北浜駅(きたはまえき)は、北海道網走市字北浜にある北海道旅客鉄道(JR北海道)釧網本線の駅である。駅番号はB76。事務管理コードは▲111619[2]。
歴史
1980年(昭和55年)に19代駅長・木村茂が待合室にらくがき帳を設置したのを皮切りに、「オホーツク海に一番近い駅・海岸まで20メートル」の看板の設置や入場券を買った旅行客に対し貝殻に「通行証」とペンキで描いた記念品を手渡すなどの独自のサービスを行うようになってから観光客が増え始めた[3]。
これらのサービスは無人駅となった後も、旧駅長室に軽食喫茶店「停車場」が入居し、オーナーによる切符を売る駅業務の代行とともに続けられていた[3]。
年表
1977年の北浜駅と周囲約500m範囲。左が網走方面。オホーツク海岸に接している。単式ホーム1面1線と、間に細い積卸場が挟まる形で貨物積卸線が2本、駅舎横の網走側に貨物ホームと引込み線を有する。貨物荷物取扱廃止に伴い貨物線がすべて撤去されたのち、釧路側駅裏に保線車用引込線が敷かれた。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
引込線が確認できる(2003年4月)
駅名の由来
開業時、当地は濤沸(とうふつ)村であったが[9]、「既設駅名(引用注:十弗駅)と紛れやすい為[10]」、また「同音の地名が他にも多いため[4]」混同を避け、当地が「北見(引用注:北見国)の浜にあたる[4]」として「北浜」と名づけられた[10][4]。
駅構造
単式ホーム1面1線をもつ地上駅。知床斜里駅管理の無人駅である。ホームは4両分程度の長さをもつ。
駅舎内には、かつての駅事務室を改装した喫茶店「停車場」が営業している[3][11]。1986年、東京で修行していたマスターが旧事務室にオープンしたもので、店内の椅子や網棚などは、旧型客車で使用されていたものを再利用している[3]。店内からはオホーツク海を眺めることができる。待合室の壁面は、旅行者が訪問の足跡として貼った名刺や切符などで埋め尽くされている。
駅舎の網走寄りには流氷見学用の展望台が設けられている。
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駅舎内観(2004年9月)
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ホーム(2021年5月)
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駅構内の展望台(2008年3月)
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駅名標(2018年5月)
利用状況
乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。
また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
駅周辺
北浜地区のもっとも網走市街寄りに位置し、集落からはやや外れている。
その他
当駅は1965年(昭和40年)4月に封切りとなった映画「網走番外地」第一作で「網走駅」として囚人を駅から護送するシーンのロケ地として用いられたことで知られている[3]。[注釈 1]
その後もドラマ『みにくいアヒルの子』など多くの映画やテレビドラマなどの撮影で利用され、中国映画『狙った恋の落とし方。』で登場した際は中国国内における北海道ブームも相まって、来駅する中国人観光客が増加したこともある[3][14][15]。
隣の駅
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- ■釧網本線[16]
- 藻琴駅 (B77) - 北浜駅 (B76) - *(臨)原生花園駅 (B75) - 浜小清水駅 (B74)
- *:原生花園駅停車は4月25日 - 10月31日(ただし、一部列車は通年通過)
脚注
出典
JR北海道
注釈
- ^ ただし、隣の藻琴駅の前にこの映画の記念碑が建っており、藻琴駅が網走駅として登場したと記されている。
参考文献
関連項目
外部リンク