戦艦少女R |
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各種表記 |
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繁体字: |
戰艦少女R |
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簡体字: |
战舰少女R |
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拼音: |
Zhànjiànshǎonǚ R |
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発音: |
ジャンジェンシャオニュアール |
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英文: |
Warship Girls R |
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『戦艦少女R』(せんかんしょうじょアール、 簡体字:战舰少女R、英:Warship Girls R)は、中華人民共和国の上海幻萌網絡科技(中国語版)が開発・運営を行っているiOS/Android用のゲームアプリである。
2013年のリリース当初は『戦艦少女』のタイトルだったが、2015年11月12日の大型アップデートに伴い現タイトルへ改題した。2017年4月30日、バージョン3.0.0にアップデート。
中国大陸での主な略称は舰N(艦N)[注 1](ただし、『戦艦少女R』への改名後は舰R(艦R)も使用されるようになった)。表題の「戦艦」は日本語の「戦艦」よりも意味が広く「軍艦」と同義である[注 2]。
2018年には、スピンオフとなるシミュレーションRPG『蒼青のミラージュ』(ソノミラ)の制作が発表。2018年9月8日に配信開始。
概要
世界各国の艦船を擬人化した美少女キャラクターを集めて艦隊を編成、強化しながら「深海軍」と呼ばれる正体不明の敵艦隊と戦闘して勝利を目指すのがゲームの目的である。ゲームに登場する艦船(本ゲームでの擬人化キャラクターの呼称)は主として第二次世界大戦中に就役していたものが中心だが、一部に戦後の艦船や軍艦ではない船も登場している。船籍は日本、アメリカ合衆国、ドイツ、イタリア、フランス、ソビエト連邦およびロシア帝国などで[1]、実装艦船数は2017年11月時点で200以上にのぼる。
サービス開始当初は日本での『艦隊これくしょん -艦これ-』のヒットを受けて中華圏で数多く作られた艦船擬人化を題材にしたゲームの1作(いわゆる「『艦これ』フォロワー」)という扱いをされることが多く、2016年に日本語版をリリースした当初はニュースサイト等で“中国版艦これ”や“艦これ風SRPG”のような触れ込みでの紹介が見られた[2][3][4]。「『艦これ』フォロワー」の筆頭的な存在として本作が中華圏で人気を博していることについて、DMMゲームズ代表の片岸憲一は中華圏のモバイルゲームニュースサイト「魔方網」のインタビューに対して「明確な著作権の侵害がなければいいかなと」と静観する姿勢を見せており[5]、ニュースサイトのSocial Game Infoでは“『戦艦少女R』では、そんな『艦隊これくしょん』で感じた「あったらいいな」が見事再現されている(中略)ユーザー目線で一つのコンテンツを研究し、リスペクトし、愛を持って開発されたタイトル”と評されている[1]。
2015年10月に「R」へバージョンアップしたことに伴い、主にビジュアル面が一新されて戦闘画面がバナーの羅列からSDアニメーションによる演出に置き換えられるなど、オリジナリティの強化が図られている[6]。2017年4月28日のアップデートでは、オプション扱いで一部の艦船に音声が追加された。日本語版では日本語ボイスのみであるが、中国語版のボイスは中国語(普通話)と日本語から音声を選べるようになっている。
制作国の中国本土では配信後から同人イベントなどで人気を博しており[2]、日本語版の配信前から日本の同人誌即売会でも個人サークルへの委託という形で同人誌やグッズの販売が行われていた[7]。日本進出後には登場キャラクターのレキシントン、クインシー、グローウォームがフィギュア化されている[8]。
日本では中国大陸のようなブームにこそなっていないものの、ユーザー数を着実に増やしており[9]、2017年9月20日から10月4日までの間、日本独自イベントとしてにじよめが運営する『空戦乙女』とのコラボを行った[10]。また、同年10月24日からは公式LINEスタンプの配信も開始している[11]。
沿革
