打豆、打ち豆(うちまめ)とは、主に日本海側などの豪雪地帯で、伝統的に作られている大豆保存食。
概要
大豆を水につけてもどしたものを、石臼などの平らな石の上に乗せて木槌で潰し、乾燥する[1]。山形県や、福島県、福井県、富山県、新潟県、などの家庭料理で用いられる[2][3][4][5]。
丸大豆は24時間浸漬後、1時間以上煮る必要があるが、打豆は15分程度で食べられる状態になる[6]。一方で、調理液に溶出されるタンパク質が丸大豆や半割大豆に比べて多く、特にグルタミン酸やアスパラギン酸といったアミノ酸が多く溶出する特徴がある[6]。
利用
打豆を用いた味噌汁は打豆汁と呼ばれ、福井県の郷土料理とされる[1]。打豆汁のほかに、煮物の材料として用いられる[7][8]。
脚注
- ^ a b “打ち豆汁…福井県:農林水産省”. www.maff.go.jp. 2020年5月28日閲覧。
- ^ 佐藤真実、森恵見、岸松静代、谷洋子 (2019), 福井県の家庭料理 副菜の特徴, 日本調理科学会, doi:10.11402/ajscs.31.0_214, https://doi.org/10.11402/ajscs.31.0_214 2020年5月28日閲覧。
- ^ 深井康子、中根一恵、守田律子、原田澄子、稗苗智恵子 (2019), 富山県の家庭料理 副菜の特徴, 日本調理科学会, doi:10.11402/ajscs.31.0_212, https://doi.org/10.11402/ajscs.31.0_212 2020年5月28日閲覧。
- ^ 太田優子、佐藤恵美子、松田トミ子、渡邊智子、伊藤知子、小谷スミ子、山口智子、伊藤直子、長谷川千賀子、山田チヨ、玉木有子、立山千草『新潟県の家庭料理 副菜の特徴』日本調理科学会、2019年。doi:10.11402/ajscs.31.0_209。https://doi.org/10.11402/ajscs.31.0_209。2020年5月28日閲覧。
- ^ “うち豆 株式会社 山形県観光物産会館「ぐっと山形」”. www.yamagata-bussan.co.jp. 2022年5月30日閲覧。
- ^ a b 皆川由美子、柳沼しのぶ (1975), 打豆の加熱調理液中のたん白質、アミノ酸、糖について, 一般社団法人 日本調理科学会, doi:10.11402/cookeryscience1968.8.3_154, https://doi.org/10.11402/cookeryscience1968.8.3_154 2020年5月28日閲覧。
- ^ 小谷スミ子、佐藤恵美子、伊藤直子、山口智子、立山千草、玉木有子、太田優子、伊藤知子、山田チヨ、松田トミ子、渡邉智子、長谷川千賀子『『次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理』-新潟県佐渡市佐和田の日常食と行事食』日本調理科学会、2015年。doi:10.11402/ajscs.27.0_120。https://doi.org/10.11402/ajscs.27.0_120。2020年5月28日閲覧。
- ^ “食農教育 2010年7月号 大豆を食べるふるさとの知恵 打ち豆レシピ”. www.ruralnet.or.jp. 2020年5月28日閲覧。
外部リンク