人体科学会(じんたいかがっかい, Society for Mind-Body Science)とは、東西の文明の古い英知を現代において問い直すという立場から[1]1991年11月に作られた学術団体である。現在は日本学術会議協力学術研究団体[1]。従来の学問分野の境界を越えて、文科系から医療体育系、理工系まで総合した観点に立ち、各学系総力で未知の領域(身体・気・意識・霊性など)の洞察を深め、人間の本質を探究し、将来の世界における思想的理念を求めてゆくことを目標とする[1]。会員には物理学者や科学哲学者から東洋医学者、超心理学者、宗教家まで非常に幅広い専門家が名を連ねている。代替医療・超心理学・気功など、科学の枠を超えた分野をも研究対象としている。
学術誌「人体科学」(Journal of Mind-Body Science、査読あり)を年に1・2回、機関誌「Mind-Body Science」を年1回発行している。
概要
人体科学会の活動は13の領域が示されている[1]。その領域は以下のとおり、科学の枠にとどまらず、文化・宗教までを含む。
- 生命科学・物理科学の先端的知見に基づいた生命現象の本質の研究
- 深層心理学、心身医学、精神医学などを総合した心身相関の研究
- 心身と環境の相互関係及び風水の研究
- 身体観について東洋医学の理論的・実験的研究
- 禅・ヨーガなど東洋の伝統的修行法の生理・心理的研究および生体への影響の研究
- 気エネルギーに関する実験科学的および理論的研究
- 霊性(スピリチュアリティ)に関する研究
- 超心理現象・潜在能力に関する総合的研究
- ホリスティック医学・統合医学の確立を目指した研究
- 心身の健康および体力の保持・増進のための実践活動の研究
- スポーツ・芸術・教育・文化の領域における能力開発の研究
- 西洋の分析的発想と東洋の総合的発想との融合
- 人類の宗教意識についての研究
人体科学会の設立の際にはソニーの井深大が期待の言葉を寄せている[2]。
人体科学会事務局
東京都千代田区三崎町3-1-11 瀬川ビル3F(2016年時点)
主な役員
【初代会長】
【二代目会長】
【元会長】
【会長】
【副会長】
【常任理事】
【理事】
【監事】
【顧問】
【元顧問】
学会出版書籍
湯浅浅雄賞
:「著作賞」「論文賞」「実践活動賞」の3賞がある。
- 2007年 第1回湯浅浅雄賞 吉永進一・関西ワーキンググループ
- 2009年 第3回湯浅泰雄賞 三浦清宏「近代スピリチュアリズムの歴史─心霊研究から超心理学まで」
- 2012年 第6回湯浅泰雄賞 島薗進『日本人の死生観を読む 明治武士道から「おくりびと」へ』
- 2014年 湯浅浅雄賞 杉本耕一
- 2015年 湯浅泰雄著作賞 杉岡良彦『哲学としての医学概論』
- 2018年 第12回湯浅泰雄著作賞 田中彰吾『生きられた〈私〉をもとめて: 身体・意識・他者』
- 2019年 第13回湯浅泰雄著作賞 唐澤太輔『南方熊楠の見た夢―パサージュに立つ者―』、延恩株『韓国と日本の建国神話』
脚注
- ^ a b c d 設立趣旨 人体科学会
- ^ 原文
外部リンク