マイネルラヴ は日本 の競走馬 ・種牡馬 。1990年代 後半に中央競馬 で短距離からマイル 戦にかけて活躍した外国産馬 。キーンランドジュライセールで375,000ドルで落札された。ラフィアンターフマンクラブ では1996年の第2次募集で募集されたが、高額な価格設定からか満口には至らなかった。募集価格は7000万円(35万円×200口)である。主な勝ち鞍はスプリンターズステークス (1998年 )、セントウルステークス (1998年 )、シルクロードステークス (1999年 )。
戦績
馬齢 はデビュー当時の年齢表記にあわせて旧年齢表記とする。
3歳
1997年 夏の函館競馬 でデビュー。この馬が出ることで出走馬が集まらず、レース不成立が危ぶまれた。しかし、最終的には5頭立てとなりレース不成立を免れた。レースではスタートで出遅れたものの、性能の違いで直線では5馬身差をつけ、単勝1.1倍の圧倒的1番人気に応え勝利した。
ソエのため休養し、秋の東京競馬 で復帰。初戦のプラタナス賞では苦手なダートの上に出遅れもあって2着に敗れるが、中1週で挑んだ百日草特別では単勝1.2倍の圧倒的1番人気に応え2勝目を挙げた。更に中1週で東京スポーツ杯3歳ステークス に挑むも、人気を分け合っていたキングヘイロー に敗れ2着に終わった。
続く朝日杯3歳ステークス では強行軍と前走の敗戦が嫌われ6番人気にとどまるが、逃げるマウントアラタを4コーナーで捉え直線で先頭に立つという積極的な競馬を試みた。しかし、グラスワンダー に交わされ2着に終わった。グラスワンダーの勝ち時計は1分33秒6のレースレコードであり、自身の走破時計はリンドシェーバー の当時のレースレコードと同タイムの1分34秒0であった。前半800m45秒台というハイペースを先行し、2着に粘ったことで評価が高まった。
4歳
明けた1998年 、初戦の京成杯 で単勝1.2倍の圧倒的1番人気に支持された。好スタートに見えたが、隣の馬と接触し口を切るというアクシデントが発生していた。レースでは終始馬場の悪い内側を走らされ、直線では前を行く勝ち馬のマンダリンスター と2着のエフワンナカヤマ が壁になり、ゴール直前でようやく最内から抜け出すもレースは5着と初めて連対を外してしまった。
次走のアーリントンカップ では完全に勝ちパターンであったが、オリビエ・ペリエ が巧みに騎乗したダブリンライオン の2着に敗れてしまう。ニュージーランドトロフィー4歳ステークス では、差しの競馬に転換し、直線もよく伸びたが、エルコンドルパサー には届かず、さらにゴール前でスギノキューティー にも交わされ3着に敗れた。武豊 に乗り替わって期待されたNHKマイルカップ も7着に敗れた。このときはレース前に雨が降っており、馬場が良くなかった(稍重)ことも影響し、また鞍上の武豊はレース後の談話で、「1600mでも(距離が)少し長い」と発言している。この後休養に入り、8月に稗田研二厩舎から稲葉隆一厩舎に転厩した。当時のサラブレッドクラブ・ラフィアン代表、岡田繁幸 のこの馬に対する期待は並々ならぬもので、(ケンタッキーダービー を狙うと公言していた)4歳春のふがいない成績に憤慨しての転厩と言われている。
復帰戦は、秋のセントウルステークス であった。前走から+18kgという馬体重ながら、このレースでは中団から力強く抜け出す強い競馬を見せ待望の重賞初勝利を挙げた。2着に3馬身差をつける圧勝で、フジテレビ の競馬中継で解説をしていた大川慶次郎 は「このレベルの(他の)出走馬とこの馬を比べるのは失礼」と発言した。しかし連勝を狙ったスワンステークス ではレース中に目に異物が入るアクシデントの影響で7着に敗れ、予定していたマイルチャンピオンシップ を回避した。
スプリンターズステークス ではまだ本調子一歩手前の状態であったが、ぶっつけで挑戦することとなった。タイキシャトル の引退レースとあって注目は単勝人気1.1倍と圧倒的となった同馬に集中し、また主戦騎乗であった武豊がシーキングザパール に騎乗したため吉田豊 に乗り替わったこともあって、ほぼマイネルラヴはノーマークであった。レースは、そのタイキシャトルを前にマークする形で進め、抜け出そうとするタイキシャトルを4コーナーで並びかけて直線で競り落とし、後方一気で追い込んだシーキングザパールの追撃を頭差振り切り、GI 初制覇を飾った。
5歳
1999年 、初戦はドバイ遠征を目論みダート重賞ガーネットステークス に出走するが、苦手なダートとあって11着と惨敗した。短期放牧をはさみ、目標を阪急杯 に切り替えた。しかし、4月3日に行われるはずの同レースは、ストライキの影響で1週間延期となった。4月10日に行われたレースでは、58.5kgの斤量 と雨の影響で5着止まりとなった。休養明けでまだ調整途上であったことも影響した。
