安倍 三郎(あべ さぶろう、1898年6月6日 - 1974年5月7日[1])は、日本の心理学者。旧姓は島田、1924年から母方の安倍姓を名乗る[2]。
略歴
1898年、岩手県生まれ。1929年、東北大学法文学部心理学科を卒業 (卒業論文は「二時程比較之研究」)。1935年満州国立高等師範学校教授。1939年満州国立建国大学教授。1940年「時間意識の実験的研究」で東北帝国大学で文学博士号を取得 (勅令第200号による)[2]。
戦後は1946年8月に引揚帰国する。1947年広島文理科大学・広島高等師範学校教授となるが、間もなく公職追放のため辞職[2]。東北大学教養部教授となり、1962年に定年退官、名誉教授となる。1965年からは明星大学教授を務めた[3]。
著書
- 『心理学概論』教育心理研究会 1935
- 『時間意識の心理』「生活と精神の科学」叢書 東北帝国大学心理学研究室編 東宛書房 1936
- 『児童心理学』拓文堂 1938
- 『児童心理学綱要』協同出版 1948
- 『心理学の話』宝文館 1948
- 『心理学概論』福村書店 1949
- 『大彦族の研究』雑木雑草庵 1963
共編
- 『新児童心理学』黒田正典共編 協同出版 1954
- 『新青年心理学』北村晴朗共著 協同出版 1955
記念論文集
- 『現代心理学論集 安倍三郎先生古稀記念論文集』安倍三郎先生古稀記念論文集編集委員会 (明星大学心理学研究室内), 1968
論文
- 「二時程比較の一研究 (1)(2)」『心理学研究』第5巻2輯 - 3輯 1930
- 「二時程比較における休止時の影響に関する余の実験的研究」『心理学研究』第6巻6輯 1931
- 「教育の不可欠要素としての個性の認識」『教育研究』第374号 1931
- 「吾々の体験と近代感覚」千葉春雄編『最近の心理学と国語教育の問題』厚生閣 1932
- 「リズムと時間」千葉春雄編『国語教育の科学的研究』厚生閣 1933
- "Die Erscheinungsweisender Zeitgestalen", Tohoku Psychologica Folia, Vol.1 1933
- 「絶対的印象の体験について」『文化』第1巻 1934
- 「人間死後の霊魂信仰の心理学的研究 上下」『宗教研究』第10巻 1933 - 第11巻 1934
- "Neue Untersuchung über absoluten Eindrücke im Gebiete der wahrnehm-baren Zeit", Tohoku Psychologica Folia, Vol.2 1934
- "Experimental study on the correlation between time and space", Tohoku Psychologica Folia, Vol.3 1935
- 「時空間相関に関する実験的研究」『文化』第2巻 1935
- 「在満諸民族の性格研究 (第一報告) - 淡路氏向性検査に現れたる在満蒙古民族の向性について」『建国大学研究期報』第4巻 1942
- 「民族性把握の研究方法について (其二)」『満州心理学会第二回全体発表報告論文集』1944
- 「心理学的現在」『明星大学研究紀要 (人文科学)』第2号 1966
- 「現在・過去・未来の心理学的性質とその評価の根本尺度」『明星大学研究紀要 (人文科学)』第3号 1967
参考文献
- 大泉溥編『日本心理学者事典』クレス出版 2003年
脚注
- ^ 『著作権台帳』
- ^ a b c 大泉溥編『日本心理学者事典』クレス出版 2003年
- ^ 『現代心理学論集 古稀記念論文集』
関連項目