大尻沼(おおじりぬま)は、群馬県利根郡片品村にある湖沼。日光国立公園に含まれる。別名「ひょうたん沼」[2]。
成因
日光白根複合火山の螢塚火山の形成に伴い生まれた沼である[2]。螢塚山頂から流れ出た溶岩が旧大滝川を埋め広く堆積。大滝川は北へ追いやられ、堰き止められた上流部に菅沼、丸沼、大尻沼が誕生した[3]。
概要
かつて隣の丸沼と共に一つの湖沼であったが、発電利用のため水位が下がり二つの沼に分かれたものである[4]。例年、12月中旬に結氷し、5月上旬に解氷する[5]。冬季の積雪は3mに達する[3]。
流出入河川は、入りが1川、出が1川[1]。自然湖岸(樹林地)は100%で人工湖岸は0%である[6]。うち崖地が92.3%、非崖地が7.6%となっている[7]。
動植物相
沼の周りは原始林がよく保存され、オオシラビソが主だがダケカバ、シラカバも混生している。トチノキやサワグルミの巨木、シオジ林も見られ、高所の岩場にはハクサンシャクナゲ、アズマシャクナゲの群生も見られる[3]。
交通アクセス
- 公共交通機関
- JR沼田駅若しくは上毛高原駅から関越に乗車し鎌田下車、沼田駅より57分、上毛高原駅より1時間24分。鎌田からバスを乗り継いで29分、丸沼温泉環湖荘下車[8]。
- 自家用自動車
- 国道120号・金精道路沿い。関越自動車道・沼田インターチェンジから自動車で85分。なお、毎年12月下旬から4月下旬にかけての間は冬期閉鎖により通行止めとなる。
参考文献
- 『群馬県百科事典』(上毛新聞社、1979)
- 『群馬の湖沼』(上毛新聞社、1980)
- 『群馬県の地名』(平凡社、1980)
- 『角川日本地名大辞典』(角川書店、1981)
- 『日本の湖沼と渓谷 5関東』(ぎょうせい、1987)
- 『日本の湖沼環境』(環境庁、1989) ISBN 4173191219
- 『日本の湖沼環境Ⅱ』(環境庁自然保護局、1995)
脚注
- ^ a b c d e f g h i j 『日本の湖沼環境』、p.116
- ^ a b 『群馬県百科事典』1979、p.519
- ^ a b c 『日本の湖沼と渓谷 5関東』、p.47
- ^ 『日本の湖沼と渓谷 5関東』、p.48
- ^ 『群馬の湖沼』、p.74
- ^ 『日本の湖沼環境』、p.117
- ^ 『日本の湖沼環境Ⅱ』、p.137
- ^ 関越交通ホームページ時刻表を参照(2020年7月30日Lastaccess)
関連項目
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