続くシルクロードステークス では、松永幹夫 に乗り替わり、アグネスワールド 、トキオパーフェクト 以下に完勝、復活勝利を挙げた。しかし、春の大目標であった高松宮記念 の直前、左前球節炎 を発症し、無念の回避となった。その後、休養に入った。
復帰後の富士ステークス は、見せ場なく13着と惨敗に終わった。連覇を狙ったスプリンターズステークスは前を行くアグネスワールドを捉えきれず、更に後方にいたブラックホーク やキングヘイローに差され4着に終わった。
6歳
年明け初戦のシルクロードステークスは、横山典弘 に乗り替わるも、4着に敗れた。59kgの斤量の他、レース当日に激しい雨が降り出し、馬場が悪化し不良馬場となったことが敗因として考えられる。レースでは4コーナーを絶好の手応えで回り勝利するかに見えたが、不良馬場の影響で脚が鈍り、前を行くタイキダイヤ を交わすことができずに4着止まりとなった。
この後は、競走馬としてのピークを過ぎていたせいか、高松宮記念16着、秋はセントウルステークス4着、スプリンターズステークス5着、スワンステークス7着、CBC賞 12着と全く結果を出せず、現役を引退し、ビッグレッドファーム で種牡馬 入りした。
競走成績
以下の内容は、netkeiba.com[ 3] の情報に基づく。
競走日
競馬場
競走名
格
距離(馬場)
頭 数
枠 番
馬 番
オッズ (人気)
着順
タイム (上がり3F)
着差
騎手
斤量 [kg]
1着馬(2着馬)
馬体重 [kg]
1997. 0 7.0 6
函館
3歳新馬
芝1200m(良)
5
1
1
00 1.10 (1人)
0 1着
R 1:11.3(36.1)
-0.8
R 藤田伸二
53
(マイネルシャンセ)
466
0000. 10.19
東京
プラタナス賞
500万下
ダ1400m(良)
14
5
7
00 2.80 (1人)
0 2着
R 1:26.4(38.3)
- 0.1
R 後藤浩輝
53
ヘイアンウインザー
480
0000. 11.0 2
東京
百日草特別
500万下
芝1800m(良)
11
6
7
00 1.20 (1人)
0 1着
R 1:49.3(35.6)
-0.4
R 蛯名正義
54
(レオチャレンジャー)
474
0000. 11.15
東京
東京スポーツ杯3歳S
GIII
芝1800m(良)
12
6
7
00 2.60 (2人)
0 2着
R 1:48.4(35.7)
- 0.4
R 蛯名正義
54
キングヘイロー
470
0000. 12.0 7
中山
朝日杯3歳S
GI
芝1600m(良)
15
6
10
0 25.80 (6人)
0 2着
R 1:34.0(36.4)
- 0.4
R 蛯名正義
54
グラスワンダー
476
1998. 0 1.11
中山
京成杯
GIII
芝1600m(良)
10
1
1
00 1.20 (1人)
0 5着
R 1:37.4(37.0)
- 0.6
R 蛯名正義
56
マンダリンスター
478
0000. 0 3.0 1
阪神
アーリントンC
GIII
芝1600m(良)
11
4
4
00 3.20 (2人)
0 2着
R 1:34.7(35.8)
- 0.1
R 蛯名正義
56
ダブリンライオン
486
0000. 0 4.26
東京
NZT4歳S
GII
芝1400m(重)
18
3
6
00 3.20 (2人)
0 3着
R 1:22.6(36.1)
- 0.4
R 蛯名正義
56
エルコンドルパサー
480
0000. 0 5.17
東京
NHKマイルC
GI
芝1600m(稍)
17
6
11
0 11.40 (4人)
0 7着
R 1:34.4(35.5)
- 0.7
R 武豊
57
エルコンドルパサー
476
0000. 10.0 4
阪神
セントウルS
GIII
芝1400m(良)
13
7
11
00 4.90 (2人)
0 1着
R 1:21.3(34.9)
-0.5
R 武豊
55
(マコトライデン)
494
0000. 10.31
京都
スワンS
GII
芝1400m(良)
14
4
5
00 1.80 (1人)
0 7着
R 1:23.1(36.6)
- 1.2
R 武豊
55
ロイヤルスズカ
498
0000. 12.19
中山
スプリンターズS
GI
芝1200m(良)
15
5
10
0 37.60 (7人)
0 1着
R 1:08.6(35.3)
