マリオシリーズ (Mario Series)は、任天堂 から発売されている、同社のキャラクター 『マリオ 』と、その仲間達が登場する数々の種類のコンピュータゲーム シリーズ 及びメディアミックス [ 注釈 1] である。そのうち『スーパーマリオブラザーズ 』を源流とするアクションゲーム シリーズは、公式的に『スーパーマリオシリーズ 』と呼ばれている[ 1] 。2020年時点で全シリーズの累計の売り上げは全世界で5億6000万本以上を突破しており、最も売れたゲームシリーズとしてギネス世界記録 に認定されている[ 2] 。
概要
1981年にシリーズ第1作のアーケードゲーム 『ドンキーコング 』が稼動して以降、今日までに多くの作品が発売され、基本のアクションゲームのほか、スポーツゲーム ・ボードゲーム ・ロールプレイングゲーム など多様なジャンルが扱われている。また、主人公のマリオ以外の登場キャラクターをメインとする派生作品も多く制作されている。
シリーズ生みの親である宮本茂 は、「(同じく自身が手掛ける)『ゼルダの伝説 』シリーズとマリオシリーズの本質は同一のものだと個人的には思っている」と度々語っており、アクション要素重視のものがマリオシリーズ、謎解き要素重視のものが『ゼルダの伝説』シリーズという傾向がある。
マリオシリーズは、任天堂が新型ゲーム機を発売する際のローンチタイトル (同時発売ソフト)となることが多い。『スーパーマリオ』シリーズのほか、『ルイージマンション 』(ニンテンドーゲームキューブ )や『おどる メイド イン ワリオ 』(Wii )などの派生作品がリリースされることもある。
2005年、アメリカのゲームメディアIGN で初代『スーパーマリオブラザーズ 』が「Top 100 games of all time」において1位に選出された[ 3] 。
シリーズ誕生背景
1980年当時、ゲームセンター ではナムコ が発売したドットイートゲーム の『パックマン 』が流行していた一方で、任天堂は『シェリフ 』などのアーケードゲームを展開していたが、ヒット作に恵まれていなかった[ 4] 。そうした状況で宮本茂 は当時社長の山内溥 より「もっと売れるゲームをつくってくれ」と言われ、売れるゲームの研究を始めた[ 4] 。宮本は実際に様々なゲームで遊びつつ、ゲームセンターに集う人がなぜ繰り返し遊ぼうとするのか考えた結果、ゲームオーバーになった際の悔しさが要因であるという結論に至る[ 4] 。宮本は繰り返し遊んでもらう要素を整理し考えた結果、ゲームのアイデアを5つ提出、その中から当時任天堂がライセンシーであった『ポパイ 』を使用したゲームを打診され、ゲームのスケッチを何点か提出すると、1点だけ会社からの承認が下りた[ 4] 。承認後、製作途中で『ポパイ』を使用しないことになり、オリジナルのキャラクターが使用されることになった[ 4] 。
こうして1981年にオリジナルのキャラクターとしてドンキーコング やマリオ が登場するアーケードゲーム 『ドンキーコング 』が稼働開始された[ 4] 。ただしドンキーコング稼働当初はマリオに名前はなく、ゲームシステムとしてジャンプすることに特徴があったことから「ジャンプマン」と呼ばれた[ 4] [ 5] 。宮本は「ミスター・ビデオ」と呼んでいたが、その理由は自身の制作するゲーム全てに「ミスター・ビデオ」を登場させるつもりであったからである[ 5] 。この発想に関して、宮本はアルフレッド・ヒッチコック が自身が制作する映画に出演することや、手塚治虫 や赤塚不二夫 が自身の漫画の様々な作品に同じキャラクターを登場させている(スター・システム )ことに影響を受けたのではないかと語っている[ 5] 。その後ドンキーコングはシリーズ化される。
またマリオが登場する作品も数多く発売されている。
シリーズ一覧
数値は日本国内、並びに全世界のものを併記。
日本未発売の作品は英語版 を参照。
アクションゲーム
マリオブラザーズ
ドンキーコングシリーズの次は対戦型のゲームを作ることになり、横井軍平 との話し合いの中でジャンプの要素を発展させることになった[ 5] 。そしてジャンプすることで敵を床下から叩いて横転させ、上に上がって倒す発想の中、再度起き上がってくるのに適したキャラクターとして「ノコノコ 」が誕生した[ 5] [ 6] 。そのほか、土管やコイン、マルチプレイなど、後のシリーズ作品にも登場する要素を搭載[ 6] して、1983年にアーケードゲームおよびファミリーコンピュータ 用タイトル『マリオブラザーズ 』として発売された。
スーパーマリオシリーズ
