柴草 玲(しばくさ れい、女性、1968年4月1日 - )は、日本のシンガーソングライター、作詞家・作曲家、歌手、キーボーディスト。埼玉県出身。
概要
1990年代前半、チカブーンのキーボード奏者として活動。その後、Cocco、松田聖子らへ楽曲提供、ピアノ弾き語りのライブ活動を続け、ソロ・アルバムを発表。映画・テレビ番組の音楽も担当。ピアノ、カシオトーンに加えて、アコーディオンも演奏する。『不惑のアダージョ』(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2009・特別上映作品)他の井上都紀監督作品に出演、女優としても活動。現在はライブ活動を精力的に行っている。西荻窪アートリオンにて毎月ワンマンライブを開催。
経歴
デビューまで
5歳からピアノを習い始め、国立音楽大学ピアノ科に進学。この頃、ジャズピアノ奏者である山下洋輔の演奏に接し、クラシック以外の音楽にも関心を持つ。学生時代、「柴草玲トリオ」というジャズトリオで活動。
バンドのキーボード奏者として
1992年1月、女性ばかりのサルサバンド「チカブーン」にキーボード奏者として参加。ビクター音楽産業からメジャー・デビュー。1993年、日本ゴールドディスク大賞のニューアーティスト賞を受賞[1]。作曲を担当した「春 夏 秋 冬・朝 昼 夜」が田村正和主演のTBSドラマ『カミさんの悪口』(「東芝日曜劇場」1993年10月17日 - 12月26日)の主題歌に採用。他に、「夏がせつない」「あなたの声に逢いたくて」(関西セルラーCM)「愛をCooking」と一連のヒットシングル、「未来へのパートナー」、「もう想い出に逃げない」、「夜明けの青」などの作曲を手掛けた。
サポート・ミュージシャン、楽曲提供者として
1995年、チカブーンを脱退後、大江千里、松山千春等のスタジオ&ツアーサポートとして活動。佐野聡、佐々木史郎らのブラス・ユニットBACCHUSに参加。アルバム「FUNK A LA MODE」を1997年にメルダックからリリース。
Cocco、沢田知可子、相川七瀬、鳳山雅姫、松田聖子等へ楽曲提供も行っている。 このうち、Coccoの「強く儚い者たち」(1997年11月21日リリース)は、日本航空「JALハワイ・キャンペーン」CMソングとなり、オリコン最高位18位、「樹海の糸」(1999年4月14日)は、オリコン最高位3位となる。
ソロアーティストに
1999年4月から作詞家・作曲家兼歌手として個人の活動、主に東京都内でのピアノの弾き語りライブを始める。
2001年4月、初のミニ・アルバム『遺伝子』を自主制作。同年6月に『あじさい』を店頭流通にのる作品として発売。2002年に『レクイエム』とコンスタントにリリース。「あじさい」「レクイエム」のミュージック・ビデオがインターネットで配信された。
2002年4月から、RADIO BERRYで『柴草玲のイヌラジ』放送開始。
2003年2月・3月、作詞・作曲・歌を担当した「ヒナのうた」(アニメーション:南家こうじ)がNHK『みんなのうた』で放送される。
2005年、芥川賞作家・柳美里の書き下ろしの詩「さくら散る前に」を作曲。奥田美和子のアルバム『二人』(2005年6月22日リリース)に収録。柳と奥田は、あらかじめ柴草を作曲家とすることを決めて依頼したという[2]。
『うつせみソナタ』(2003年)、『会話』(2004年)、『小唄婦人』(2006年)とアルバムを発表、現在に至る。
ディスコグラフィ
アルバム
- 遺伝子 (自主制作盤、2001年4月1日)
- 遺伝子
- オリーブの実
- アクアリウム
- ファックス(New York Version)
- 夜明け−Dedicated to RYO-chan−
- あじさい (meer tracks、2001年6月27日)
- あじさい[3]
- 井戸の夢
- 金魚
- ローランド・カークが聴こえる
- おやすみ
- レクイエム (meer tracks、2002年2月14日)
- レクイエム
- P.S.
