国鉄タキ16200形貨車(こくてつタキ16200がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
概要
本形式は、酢酸ビニル専用の 35t 積タンク車として1969年(昭和44年)から1975年(昭和50年)にかけて6ロット10両(タキ16200 - タキ16209)が富士重工業、日立製作所の2社で製作された。
所有者は、内外輸送、日本石油輸送、信越化学工業の3社であった。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃31」(燃焼性の物質、引火性液体、危険性度合2(中))が標記された。
タンク体は、35系タイプに属するステンレス鋼製で保温のため、厚さ75mm又は110mm のウレタン断熱材を備えておりキセ(外板)で覆われた。
荷役方式は、積込はドーム上部にある積込口から行い、荷卸しは液出入管と空気加圧による上出し方式である。車両によっては、両管にS字管を装備していた。
車体色は黒色、寸法関係は全長は12,300mm、全幅は2,720mm、全高は3,836mm、台車中心間距離は8,500mm、自重は16.9t、換算両数は積車5.0、空車1.8、台車はタキ16200 - タキ16207がベッテンドルフ式のTR41C、16208以降はは平軸受・コイルばね式のTR41E-12であった。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には全車がJR貨物に継承され、1995年(平成7年)度末時点では8両(タキ16200 - タキ16207)が現存していたが、1999年(平成11年)度に最後まで在籍した7両(タキ16200 - タキ16203 ,タキ16205 - タキ16207)が廃車となり同時に形式消滅となった。
年度別製造数
各年度による製造会社と両数、所有者は次のとおりである。
- 昭和44年度 - 5両
- 富士重工業 2両 内外輸送(タキ16200 ,タキ16201)
- 日立製作所 3両 日本石油輸送(タキ16202 - タキ16204)
- 昭和46年度 - 1両
- 昭和47年度 - 2両
- 富士重工業 1両 内外輸送(タキ16206)
- 富士重工業 1両 内外輸送(タキ16207)
- 昭和49年度 - 2両
- 富士重工業 2両 信越化学工業(タキ16208 ,タキ16209)
参考文献
- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
関連項目
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「*」印はJR貨物に引き継がれた形式/「JRF」は民営化後の新形式
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