『マリオブラザーズ』発売後、他社からもキャラクターがジャンプをするゲームが発売されたことに宮本は奮起、背景が黒一色であったそれまでの作品に対して、ファミリーコンピュータの性能を活かして原色の背景を使用し、大きなキャラクターが陸海空を駆け抜けるというテーマで『スーパーマリオブラザーズ 』の開発が進められた[ 7] 。マリオが大きくなるための要素として、宮本は「魔法の国と言えばキノコ」であるという発想により「スーパーキノコ」が採用された[ 7] 。そのほかノコノコに羽が付いた「パタパタ 」[ 6] や「クリボー 」[ 7] 、キノコ族 を魔法によってブロックやレンガに変えた「クッパ 」およびその魔法を解くことができる「ピーチ姫 」[ 8] など、後のシリーズ作品でも繰り返し登場するキャラクターが誕生した。
パズルゲーム
レッキングクルー
ドクターマリオ
マリオのピクロス
マリオvs.ドンキーコング
スポーツゲーム
マリオゴルフ
ゴルフ を題材にしたゲーム。
マリオテニス
テニス を題材にしたゲーム。
スーパーマリオスタジアム
野球 を題材にしたゲーム。
マリオストライカーズ
サッカー を題材にしたゲーム。
その他のスポーツゲーム
『マリオバスケ 3on3』はスクウェア・エニックスとの共同開発作品。ゲストキャラクターとしてファイナルファンタジーシリーズのキャラクターが登場する。
『MARIO SPORTS MIX』はスクウェア・エニックスとの共同開発作品。ファイナルファンタジーシリーズのキャラクターやドラゴンクエストシリーズの「スライム 」が登場する。
レースゲーム
ファミコングランプリ
マリオカート
第1作『スーパーマリオカート 』はスーパーファミコン 用タイトルとして1992年8月に発売された[ 10] 。当初の試作品ではつなぎを着た人物をカートに乗せていたが、2台のカートを自由に動かしているとき、1台を止めて、離れたところからやってくるもう1台のカートを見た際、可愛らしかったことから、マリオに変更したところ、評判が良かったためマリオの起用が決まった[ 10] 。
1作目のヒットにより、NINTENDO64 向けの『マリオカート64 』[ 10] 、ゲームボーイアドバンス 向けの『マリオカートアドバンス 』、ニンテンドーゲームキューブ 向けの『マリオカート ダブルダッシュ!! 』、ニンテンドーDS 向けの『マリオカートDS 』、Wii 向けの『マリオカートWii 』[ 11] のように、ゲーム機種が変わるたびに、その機種向けの作品が発売された。
ツールゲーム
ロールプレイングゲーム
マリオシリーズにとって初のRPG作品は『スーパーマリオRPG 』であり、スクウェア (現・スクウェア・エニックス)との共同開発作品である。スクウェアは当初自社のファイナルファンタジーシリーズ のような、剣と魔法の世界観をマリオに組み合わせることを任天堂に提案、任天堂の宮本茂に「持つならハンマー」であると指摘されるも、それ以降は任天堂側の意向を汲んだことで作品の重要部分の開発を任された[ 13] 。
ペーパーマリオ
マリオを用いたRPGの2作目『マリオストーリー 』はインテリジェントシステムズ が開発することになった[ 14] 。またスーパーマリオRPGで任天堂側の窓口となっていた田邊賢輔 は、スーパーマリオRPGで関わった当時スクウェアの工藤太郎 を評価して、オブザーバーを依頼した[ 13] 。
マリオストーリーでは本編と違うテーマを打ち出すために、見た目から検討に入った結果、3Dで2Dの風味を強調して表現したらおもしろいのではないかという意見から、紙のような見た目となった[ 14] 。
マリオ&ルイージRPG
パーティーゲーム
マリオパーティ
関連キャラクターのシリーズ
ドンキーコング
ヨッシー
ワリオ
ルイージ
その他キャラクター
関連タイトル
ゲーム&ウオッチ
リメイク・移植
ファミコンリミックス
その他のゲーム
メディアミックス
漫画
『4コママンガ劇場 』(スクウェア・エニックス )掲載の作品については、4コママンガ劇場#4コママンガ劇場作品一覧 を参照。 『4コマまんが王国 』(双葉社 )掲載の作品については、4コマまんが王国#主なラインナップ を参照。 『4コマランド』(勁文社 )掲載の作品については、勁文社#4コマランド(マリオシリーズ) を参照。 『4コマギャグバトル 』(光文社 )掲載の作品については、4コマギャグバトル#マリオシリーズ を参照。
小説
『スーパーマリオブラザーズ物語』 / ヨルカ・ヘッドルーム出版事業部・編
『スーパーマリオブラザーズ3』のノベライズ で、マリオが大魔王クッパにさらわれたピーチ姫を助けに行くというストーリーはゲーム通りだが、マリオは大工だったり、ルイージはマリオの弟ではなく隣国のキザで美形な王子かつピーチ姫のフィアンセだったり、クッパの子供(コクッパ )が長男のイッパ、一人娘のニッパ、末っ子のザッパの3人になっているなど、小説版独自の設定が多い。
