色合いに優れ鮮明で、耐光性が高く(褪色が少なく)、堅牢な(耐久性にすぐれる)ことから顔料として使用される。特に銅フタロシアニンはフタロシアニンブルー、フタロシアニン青、高塩素化銅フタロシアニンはフタロシアニングリーン、フタロシアニン緑と呼ばれ、それぞれ青と緑の有機顔料の代表的なものとして知られる。無金属フタロシアニン (Pigment Blue 16) も顔料として使用される。銅フタロシアニンブルーよりも緑味の顔料であるが、可視領域の長波長側の反射が大きく、不鮮明である。
青色の銅フタロシアニンのColour Index Generic NameはPigment Blue 15、より緑味の青色を呈する無金属フタロシアニンのColour Index Generic NameはPigment Blue 16、緑色の高塩素化フタロシアニン(高塩素化銅フタロシアニン)のColour Index Generic NameはPigment Green 7、より黄味の緑色を呈する低塩素化フタロシアニン(臭素化塩素化銅フタロシアニン)のColour Index Generic NameはPigment Green 36である。
プロセスカラーに最もよく使われるのは銅フタロシアニンのβ結晶であるPigment Blue 15:3で、これの分散性能を高めたものが、Pigment Blue 15:4である。カラーフィルターの青に良く使用されるのは、銅フタロシアニンのε結晶であるPigment Blue 15:6で、紫色のジオキサジンとの併用で採用される。カラーフィルターの緑に良く使用されるのは、臭素化塩素化銅フタロシアニンのPigment Green 36で黄色のアゾ顔料などと併用される。