山口 恵以子(やまぐち えいこ、1958年6月6日[1] - )は、日本の小説家。東京都江戸川区出身[2]。東京都立両国高等学校[3]、早稲田大学第二文学部卒業[4]。
経歴
父は理髪用鋏の工場を経営していた[5]。恵以子は本名で易者がつけた。「1人でも強く生きていける」という意味が込められている[5]。
小学校からずっと独学で漫画家を目指していたが、大学卒業が迫り、親戚の紹介で宝石と毛皮の輸入販売会社に入社。漫画を描き続けるつもりだったが徐々に遠ざかった30代のときに「松竹シナリオ研究所・研修生募集」の記事を見つけ受講。派遣社員として働きながら夜間コースに通い35歳で卒業。2時間ドラマのプロットを多数作成する[6]。
派遣の切れ目に新聞の求人欄で見つけた「丸の内新聞事業協同組合・調理補助パート募集」に応募して、2002年、44歳のときに同組合の社員食堂(その後閉鎖)の調理主任に採用された。勤務は朝6時から11時の5時間で時給1500円(交通費全額支給、ボーナス・有給休暇あり)だった[5][7]。
新鷹会会員となり小説を書き、2007年、50歳のときに『邪剣始末』で作家デビュー。2013年に『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞[5]。「食堂のおばちゃんが受賞した」と話題になった[8]。
人物
『読売新聞』朝刊「人生案内」で回答者の一人を務めており、高校の同級生、趣味の仲間、元同僚や担当編集者など親しい人がいるが、共に幸せを喜び、不幸を悲しむ「友人」はいないと記している(2023年7月5日付)。
著作
小説
食堂のおばちゃんシリーズ
- 『食堂のおばちゃん』角川春樹事務所、2015年
- 『恋するハンバーグ 佃 はじめ食堂』角川春樹事務所、2016年
- 【改題】『恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん(2)』
- 『愛は味噌汁 食堂のおばちゃん(3)』角川春樹事務所 2018年
- 『ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん(4)』角川春樹事務所 2018年
- 『真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん(5)』角川春樹事務所 2019年
- 『あの日の親子丼 食堂のおばちゃん(6)』角川春樹事務所 2019年
- 『うちのカレー 食堂のおばちゃん(7)』ハルキ文庫 2020年2月
- 『あなたとオムライス 食堂のおばちゃん(8)』ハルキ文庫 2020年7月
- 『みんなのナポリタン 食堂のおばちゃん(9)』ハルキ文庫 2021年1月 ISBN 978-4-7584-4389-0
- 『焼肉で勝負! 食堂のおばちゃん⑩』ハルキ文庫 2021年7月
- 『夜のお茶漬け 食堂のおばちゃん⑪』ハルキ文庫 2022年1月
婚活食堂シリーズ
- 『婚活食堂』PHP研究所 2018年6月
- 【改題】『婚活食堂 1』PHP研究所 2019年9月
- 『婚活食堂 2』PHP研究所 2019年11月
- 『婚活食堂 3』PHP研究所 2020年6月
- 『婚活食堂 4』PHP研究所 2020年11月
- 『婚活食堂 5』PHP研究所 2021年5月 ISBN 978-4-569-90122-0
- 『婚活食堂 6』PHP研究所 2021年11月
シリーズ外作品
エッセイ
- 『山口恵以子エッセイ集 おばちゃん街道 ~小説は夫、お酒はカレシ~』清流出版 2015年
- 『おばちゃん介護道 独身・還暦作家、91歳母を看る』大和出版 2018年
テレビ出演
脚注
外部リンク