『戦艦少女』のリリース以前から中国大陸や台湾では、日本でヒットした『艦これ』の影響を受ける形で艦船その他の兵器擬人化をテーマにしたブラウザゲームやスマートフォン用アプリが大量にリリースされていた。その中には『艦娘世界』のような海賊版同然のものも存在していたが[12]、そうした海賊版に対しては現地の『艦これ』ファンからも非難が相次いでサーバをダウンさせられたりしている[13]。
リリース当初
前身の『戦艦少女』は、上海幻萌網絡有限公司(ShangHai MoeFantasy Inc.)に所属する少人数のスタッフにより開発された。幻萌は設立初年ということもありゲームアプリの運営ノウハウを持たない状態だったため、同じ上海市を拠点とする派趣科技(中国語版)(Patch Games, P7)が運営を担当する体制で2014年9月23日にAndroid、翌2015年2月21日にiOS版がそれぞれサービスを開始した[2]。
リリース当初は同じ艦船擬人化を題材としている点のみならず、ゲーム性の面においてもこの時期に中国大陸で数多く見られた「『艦これ』フォロワー」の1作という評価の域を出なかったが[2][1]、精力的なバージョンアップによるインターフェース面の改良や大戦期の中華民国の艦船実装、成都市で開催された同人イベント「ComiDay15」への出展などを実施して少しずつ支持を伸ばし、リリース直後の2014年11月に開催された第1回ファンミーティングでは参加者が10人にも満たなかったのに対して2015年4月開催の第2回では定員100名の入場券が1分足らずで完売している[2]。
開発・運営の紛争
ところが、運営会社の派趣科技が自社の別タイトルとのコラボレーションを独断で発表したり「インターナショナル版」と銘打ったiOS版を無断でApp Storeに登録するなどの問題行動が相次いだため、幻萌との対立が表面化する[14]。紛争の過程では派趣側の担当者が紛争によるユーザー数の減少について「ゲームのプレイヤーはニラ(韭菜)のようなもので、刈ってもまた生えて来る」と微博で発言したことがリークされ[15]、抗議が相次ぐなど大部分のプレイヤーは開発の幻萌側を支持する姿勢を見せた。
2015年7月末、幻萌は派趣との共同運用を解消することを発表し、同時に派趣が無断で運用し続けたサーバーデータの60日以内の削除命令と、幻萌の直営による新サーバへの移転を発表した。新サーバは台湾に設置されたため、中国大陸の簡体字でなく繁体字での運用となり、派趣のものと合わせて字体が異なる2種類の『戦艦少女』アプリが一時的に並立する事態となっていたが、App Storeで配信されていた「インターナショナル版」は幻萌の申し立てが受理されて削除された。その後も両者間で法廷闘争が続いたが、2016年2月19日に双方の和解が成立する[16]。同年9月、和解成立に伴い派趣サイドの『戦艦少女』はサービスを終了した[17]。
リニューアル後
派趣のサービス終了後、幻萌は『戦艦少女』の大規模アップデートを実施し2015年11月12日から『戦艦少女R』へリニューアルした。2016年2月にはタイ語版、同年10月には日本語版がリリースされているが、タイ語版は現地の運営代行会社との問題を理由として2017年8月14日にサービスを終了している[18]。2018年7月には繁体字版(台湾、マカオ、香港)の開発告知がされ同年8月にリリースしている。[19] 2018年12月19日にグローバル版と韓国版がリリースされていたが、繁体字版・韓国版・グローバル版は2021年8月31日にサービスを終了している。
日本語版は幻萌の日本法人に当たる株式会社Moe Fantasyが運営を行っている[1][注 3]。2023年7月8日、Android版がGoogleストアからリジェクトされたが、同年8月16日に復旧され、9月7日には課金も復旧した。
ゲームシステム
出撃
- 類似性を指摘された艦これと同じくルート航路。ただし、分岐条件や分岐確率が明示され、索敵に成功すれば戦う前に敵艦隊編成が判り、戦うか引き返すかの選択が出来る(特定のコマでは迂回も可能)。また、艦これと違って「轟沈」がなく、パラメーターが0になった艦船は「撤退」扱いとなる。ただし、「撤退」した艦船の好感度が50(誓約済みの艦船は100)下がり、それ以外の全艦船の好感度が5下がる。好感度は戦績にも影響が出るからある意味「轟沈」より痛いペナルティとなる。
- 0時、12時、18時の3回更新され(中国語版は時差があるから1時間遅れる)、各5回ずつ。後述の戦友演習が1日3回だけポイントが稼げるから、合計18回ポイントが稼げる計算になる。艦これと異なり、自軍も撤退(艦これでの轟沈)が発生するが、デメリットはなく、燃料・弾薬の消費もない。
- 遠征にあたっては当初から条件が設定されており、従って「失敗」はない。加えて一定の比率でアイテムを持ってきてくれる(そのアイテムも表示されている)。遠征にあたっては、弾薬、燃料の消費は一切ない(引き返しても物資獲得が出来ないだけでデメリットはない)。その代わり、経験値は付与されない。遠征専用艦隊(第5~8艦隊)が向かい、編成は「泊地」→「編成」ではなく、ここで行う。
