7800形は、かつて日本国有鉄道の前身たる鉄道作業局・鉄道院・鉄道省に在籍したテンダ式蒸気機関車である。
概要
元は、初代北海道鉄道が1904年(明治37年)にイギリスのノース・ブリティッシュ・ロコモティブ)で6両(製造番号16342 - 16347)を製造した車軸配置2-6-0(1C)形で2気筒単式のテンダ機関車である。北海道鉄道ではC2形(12 - 17)と称し、ベイヤー・ピーコックより購入したC1形(後の鉄道院7700形7712,7713)と同等である。外観上は、開放的な運転室だったC1形に対して、酷寒地用としてより密閉度の高い方式とされており、火室形状も通常のストレート形で、特徴となっている。
国有化後の1909年(明治42年)に制定された鉄道院の車両形式称号規程では、7800形(7802 - 7807)となったが、その後も引き続き北海道で使用され、1932年(昭和7年)3月に全車が廃車になり、保存されることなく解体された。
なお、本形式のうち、当初含まれた7800と7801は、もと関西鉄道の30形(電光 122,123)であるが、本来7850形に編入されるべきだったもので、1913年(大正2年)8月に7850形(7860,7861)に改称され、以降欠番となった。
主要諸元
- 全長 : 15,500mm
- 全高 : 3,658mm
- 全幅 : 2,438mm
- 軌間 : 1,067mm
- 車軸配置 : 2-6-0(1C)
- 動輪直径 : 1,220mm
- 弁装置 : スチーブンソン式アメリカ型
- シリンダー(直径×行程) : 432mm×559mm
- ボイラー圧力 : 12.0kg/cm2
- 火格子面積 : 1.49m2
- 全伝熱面積 : 84.0m2
- 煙管蒸発伝熱面積 : 74.9m2
- 火室蒸発伝熱面積 : 9.1m2
- ボイラー水容量 : 3.4m3
- 小煙管(直径×長サ×数) : 45mm×3,204mm×186本
- 機関車運転整備重量 : 42.10t
- 機関車空車重量 : 38.10t
- 機関車動輪上重量(運転整備時) : 36.74t
- 機関車動輪軸重(第1動輪上) : 13.11t
- 炭水車重量(運転整備) : 29.45t
- 炭水車重量(空車) : 16.33t
- 水タンク容量 : 10.0m3
- 燃料積載量 : 3.12t
- 機関車性能
- ブレーキ装置 : 手ブレーキ、蒸気ブレーキ
参考文献
- 臼井茂信「国鉄蒸気機関車小史」1956年、鉄道図書刊行会刊
- 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成」1969年、誠文堂新光社刊
- 臼井茂信「機関車の系譜図 1」1972年、交友社刊
- 金田茂裕「形式別 日本の蒸気機関車 III」1985年、機関車史研究会刊