外郭団体(外廓団体)(がいかくだんたい)とは、日本において、 政党、官庁、公共団体等の組織外にあって、それらの組織の支援、または活動内容の一部代行をしている団体を指す言葉[1]。または、官公庁の組織の外にありながら、その官公庁から出資・補助金を受けながら「補完的な業務」を行っている団体のことである[1]。なお、外郭団体には明確な定義がなく、一般的に土地開発公社・受託供給公社・地方道路公社・第三セクターを指す場合が多い[2]。
事業・活動の内容や人事などの面で所管官公庁と密接な関連をもつが、設立の経緯、目的、組織形態、所管官庁の出資割合や出向職員数について、そのあり方は多種多様である。
所管特例民法法人(2008年12月までの公益法人)、監理団体、出資法人など、所管官庁によってさまざまな呼称がある。
概要
外郭団体は、主に特例民法法人及び公法人並びに特殊法人(「財団法人」ないし「社団法人」及び「独立行政法人」並びに「法人格のない財団」(いわゆる「任意団体」)等)の形態をとっている。
1970年代以降にいわゆる行革・民活を推進する中で、行政組織を縮小しつつ、増大する行政ニーズに応えるために設立された団体も多い。
監督官庁の退職者(いわゆる天下り)ないし出向者が、その能力・経験・人脈などを生かして役員や幹部職員に就任することも多かったが、近年の天下り批判に対応して、独立行政法人などは役員や幹部職員を公募する例も増えてきている。
日常業務はその外郭団体の正職員や臨時職員によって行われる。この幹部対一般職員間のヒエラルキーは大変強く、外郭団体の生え抜き正職員(一般的には日本語で「プロパー」と言われる)がその団体の理事等に就任することは少ないが、近年ではプロパー上がりの役員(常勤の理事長及び専務理事並びに常務理事等)も存在する。
監督官庁職員の人件費を見かけ上少なくするために職員を出向させる受け皿として設立される場合も見られる。
職員の身分と待遇
多くの団体においては、職員は公務員ではないものの公務員と同等の待遇で扱われ、監督官庁の給与表が「準用」される。給与面では「平均的」に公務員とほぼ同じであるが、民間団体であるため具体的な設定は自由で、同一地域、同一監督官庁であっても、個々の団体自体ないしはその会員の財政状況等によって相違がある。
給与及びその他共済制度等の待遇面では、黒字団体では公務員より上(民間の大手黒字企業と同様)で、赤字団体では公務員より下(赤字企業並)である。
地方公共団体の財政悪化などに伴い、統廃合される外郭団体も出てきている。
現存する主な外郭団体の例と関連する省庁・自治体
- 国の外郭団体
- 都道府県の外郭団体
所管部署の名称は一例で、実際は差異がある。
- 市区町村の外郭団体
以下の例は、全ての市区町村に存在するわけではなく、各自治体によって設立団体は異なるか、また各自治体により名称が異なる場合があるので、一例として以下に記した。
また、自治体名を先頭に付けることが多い。例:○○市運輸振興協会
- 財団法人市区町村交通安全協会(各交通安全協会の名称に市区町村の地名の部分は含まれても、「市区町村」という文字は含まれず、市区町村単位ではなく都道府県単位で管理される。): 都道府県公安委員会及び警視庁・道府県警察並びに都道府県庁環境部交通課(部署の名称は各自治体により相違あり)
- 法人格のない財団 市区町村猟友会(各猟友会の名称に市区町村の地名の部分は含まれても、「市区町村」という文字は含まれず、市区町村役場ではなく都道府県庁から管理される。また、これ自体は法人格及び事務所の何れも持たない個人事業主で、銃砲店等が事務を担当する。その点が、法人格及び独自の事務所を持つ上部猟友会及び市区町村交通安全協会等とは著しく異なっている)
廃止された主な外郭団体の例と関連する省庁・自治体
- 国の外郭団体
脚注
関連項目
外部リンク
- 国
- 自治体