-0.0
R 吉田豊
55
(シーキングザパール )
498
1999. 0 1.10
中山
ガーネットS
GIII
ダ1200m(良)
16
2
12
00 5.60 (4人)
11着
R 1:11.4(38.0)
- 1.1
R 吉田豊
58
ワシントンカラー
504
0000. 0 4.10
阪神
阪急杯
GIII
芝1200m(良)
16
5
9
00 6.80 (3人)
0 5着
R 1:09.2(34.5)
- 0.6
R 吉田豊
58.5
キョウエイマーチ
506
0000. 0 4.25
京都
シルクロードS
GIII
芝1200m(良)
14
8
14
00 5.30 (2人)
0 1着
R 1:08.7(34.9)
-0.3
R 松永幹夫
57
(アグネスワールド )
506
0000. 11.17
東京
富士S
GIII
芝1400m(良)
18
4
8
00 6.00 (2人)
13着
R 1:23.0(36.7)
- 1.6
R 蛯名正義
59
レッドチリペッパー
502
0000. 12.19
中山
スプリンターズS
GI
芝1200m(良)
16
8
16
0 11.40 (5人)
0 4着
R 1:08.5(35.3)
- 0.3
R 蛯名正義
57
ブラックホーク
514
2000. 0 2.0 6
京都
シルクロードS
GIII
芝1200m(不)
14
6
9
00 2.80 (2人)
0 4着
R 1:09.8(35.8)
- 0.3
R 横山典弘
59
ブロードアピール
512
0000. 0 3.29
中京
高松宮記念
GI
芝1200m(良)
17
8
15
00 5.40 (3人)
16着
R 1:09.8(36.1)
- 1.2
R 蛯名正義
57
キングヘイロー
508
0000. 0 9.10
阪神
セントウルS
GIII
芝1200m(良)
16
6
11
00 5.80 (3人)
0 4着
R 1:07.8(33.9)
- 0.2
R 蛯名正義
58
ビハインドザマスク
510
0000. 10.0 1
中山
スプリンターズS
GI
芝1200m(稍)
16
3
5
0 10.60 (4人)
0 5着
R 1:09.1(35.2)
- 0.5
R 蛯名正義
57
ダイタクヤマト
510
0000. 10.28
京都
スワンS
GII
芝1400m(良)
17
2
3
00 7.70 (4人)
0 7着
R 1:21.1(35.4)
- 0.7
R 武幸四郎
59
ダイタクヤマト
506
0000. 12.16
中京
CBC賞
GII
芝1200m(良)
16
7
13
00 8.10 (5人)
12着
R 1:09.3(35.3)
- 1.4
R 武幸四郎
58
トロットスター
504
特徴
気性に難があり、特に調教で真面目に走らずすぐに手抜きをしてしまうため、一時期は岡田繁幸 も競走馬としての活躍を諦めかけてしまったほどだという。現役の最晩年は暴れ癖がひどくなり、パドック・馬房・馬運車と場所を選ばずに暴れるようになってしまい、まともな調教ができないほどであった。
また重い馬場を苦手とするマイネルラヴであったが、その競走生活はなぜか雨にたたられることが多かった。
種牡馬として
2004年8月22日(ビッグレッドファーム)
2004年に初年度産駒がデビューし、コスモヴァレンチ が小倉2歳ステークスを制し重賞初制覇を果たした。ビッグレッドファーム 系列所有の活躍馬が多いが、ユメノオーラ(フィリーズレビュー 2着)、ピースオブラヴ(マーメイドステークス 2着)など、他馬主の活躍馬も存在する。
近親に日本での活躍馬もおり、Seeking the Goldの直仔であること、自身には当時の主流血統であったヘイルトゥリーズン が入っておらず、この血を持つ繁殖牝馬と配合がしやすいという血統的な長所があった。初年度産駒が実績を残しており、2004年には190頭に種付けを行うなど、人気種牡馬の1頭となったこともある。
2012年6月9日、ビッグレッドファームの放牧地で倒れて起立困難な状態になっているのが発見され、予後不良 と診断されて安楽死 の処置が取られた[ 4] 。この日にも中央競馬の新馬戦 では産駒のカオスモスが勝ち上がっている[ 5] 。
グレード制重賞優勝馬
地方競馬重賞優勝馬
2002年産
2004年産
2005年産
2007年産
2009年産
2010年産
2011年産
2012年産
母の父としての産駒
2007年産
2012年産
2013年産
2015年産
2017年産
2018年産
2021年産
血統表
脚注
外部リンク