最初にドーファンの称号を与えられたフランス王子はフィリップ6世の孫シャルル5世であった。売却交渉の当時、法定推定相続人であったのはフィリップ6世の息子のノルマンディー公ジャン(後のフランス王ジャン2世)であり、ジャンの所領となることが念頭に置かれていたが、フィリップ6世が亡くなったため、ジャンの息子シャルルに与えられることになった。この称号はおおよそイングランドにおけるプリンス・オブ・ウェールズに相当するものである。1461年以前は正式には「神の恩寵による、ヴィエノワのドーファン、ヴァランティノワおよびディオワの伯爵」(par la grâce de Dieu, dauphin de Viennois, comte de Valentinois et de Diois)といった。当時のヴィエンヌは神聖ローマ帝国領であり、シャルルは成人した後、叔父である神聖ローマ皇帝カール4世にヴィエンヌに関する臣従礼を捧げた。