Echeveria ‘Black Prince’ . 2018 Taichung World Flora Exposition, Taiwan.
ベンケイソウ科 (ベンケイソウか、英 : Crassulaceae )とは、被子植物 の科 のひとつである。およそ33属 1400種 を含む。
特徴
多肉 質の葉および茎を持ち、水分を貯蔵できる。分布は世界中に広がっているが、特に北半球 と南アフリカ に多く、水の乏しい乾燥した地域に産する。
常緑の多年草で、カネノナルキ (金のなる木)のように茎が木質化し小灌木のようになるものもあれば、エケベリア属 のようにロゼット 状になり茎はごく短く退化するものもある。葉の大きさ、形、色や繊毛の有無など形態はさまざまである。
この科の植物は食用としてはグラプトペタルム属 の一部が野菜とされる程度で、重要なものではないが、花卉園芸用に多くの種が流通する。それら品種の多くは特異な魅力を持ち、頑健で育てやすいことから人気が高い。カネノナルキやカランコエ もこの科に属する。
多くは属、種間での交雑が容易で、野生、または人為の交雑があり、しばしば分類は容易でない。旧来の分類ではベンケイソウ科はバラ目 に含まれたが、分子系統 解析ではユキノシタ目 に属する結果が得られる。
また、CAM型光合成 (Crassulacean Acid Metabolism)という名称は、最初にこの科の植物からこの代謝経路が発見されたことにちなむ。
分類
ウィキメディア・コモンズには、
ベンケイソウ科 に関連するカテゴリがあります。
3亜科に分ける[ 1] 。タコノアシ属 Penthorum を含める体系もあるが、APG III では別系統のタコノアシ科 としている。
クラッスラ亜科(アズマツメクサ亜科) Crassuloideae
約2属196種。
カランコエ亜科(リュキュウベンケイ亜科) Kalanchoideae
約4属200種。Kalanchoe から セイロンベンケイ属 Bryophyllum を分離することがあるが、分子系統 解析からはKalanchoe に含めるべきであるという結果が出ている[ 2] 。
センペルビヴム亜科(クモノスバンダイソウ亜科) Sempervivoideae
約28属975種。セダム属 (マンネングサ属)Sedum にその内の420種が分類されるが、近年の研究によるとこの属は多系統 であり[ 2] 、例として、かつてセダム属に分類されていたベンケイソウ Hylotelephium erythrostictum のグループがヒロテレフィウム属に、キリンソウ Phedimus aizoon var. floribundus のグループがフェディムス属に分けられている。
テレフィウム連 Telephieae
ウムビリクス連 Umbiliceae
センペルビウィウム連(バンダイソウ連) Sempereae
ペテロセダム属 Petrosedum
センペルビブィウム属(バンダイソウ属 ) Sempervivum
ヨビバルバ属 Jovibarba
アエオニウム連 Aeonieae
セダム連(マンネングサ連) Sedeae
脚注
参考文献
Urs Eggli, ed. Illustrated Handbook of Succulent Plants: Crassulaceae (Springer, 2003) ISBN 3-540-41965-9
大場秀章「ベンケイソウ科」CRASSULACEAE, 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 2』、2016年、平凡社
外部リンク