映画
公開日は日本のものを記載。
OVA
アマダアニメシリーズ スーパーマリオ(1989年、日本、OVA )
いずれも昔話を原作にして、登場人物をマリオキャラクターたちに置き換えた作品。
キャスト
スタッフ
テレビアニメ
シングル
タイトル
アーティスト
発売日
規格品番
レーベル
スーパーマリオブラザーズ マリオの大冒険/GO GO マリオ!!
AYA&なかよし応援団 プリンセス・ピーチ(谷山浩子 )[ 18]
非売品(1986年配布)
PR-93(EP)
ポニー
スーパーマリオブラザーズ マリオの大冒険/クッパ一族かぞえ唄
AYA&なかよし応援団
1986年3月30日
7G0083(EP) 7P1001(カセット)
ポニー
スーパーマリオブラザーズ GO GO マリオ!!
プリンセス・ピーチ(谷山浩子)
1986年4月21日
7P1002(カセット)
ポニー
スーパーマリオブラザーズ 噂のモモコ/ピーチ姫のララバイ
16 BIT SCROLLERS
1986年5月25日
7JAS-69(EP)
JAPAN RECORD
スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!ドキ・ドキ Do it
未来童子
1986年7月21日
10242-07(EP)
Vap
Almost Unreal 〜スーパーマリオ愛のテーマ〜
ロクセット
1993年6月16日
TODP-2415(CD)
EMIミュージック・ジャパン
創造
星野源
2021年2月17日
VE3WA-19017
SPEEDSTAR RECORDS
サウンドトラック
コラボレーション
どうぶつの森シリーズ や、スプラトゥーン シリーズ、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ 等、任天堂制作の他作品とコラボレーションを行うことがある。
以下は他社作品とのコラボレーションを記載する。
スクウェア・エニックス
バンダイナムコエンターテインメント
太鼓の達人シリーズ
バンダイナムコアミューズメントとバンダイナムコエンターテインメントが開発している音楽ゲームシリーズ。『太鼓の達人8』以降の作品でマリオシリーズの楽曲が使用されている。
コナミデジタルエンタテインメント
セガ
EAスポーツ
NBAストリートV3 マリオでダンク[ 20]
2005年5月26日にニンテンドーゲームキューブで発売。
NBAストリートV3 (英語版 ) にマリオシリーズのキャラクターが登場する。
SSX On Tour with マリオ
2005年11月17日にニンテンドーゲームキューブで発売。
SSX On Tour にマリオシリーズのキャラクターが登場する。
ユービーアイソフト
マイクロソフト
ガンホー・オンライン・エンターテイメント
音楽界への影響
1992年、ゲームボーイ 用ソフト『スーパーマリオランド 』のBGM をサンプリングしたアンバサダーズ・オブ・ファンク・フィーチャリング・MCマリオ(Ambassadors Of Funk Featuring M.C. Mario)の『スーパーマリオランド(Super Mario Land)』が全英シングルチャートでトップ10入りした[ 24] 。
2005年、『スーパーマリオブラザーズ』のBGMをサンプリングしたトンガリキッズ の『B-DASH 』がオリコンシングルチャート で最高4位を記録した[ 25] 。
『スーパーマリオブラザーズ』の楽曲『スーパーマリオブラザーズのテーマ』が、2005年度のビルボード の着信メロディ チャート(Hot Ringtone)で年間5位、2007年度の年間1位を記録、125週連続でチャートインした[ 26] 。
2023年4月12日(日本時間同月13日)、アメリカ議会図書館 はスーパーマリオブラザーズのテーマ曲(地上のBGM)をゲーム音楽 として初めて、日本人が作曲した曲としても初めて全米録音資料登録簿 に収蔵した[ 27] [ 28] 。
関連製品
アーケードゲーム
メダルゲーム やプライズゲーム など。
タイトル
稼働時期
メーカー
マリオルーレット
1991年
コナミ
ピカデリーサーカス スーパーマリオブラザーズ3
マリオワールド
バンプレスト
てれびでんわ スーパーマリオワールド
1992年
ピカピカマリオ
ミニ・ピカデリー スーパーマリオブラザーズ3
コナミ
ミニ・ピカデリー スーパーマリオワールド
じゃんケンふくびき
バンプレスト
グルグルマリオ
スーパーマリオワールド ブーブーマリオ
1993年
スーパーマリオワールド マリオうんどうかい
スーパーマリオワールド クッパたいじ
スーパーマリオワールド スーパーマリオアタック
1996年
ドキドキマリオチャンス!