- 改造に用いるコアを獲得するための戦闘。普通戦役は8勝中20%率、困難戦役は8勝中60%率(あくまで確率なので実際に獲得できるコア数は増減する)でコアを獲得することが出来る。改造において規定のレベルと規定のコア数が確保出来れば改造出来る。戦役は基本的に史実上の戦役をモチーフとしているが、潜水艦戦役のみは特定の戦役をモチーフとしていない。
- 改装の戦役は下記の通り。
- ナルヴィクの戦い - 駆逐艦コア収集戦役。ドイツ側として参戦。
- マタパン岬沖の戦い - 巡洋艦コア収集戦役。イタリア側として参戦。
- デンマーク海峡の戦い - 戦艦(巡洋戦艦含む)コア収集戦役。ただし、航空戦艦改造時は空母コアが必要。イギリス側として参戦。
- 珊瑚海の戦い - 空母(装甲空母、航空戦艦含む)コア収集戦役。アメリカ側として参戦。
建造
改装
泊地
ショップ
ボーナス
- 戦利品
- ログイン報酬
- LvUP報酬
- 初チャージ報酬
クエスト
フレンド
メール
ランキング
- 勲功ランキング
- 撃沈ランキング
- 実力ランキング
- 収集ランキング
コレクション
設定
鎮守府
画面左上をタップすると表示される。
- いわゆる艦舶の耐久力修復場。バージョン3.30で実装され、湯船につかる形で回復する様子を見ることができる(耐久値の回復自体は初期から存在)。増築すると脱衣籠が増える。
- 2018年6月のver3.8.0アップデートに伴い簡単なミニゲームをこなすことで修復にかかる時間を1割軽減することができる機能が追加された。
- 戦術技能を習得する場所でレベルが90以上の艦船のみ習得可能で主に「攻撃」「防御」「特殊」の3種類のカテゴリーから選んでコアを消費し目標を達成すれば技能を修得する事が可能となる。
- 料理を作ってさまざまなバフ効果を追加する場所でシェフと料理を選択する事により料理ができる。料理レシピは初期時では1つのみだがアイテム「グルメ箱」か「高級グルメ箱」から取得が可能な料理レシピや一部艦船の衣装を購入する事によっても料理レシピを入手する事が可能。
艦これとの相違点
類似性を指摘される本作であるが、いくつかの相違点がある。主な相違点は下記の通り。
- 戦闘シーンなどでLive2Dを使用している。
- 疲労度設定が無い一方で好感度設定があり、好感度が100に達すると誓約(艦これでのケッコンカッコカリ)が出来る。誓約後の好感度は最大200。
- 衣装の着せ替えができ(艦これは季節限定で衣装が変わるだけで着せ替えはできない)、お好みの艦船を秘書艦に設定できる。
- 改造後の艦には元になった艦船に由来するスキルがあり、強化Maxにすることでスキルを最大3まで上げられる(最初からスキル持ちの艦もある)。
- 轟沈が無い(撤退扱い)。その代わりに撤退艦の好感度が50(誓約済みの艦は100)下がり、他の全所属艦の好感度が5下がる(提督レベル10以上の場合)。
- 演習は1日3回(艦これは2回)、また、演習・遠征での資材消耗が発生しない。第1~第4艦隊が戦闘艦隊、第5~第8艦隊が遠征艦隊に役割分担されている。
- 索敵が出来れば戦闘前の退却が出来る(演習戦の場合は当該演習戦は行わなかったことになり、改めて別の艦隊で当該演習戦をし直すことが出来る)。
- 相手の旗艦を撃沈するか過半数(半数ではない)の艦船を撃沈すれば勝利。それ以外は戦況の有利不利にかかわらず敗北。潜水艦対潜水艦のように互いの攻撃が全く出来なかった場合でも敗北。
- 食堂を利用することで、あらかじめバフを与えることが可能。その際、シェフを担当する艦船を選択し、それらの熟練度に応じて成功率が変わる。
- 一定レベルで学院を使用可能。利用することでコアを消費し、スキルを獲得できる。
- Ver3.3より艦船の名前の変更が可能になっている。
- 1日8回(イベント開催時の特定の日は12回)行える戦役は、ダイヤを消費することによって戦役回数を回復することが可能(1日1回のみ)。
登場艦艇
備考に★マークの付いたものは同型未実装艦あり。
声優
日本語版キャスト[20][注 4]。
脚注
注釈
- ^ 戦艦少女のピン音がN(nǚ)であることに由来。
- ^ 中国語で日本語の「戦艦」に相当する艦種は战列舰(戦列艦)と呼ばれる(白水社中国語辞典)。
- ^ 法人番号:7010001177078
- ^ 中華圏では日本人の声優人気が高く中国大陸や香港、台湾でしか展開していないゲームでも日本語ボイスのみを当てるゲームの方が主流であり、中国語ボイスを独自に用意するゲームは少ない。ボイスが実装されているキャラクターは一部であり、日本語版ではセリフが未翻訳のため実装されていないキャラクターも存在する。
出典
関連項目
外部リンク