- 蒼い影
- オキナワソバヤのネエサンへ
- 宴
- 吸殻とノクターン
- うつせみソナタ (2003年8月27日)
- 川辺
- 祭りばやし
- 煉瓦のかぞえ唄
- 国立
- 微粒子
- 7月5日(月食)
- 虚蝉
- 前山にて
- 会話 (日本クラウン、2004年12月1日)
- 靴の詩
- オリーブの実
- 月夜のキス
- アクアリウム
- ヒガンバナ
- 会話
- 耳打ち
- 精霊たちのえくぼ
- ヒヨドリが見てた
- 小唄婦人 (2006年)
- ゴルゴ13のうた
- さよならウンチ
- 20世紀バレエ団を観た帰り
- ぞうのはなこさん
- こわれたピアノ
- 季節はずれのゴーヤ
- "シリーズ街"〜どっちがショボイかな?〜おがわしんいちろう
- イヌラジ小唄ジングル〜カシオトーンメドレー〜
- 哀しまないでウコッケイ
- オキナワで二番安いシーサー屋のおじいは言った
- Ilove のびる
- 小さな社宅
- だれだっけ
- ざしきわらしのうた
- 私はバレリーナ
- キッチンおじさん
- 桜島
- アカシヤの部屋で
- さげまんのタンゴ (2010年12月18日 CD+DVD 2枚組)
- disc1 CD
- さげまんのタンゴ
- ホテルおぎくぼ
- 千代さんの日記
- disc2 DVD
- さげまんのタンゴ:Music Clip
- さげまんのタンゴ:Behind the Scenes
- さげまんのタンゴ:カラオケ
シングル
- 精霊たちのえくぼ (日本クラウン、2004年10月27日)
- 精霊たちのえくぼ
- かげぼうし
- アクアリウム
オムニバス
その他
提供曲
- 「目下の恋人」 作詞:相川七瀬、作曲・編曲:柴草玲
- 「時の風」 作詞:相川七瀬、作曲:柴草玲、編曲:山口一久
- 「さくら散る前に」 作詞:柳美里、作曲:柴草玲、編曲:山口一久
- 「首。」 作詞:こっこ、作曲:柴草玲、編曲:根岸孝旨
- 「強く儚い者たち」 作詞:こっこ、作曲:柴草玲、編曲:根岸孝旨
- 「樹海の糸」 作詞:こっこ、作曲:柴草玲、編曲:根岸孝旨
- 「星に願いを」 作詞:こっこ、作曲:柴草玲、編曲:根岸孝旨
- 「Driving in the silence」 作詞:坂本真綾、作曲:柴草玲、編曲:河野伸
- 「恋の詩、うたって…。」 作詞:沢田知可子、作曲:柴草玲、編曲:小野澤篤
- 「真冬の向日葵」 作詞:白石玲子、作曲:柴草玲、編曲:オオニシユウスケ
- 「プリュイ」 作詞:白石玲子、作曲:柴草玲、編曲:オオニシユウスケ
- 「月に叢雲 花に風」 作詞:鳳山雅姫、作曲:柴草玲、編曲:柴田俊文
- 「きんもくせい」 作詞:鳳山雅姫、作曲:柴草玲、編曲:柴田俊文
- 「やわらかな風」 作詞:鳳山雅姫、作曲:柴草玲、編曲:柴田俊文
- 「フユノアサ」 作詞:toriyama、作曲:柴草玲、編曲:坂本昌之
- 「エメラルド海岸」 作詞:松本隆、作曲:柴草玲、編曲:大平太一
- 「真空の明かり」 作詞:繭子、作曲:柴草玲、編曲:安部恭弘・繭子・d'Angers
- 「あじさい」 作詞・作曲・編曲:柴草玲
- 「まっしろしろすけ」作詞・作曲・編曲:柴草玲
- 「ながぐっちゃん!」作詞:もりちよこ 作曲・編曲:柴草玲
- 「おさんぽクンクン」作詞:工藤順子 作曲・編曲:柴草玲
- 横山だいすけ・小野あつこ(NHK教育「おかあさんといっしょ」での楽曲)
- 「まあるいせかい」作詞:木庭撫子 作曲:柴草玲
カバーされた楽曲
- オキナワソバヤのネエサンへ
- 2008年、台湾の歌手・女優、劉若英(レネ・リウ)が「多傻」としてカバー[4]。張艾嘉、劉若英、李心潔の共演映画『20.30.40の恋』(監督=張艾嘉、2004年・香港映画、劇場未公開、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが2005年10月DVD化)のサウンドトラックをベースに企画されたアルバム『愛得精彩 20.30.40』 (2CD+VCD、2004年2月26日、Rock Records)とVCDアルバム『多傻』(2005年1月1日リリース、珠影白天鵝音像出版社)に収録。
- 坂本美雨がカバーしてアルバム『Harmonious』(2006年5月24日リリース)に収録。
- 前山にて
- 元宝塚歌劇団のトップスター、春野寿美礼がカバーして「前山にて/行かないで NE ME QUITTE PAS」(2009年7月22日リリース)とアルバム『男と女 Un homme et une femme』(2009年8月12日リリース)に収録。
出演・音楽担当映画
- 2004年『暁の花』主演 音楽担当
- 2005年『Mademoiselle Audrey』主演
- 2007年『大地を叩く女』助演 音楽担当(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2008・オフシアターコンペティション部門グランプリ受賞)
- 2009年『不惑のアダージョ』主演 音楽担当(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2009・特別上映作品)[5]
いずれも井上都紀監督作品。
出演番組
CM
- SEIKOの企業CM - 2009年夏以降放映のテレビCM音楽(ピアノソロ曲)を制作。「ゆるぎない時間(30秒)」「ゆるぎない時間(70秒)」。
参加ユニット
脚注
出典
外部リンク