1860年2月29日、ニューヨーク州バッファローで、ドイツラインラント=プファルツ州出身の両親(ヨハン・ゲオルグ・ホレリス(1808年 - 1869年)とフランシスカ・ブルン)から生まれた。1875年、ニューヨーク市立大学シティカレッジに入学し、1879年、コロンビア大学鉱山工学科で鉱山工学(Engineer of Mines)の学位をとって卒業。1880年、マンハッタンで鉱山技師となった彼は、1890年にはコロンビア大学でPh.D.を取得した。1890年、メキシコのベラクルス出身のルシア・ビバリー・タルコットと結婚し、後に6児を儲けた。ワシントンD.C.ジョージタウンに移り住み、その近くにタビュレーティングマシンの製造工場を作った。その工場のあった場所にはIBMが設置した記念銘板がある。1929年、心臓発作により死去。享年69。墓はワシントンD.C.ジョージタウンのオークヒル墓地にある。
次の世紀のコンピュータ時代のこととなるが、初期のFORTRANにおいて、文字列リテラルは 11HHELLO WORLD のように先頭に「文字数n + 'H'」を付けて表した。この H はホレリスに由来するものとされ、このリテラルによる定数はホレリス定数(en:Hollerith constant)と呼ばれた。
発明と事業
最初の特許を出願した年、ホレリスは教育の場から去り、アメリカ合衆国国勢調査局のために働き始めた。その特許 "Art of Compiling Statistics"(統計集計技法)は1884年9月23日に出願され、1889年1月8日には米国特許第395,782号として成立した[4]。395,781号、395,782号、395,783号という特許の内容は、1889年1月18日のサイエンティフィック・アメリカンで公表された[5]。
彼は国勢調査局との契約に基づいてマシンを製作し、1890年の国勢調査は1880年よりもずっと短い期間(約2年)で完了した[6]。1896年、ホレリスはタビュレーティングマシン社を創業。世界各国の国勢調査局にマシンを貸し出し、パンチカードを販売した。大手保険会社も同様である。システムがうまく動作するよう、彼は世界初の自動カード供給機構、世界初のキーパンチ機(キーボード操作でカードに穴を開ける機械)を開発し、熟練したオペレータなら一時間で200から300枚のカードをパンチすることができるようになった。またタビュレータも発明している。1906年の Type I タビュレータでは配線盤を備え、組み立てなおさなくても別の集計作業ができるようにした(プログラミングに向けた最初の一歩である)。1890年のタビュレータは固定的な結線であり、1890年の国勢調査用カードしか処理できなかったのである。これらの発明は情報処理産業の基盤となった。
1911年、彼の会社を含む4社が合併して コンピューティング・タビュレーティング・レコーディング社(CTR)が結成された[7]。後にトーマス・J・ワトソンを社長に迎えると、1924年にはIBM (International Business Machines Corporation)に社名を変更した。
脚注
^Lydenberg, Harry Miller (1924). John Shaw Billings: Creator of the National Medical Library and its Catalogue, First Director of the New York Public Library. American Library Association. pp. 32
^Randell (ed.), Brian (1982). The Origins of Digital Computers, Selected Papers (3rd ed.). Springer-Verlag. ISBN354-011319-3
^US patent 395782, Herman Hollerith, "Art of compiling statistics", issued 1889-01-08
Austrian, G.D. (1982). Herman Hollerith: The Forgotten Giant of Information Processing. Columbia. ISBN0-231-05146-8
Heide, Lars (2009). Punched-Card Systems and the Early Information Explosion, 1880-1945. Johns Hopkins. ISBN0-8018-9143-4
Essinger, James (2004). Jacquard's Web: How a Hand-Loom Led to the Birth of the Information Age. Oxford: Oxford University Press
Hollerith, Herman (1890). In connection with the electric tabulation system which has been adopted by U.S. government for the work of the census bureau (Ph.D. dissertation). Columbia University School of Mines
Hollerith, Herman (December 1894). “The Electric Tabulating Machine”. Journal of the Royal Statistical Society (Journal of the Royal Statistical Society, Vol. 57, No. 4) 57 (4): 678–682. doi:10.2307/2979610. JSTOR2979610.