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三陸沖地震 (2011年3月)

三陸沖地震(2011年3月)
三陸沖地震 (2011年3月)の位置(日本内)
三陸沖地震 (2011年3月)
地震の震央の位置を示した地図
本震
発生日 2011年平成23年)3月9日
発生時刻 11時45分12.9秒(JST[1]
震央 日本の旗 日本 三陸沖牡鹿半島の東160km付近)
座標 北緯38度19.7分 東経143度16.7分 / 北緯38.3283度 東経143.2783度 / 38.3283; 143.2783座標: 北緯38度19.7分 東経143度16.7分 / 北緯38.3283度 東経143.2783度 / 38.3283; 143.2783
震源の深さ 8 km
規模    M7.3
最大震度    震度5弱:宮城県 栗原市登米市美里町
津波 55 cm(大船渡市[2]
地震の種類 海溝型地震
衝上断層
地すべり なし
余震
最大余震 2011年3月10日6時24分(JST)
Mj6.8[3]、最大震度4
被害
死傷者数 負傷者 2人[4]
出典:特に注記がない場合は気象庁による。
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
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三陸沖地震(さんりくおきじしん)は、2011年平成23年)3月9日11時45分頃(JST)に三陸沖震源として発生したM7.3 (Mw7.3[5]) の地震。青森県から福島県太平洋沿岸に津波注意報が発表され、大船渡で55 cm[2]津波を観測した。2日後の3月11日に発生し、東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震 (Mw9.0) の前震と考えられている。

概要

震源は北緯38度19分42秒、東経143度16分42秒の深さ8 kmで、沈み込む太平洋プレート北アメリカプレートの境界部で発生した地震である。今回の震源の北西方向では、1981年1月19日にM7.0の地震が発生していた。また、主な滑りは震源より深い領域にあった[6]

スロースリップ

この地震に先立って約1カ月前の2月中旬以降から、スロースリップイベント(ゆっくりすべり)が発生していた。また、3月11日の本震の破壊開始点に向かう微小地震の震源移動も続いていた。さらに、この地震の発生後にもスロースリップが発生しており、これらのスロースリップによりモーメントマグニチュード (Mw) 7.1に相当する地震エネルギーが解放されたと考えられる。このスロースリップが、Mw9.0の超巨大地震の発生を促進した可能性が指摘されている[7]

各地の震度

震度4以上を観測した地点は次の通り[3]:

震度 都道府県 観測地点
5弱 宮城県 栗原市金成登米市米山町迫町美里町木間塚
4 青森県 八戸市内丸・南郷七戸町森ノ上、六戸町犬落瀬、東北町上北南、五戸町古舘、南部町苫米地、階上町道仏、おいらせ町中下田・上明堂、東通村小田野沢
岩手県 宮古市五月町、久慈市川崎町・長内町、山田町大沢、普代村銅屋、野田村野田、陸前高田市高田町、釜石市中妻町、大槌町新町、盛岡市山王町・薮川・渋民、二戸市浄法寺町一戸町高善寺、八幡平市大更・田頭・野駄矢巾町南矢幅、紫波町日詰、滝沢市鵜飼、花巻市石鳥谷町・材木町・東和町北上市相去町、遠野市松崎町、一関市山目・花泉町千厩町室根町金ケ崎町西根、平泉町平泉、奥州市水沢大鐘町・水沢佐倉河・江刺前沢胆沢区衣川区
宮城県 気仙沼市赤岩・笹が陣、加美町中新田小野田色麻町四竈、涌谷町新町裏、栗原市栗駒築館若柳高清水瀬峰鶯沢志波姫花山一迫、登米市中田町豊里町登米町南方町南三陸町志津川、美里町北浦大崎市古川三日町・鳴子・古川北町・松山鹿島台岩出山田尻名取市増田、岩沼市桜、蔵王町円田、大河原町新南、川崎町前川、丸森町鳥屋、仙台市宮城野区苦竹、石巻市泉町・門脇・相野谷・前谷地桃生町東松島市矢本小野松島町高城、利府町利府、大衡村大衡
秋田県 井川町北川尻、秋田市雄和妙法、大仙市高梨
山形県 酒田市飛鳥、村山市中央、天童市老野森、中山町長崎
福島県 国見町藤田

余震

この地震の後、「三陸沖」を震源にするM4〜6の余震が多数発生した。最大余震は、3月10日6時24分の M6.8の地震で、宮城県の栗原市・石巻市・丸森町で震度4を観測した。この余震では福島県に津波注意報が発表されたほか、微小な津波が観測された。

津波

  • 11時48分 津波注意報発表(青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県、福島県)。
  • 14時50分 津波注意報解除。

大船渡で12時03分に第一波(13 cm)を引き波で観測し、最大波(55 cm)を12時16分に観測した。

そのほか各地で観測された津波は以下の通り。[8]

発表された情報 津波予報区の名称 予報区内で観測された津波の高さ
津波注意報 岩手県 55 cm(最も高い津波)
宮城県 48 cm
青森県太平洋沿岸 21 cm
福島県 21 cm
未発表 北海道太平洋沿岸中部 30 cm
茨城県 20 cm
北海道太平洋沿岸西部 16 cm
千葉県九十九里・外房 8 cm
北海道太平洋沿岸東部 7 cm
小笠原諸島 6 cm

出典

脚注

  1. ^ 平成23年3月9日11時45分頃の三陸沖の地震について”. 気象庁. 2013年4月10日閲覧。
  2. ^ a b 各年の潮汐”. 気象庁. 2013年4月10日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ a b 震度データベース検索”. 気象庁. 2013年4月10日閲覧。
  4. ^ 日本付近で発生した主な被害地震(平成8年以降)”. 気象庁. 2013年4月10日閲覧。
  5. ^ 2011年03月09日11時45分 三陸沖 M 7.3”. 気象庁. 2016年2月4日閲覧。
  6. ^ 2011年3月9日に発生した三陸沖の地震(M7.3)のすべり 気象庁 第190回地震予知連絡会(2011年4月26日)資料
  7. ^ 東北地方太平洋沖地震発生前に見られたゆっくりすべりの伝播東大地震研究所:加藤愛太郎、小原一成、五十嵐俊博、鶴岡弘、中川茂樹、平田直
  8. ^ 気象庁 | 津波警報・注意報評価”. www.data.jma.go.jp. 2019年7月13日閲覧。

関連項目

外部リンク

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