される[3]。その他にイギリスやフランスの書物に見られる例としては、人名の苗字を先に持ってきた場合にその苗字をスモールキャピタルで組む(例えばDon Quixote de La ManchaやPotter, Harryなど)、あるいはアジア系の人名の苗字も同様である。
文法上はほとんど意味がない文字であるため、Unicodeにはスモールキャピタルというくくりでは割り当てられていない。14字は発音記号用として Phonetic Extensions(1D00-1D7F)に割り当てられ、LATIN LETTER SMALL CAPITAL A などという名前で収録されている。その他の8字(B、G、H、I、L、N、R、Y)は IPA Extensions(0250-02AF)、3字(F、S、Q)が Latin Extended-D(A720-A7FF)に割り当てられている。
Unicode 11.0 の時点において、 X への割り当てはない。