上野島(こうずけしま)は栃木県の中禅寺湖に存在する円形の無人島である。
概説
上野島と陸地とは最も近い場所で100m弱の距離であるが、島へ渡る交通手段は無い。しかし、湖の水位が低いときは、歩いて島へと渡ることも出来る。現在、島の周囲が石で補強されているが、この点について、島がなくならないようにするためではないか、との指摘もある[1]。
上野島は日光連山を中心にした山岳信仰の開祖である、勝道上人の墓所の一つといわれており、島内には、宝篋印塔や、勝道上人首骨納塔、慈眼大師の墓石などがあり、不定期ながら霊跡を巡拝する遊覧船もある。
特に中禅寺では、毎年8月4日に、開祖である勝道上人に関連した土地を船で巡礼する「船禅頂(ふなぜんじょう)」という行事を開催しており、上野島もその際に訪れる[1]。中禅寺によると、勝道上人の遺骨は、主に、日光の「二社一寺」とされる日光二荒山神社・日光東照宮・輪王寺がある地域の堂宇に保管されているが、勝道は奥日光と縁が深かったため、島をつくって分骨を行ったのだという[1]。
上野島付近は、中禅寺湖内でも有数の釣りのポイントとして知られ、釣り人達が多く訪れている。ただし、中禅寺湖漁業協同組合は(遊漁目的の)上野島への上陸を禁じている[2]。
伝説
この島は旧下野国(栃木県)にあるにもかかわらず上野(群馬県)と名乗っている[3]。これに関して、「下野の男体山の神と上野の赤城山の神が戦場ヶ原で戦い、男体山の神が勝利した記念として残したのが、上野島である」という古老の語り継いできた伝説がある[3]。
脚注
- ^ a b c 「中禅寺湖 自然美の霊場」(『読売新聞』、2014年8月22日)
- ^ “遊魚注意事項”. 中禅寺湖漁業協同組合. 2021年7月6日閲覧。
- ^ a b “観光のご案内”. 三本松茶屋. 2021年7月6日閲覧。
外部リンク