2003年
スーパーマリオ 不思議のジャンジャンランド[ 29]
2004年4月
カプコン
その他
レゴ スーパーマリオシリーズ
レゴ スーパーマリオのロゴ
「レゴ 」と「スーパーマリオシリーズ」のコラボレーション商品「レゴ スーパーマリオ」(LEGO SUPER MARIO)[ 30] [ 31] および大人向けのレゴ スーパーマリオのセット「LEGO Nintendo Entertainment System」[ 32] が2020年8月1日発売[ 33] [ 34] 。スターターセットを含む3セットについては、2020年7月10日より日本での先行発売された[ 35] 。
「レゴ スーパーマリオ」の新ラインナップとして、「レゴ ルイージ」(LEGO LUIGI)が新登場。新たなスターターセットを含む3セットについては、日本での2021年7月10日より先行発売されている[ 36] [ 37] 。2021年8月1日より全世界で発売。
「レゴ スーパーマリオ」の新ラインナップとして、「レゴ ピーチ」(LEGO PEACH)が新発場。新たなスターセットを含む10種類セットについては、日本での2022年8月1月より先行発売されている。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
大阪府大阪市此花区に所在するテーマパーク。2021年3月18日よりマリオシリーズをモチーフにしたエリア「スーパー・ニンテンドー・ワールド 」がオープンした。また、2024年末よりドンキーコングシリーズをモチーフにしたエリアがオープン予定。
また、2023年4月28日よりマリオシリーズの映画版「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 」が公開されている。
マリオボウル[ 38]
スコア表示画面にマリオシリーズのキャラクターなどが表示されるボウリング。制作:ブランズウィック コーポレーション
脚注
注釈
^ 後述のメディアだけではなく、マリオシリーズの作品そのものを用いた、またはマリオシリーズのキャラクターを用いた、食料品や、衣料品、玩具、文房具、家具、雑貨、付録等も発表、販売されている。
^ ジャンルは「スポーツアクション」となっている。
出典
外部リンク
スーパーマリオ 派生シリーズ
本編 スマートフォン ラジコンカーセット アトラクション アーケード 関連項目
カテゴリ
据置向け作品 携帯向け作品 メダルゲーム 関連項目 関連企業
カテゴリ
ゴルフ テニス バスケットボール 野球 サッカー マリオ&ソニック AT オリンピック
複合・その他 関連企業
レッキングクルー ドクターマリオ
ドクターマリオ 派生作品
細菌撲滅 ドクターワリオ ゲスト出演
漫画 関連
マリオのピクロス マリオvs.ドンキーコング その他 関連企業
キャラクターシリーズ
ゲーム
ドンキーコング スーパードンキーコング
マリオvs.ドンキーコング レースゲーム その他のゲーム
共演・客演
メディア ミックス
キャラクター
関連企業
カテゴリ
ゲーム作品 (ジャンル別)
アクションゲーム パズルゲーム ガンシューティングゲーム
キャラクター 漫画 共演・客演 関連企業
カテゴリ
その他
世界設定
コラボレーション 関連作品
非公式 関連項目
カテゴリ
マリオシリーズ アーケード ファミリーコンピュータ ゲームボーイ スーパーファミコン NINTENDO64 ゲームボーイアドバンス ニンテンドーゲームキューブ ニンテンドーDS Wii ニンテンドー3DS Wii U Nintendo Switch
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