ノントーティエント(英: nontotient)、ノントーシェントは、自然数の内、オイラーのトーシェント関数 φ の値域に含まれない数であり、φ(x) = n においてどのような自然数 x もこの方程式を満たさないような自然数 n のことである。言い換えると、全ての x において「x 以下の数で互いに素である自然数の個数」(=φ(x))がn 個ではないような n がノントーシェントである。また、ノントーシェントでないものをトーシェントと呼ぶことがある。
1は φ(x) = 1 において x = 1, 2 という解をもつのでノントーシェントではない。しかし 1 を除く全ての奇数はノントーシェントである。偶数のノントーシェントは無数に存在し、その内最小の数である 14 から小さい順に列記すると[1]
- 14, 26, 34, 38, 50, 62, 68, 74, 76, 86, 90, 94, 98, 114, 118, 122, 124, 134, 142, 146, 152, 154, 158, 170, 174, 182, 186, 188, 194, 202, 206, 214, 218, 230, 234, 236, 242, 244, …
ノントーシェントの集合は密度 1 を持つ。つまり殆ど全ての数はノントーシェントである。しかし、p を素数とすると、p − 1 はノントーシェントでないから、トーシェントの逆数の和は発散する。
2p がノントーシェントであることと、2p + 1 が合成数であることは同値である。つまりこの場合の"p"はソフィー・ジェルマン素数ではない。また、4p がノントーシェントであることと、2p + 1, 4p + 1 がともに合成数であることも同値である。
φ(p) = p − 1 となるため、p − 1 で表される数はノントーシェントではない。また φ(p2) = (p − 1)p であるため、(p − 1)p の形で表される矩形数もノントーシェントではない。さらに p − 1 で表される異なる数同士の積もノントーシェントにはならない。
脚注
関連項目