ユナイテッド航空811便貨物ドア脱落事故(ユナイテッドこうくう811びんかもつドアだつらくじこ)は、1989年2月24日午前2時9分9秒(ハワイ標準時)にハワイ・ホノルル国際空港付近の高度約22,000フィート (約6,700m)で発生した航空事故である。
飛行中のユナイテッド航空811便(ボーイング747-122型機)の貨物ドアのロックが飛行中にはずれ、同ドアが脱落した。
事故当日のユナイテッド航空811便
事故内容
離陸からわずか17分後に、機体の右前部の貨物ドアのロックがひとりでに解除され、ドアが開き脱落した。さらにドア周囲の壁に大きな穴が空き、壁面と接合されていた床面の一部も崩壊、乗客9人が機外へ投げ出された。また急減圧により、固定されていないものが機外へ吸い出され、それらが右主翼、第3エンジンおよび第4エンジンにダメージを与えた。この際、乗客の少なくとも1名がエンジンに吸い込まれたことが、後の事故調査によって判明している。9名の遺体は発見されていない。
特に第3エンジンのダメージはひどく、すぐに故障したため、機長らが出力を下げた。
さらに第4エンジンも故障し炎を吹き始めたため、第4エンジンも止められ、811便は下降を始めた。
機体に穴が空いたことを知ったクルーは、旋回してホノルル国際空港に引き返し、811便は奇跡的に緊急着陸に成功した。乗員乗客は45秒以内に全員脱出した。死者は9名、負傷者は35名であった。機長が前方に薄雲を発見したために、シートベルトサインを点灯させたままにしていたので、乗客の多くはシートベルトを着用しており、機外に吸い出されずに済んだ。
事故原因
当初事故原因と考えられたのは、金属疲労だった[要出典]。ドアロックの金属疲労が起こり、飛行中にロックがはずれ脱落したと考えられた。
しかし実際は、貨物室ドアの電気システムの不具合により、ドアをロックしていたアームが動いてしまったためにドアロックが外れ、脱落していた。この事実は犠牲者の家族により突き止められ、潜水艇により海底から貨物室ドアの半分が引き揚げられたことと、同型機で発生した事故などを受けてNTSB(アメリカ国家運輸安全委員会)により認定された。
映像化
関連項目