モルドバ空軍のMi-8MT
モルドバ空軍 (モルドヴァ空軍)は、モルドバ共和国 の空軍 組織である。モルドバ国防省 の管轄下に置かれている。
概要
1994年 の時点で、モルドバ空軍は1300名の人員と1個戦闘機 連隊 、1個ヘリコプター 連隊を保有、加えて防空ミサイル 部隊を組織していた。主力装備となったのはソ連海軍 航空隊 所属の第86親衛戦闘航空連隊 (ロシア語版 、英語版 ) から引き継いだ31機のMiG-29 戦闘機 、8 機のMi-8 輸送ヘリコプター、3 機のAn-72 、Tu-134 、An-24 、Il-18 各1 機の合わせて6 機の輸送機 であった。MiG-29は通常のソ連国内向け派生型9.12型(フルクラムA)7 機に加え、当時最新型の9.13型(フルクラムC)24機を含んでいた。防空ミサイルは、S-125 (SA-2ガイドライン)とS-200 (SA-5ガモン)を装備していた。
モルドバ空軍は、沿ドニエストル 問題に絡む紛争 で数度の実戦を経験していた。幾度か、沿ドニエストル共和国 を支援するロシア空軍 のMiG-29とモルドバ空軍のMiG-29が空中戦 になったこともあった。しかし、こうした戦闘ではいずれもロシア 側が勝利をおさめており、モルドバは数機の戦闘機を失っている。また、対空砲火 による航空機の損害も出ている。
紛争中は大いに活用されたMiG-29であったが、紛争が沈静化すると存在価値は薄れ、国経済の急激な悪化を受けて海外へ売却されることとなった。1 機は隣国ルーマニア へ売却され、同国空軍 でその後10年間ほど運用された。また、一部はイエメン へ輸出された。残る機体は当初はイラン への輸出が予定されたが、イランへの新鋭兵器 の流入を防ぎたいアメリカ合衆国 の思惑により、単座戦闘機型のMiG-29(9.12規格:フルクラムAと9.13規格:フルクラムC)と複座練習戦闘機 型のMiG-29UBを合わせた21機のMiG-29は、1997年 にアメリカ合衆国へより高額で売却された。アメリカ合衆国がイランへの売却を懸念した理由としては、モルドバ空軍のMiG-29はソ連空軍 用に生産されたフルバージョンの機体であるため核兵器 運用能力を有していると考えられたことがあげられている。
2023年時点で、モルドバ空軍は戦闘機は一切保有しておらず、3機の軽輸送機、6機の輸送ヘリコプターを有しているのみである[ 1] 。人員数は600名で、うち250名が徴兵[ 1] 。
ロシアに対する安全保障として北大西洋条約機構 (NATO)諸国やその他のヨーロッパ 諸国との軍事的連携を重視しており、しばしばNATOとの合同軍事演習に空軍部隊や人員を参加させている。
機構
装備
現用
固定翼機
ヘリコプター
対空兵器
退役済み
不祥事
2005年5月27日、 PZL-104ヴィルガ35 が翌日の展示飛行の訓練中に墜落し、4人が死亡した[ 6] 。
脚注