マルスダレガイ目 (マルスダレガイもく、Veneroida) は、二枚貝綱異歯亜綱の1目である。数十の科が属し、異歯亜綱のほとんどを占める大きな目である。
和名は模式科のマルスダレガイ科に基づいたものだが、代表種ハマグリからハマグリ目とも訳す[1]。ただしハマグリ目の名は、異歯目(異歯類を目とした場合の分類群)の別名として使うこともある。
分類
マルスダレガイ目は側系統であり、異歯亜綱の中からいくつかの小さな系統(多系統のオオノガイ目と単系統の異靱帯類)を除いた残りである。そのため、現在の系統分類では認められない。
異歯亜綱は系統的には、原始的で種数が少ない Archiheterodonta と、進化的で種数が多い Euheterodonta に分かれる[2]。Archiheterodonta は伝統的にはマルスダレガイ目に含まれるが、マルスダレガイ目から除外し、トマヤガイ目 Carditoida[3]等とすることもある。ただし、トマヤガイ目を除いた狭義のマルスダレガイ目も側系統である。Euheterodonta は、狭義のマルスダレガイ目・オオノガイ目・異靱帯類からなる。
マルスダレガイ目は Beesley et al. (1998)[4]では18上科36科に分類されていたが、近年の系統解析により多系統と判明した上科や科が分割され、数は増える傾向にある。
出典
- ^ 『岩波生物学辞典 第4版』岩波書店
- ^ Giribet, G. (2008), “6. Bibalvia”, in Ponder, W. F.; Lindberg, D. R., Phylogeny and Evolution of the Mollusca, University of California ress, ISBN 0520250923
- ^ Species list - Assembling the Tree of Life: Bivalvia project (BivAToL)
- ^ Beesley, P. L.; Ross, J. G. B.; Wells, A. (1998), Mollusca: The Southern Synthesis, CSIRO publishing, ISBN 0643057560