沖港(おきこう)は、東京都小笠原村母島にある地方港湾。統計法に基づく港湾調査規則では乙種港湾に分類される[5]。
解説
母島の南西部に位置する元地集落の近くにあり、村役場がある父島との間を結ぶ定期船「ははじま丸」が発着する[6]。母島においては「ははじま丸」が島外との唯一の交通手段であるため、当港は島民の生活維持のため必要不可欠な施設となっている[7]。また、周辺海域における船舶の避難・休憩や補給基地としての役割も担う[7]。
2021年の発着数は2,285隻(150,398総トン)[1]、利用客数は22,019人(乗込人員11,015人、上陸人員11,004人)であった[4]。
歴史
太平洋戦争後にアメリカ合衆国に占領されていた小笠原諸島が1968年(昭和43年)に返還された当時、当港には艀が着岸できる程度の小突堤しかない状態であった[8]。このため早急に整備が進められることとなり、1970年8月28日に東京都管理の地方港湾に指定された[6]。
- 1970年(昭和45年)度 - 本格的な突堤補強工事を実施、寄港船舶に対応する設備として応急的に使用。
- 1973年(昭和48年) - 岸壁 (-4.5 m) 65 m完成、貨客船の接岸が可能となる。
- 1976年(昭和51年) - 船揚場50 m完成。「第2弥栄丸」(片道3時間30分)就航。
- 1978年(昭和53年) - 防波堤A完成。
- 1979年(昭和54年) - 初代「ははじま丸」(片道2時間20分)就航。
- 1981年(昭和56年) - 防波堤B完成。
- 1982年(昭和57年) - 物揚場・船客待合所完成。2代目「ははじま丸」(片道2時間10分)就航。
- 1983年(昭和58年) - 11月の台風17号により、防波堤の消波ブロック約300個が飛散、工事用の100トンクレーンが流出するなどの被害が発生。
- 1991年(平成3年) - 外防波堤(西)完成。
- 1993年(平成5年) - 外防波堤(東)完成。
- 1995年(平成7年) - 岸壁を145 mに延伸し2バースとなり、貨客船と貨物船の同時接岸が可能となる。
- 1999年(平成11年) - 脇浜なぎさ公園完成。
- 2003年(平成15年) - 新船客待合所完成。
- 2011年(平成23年) - 日よけ施設完成。
- 2014年(平成26年) - 泊地浚渫工事開始。
- 2016年(平成28年) - 浚渫工事と岸壁の延伸を実施、岸壁 (-5 m) 180 mとなる。3代目「ははじま丸」(片道2時間)就航。
航路
- おおむね週に5便運航[9]。
このほか、貨物船「共勝丸」が東京港(月島埠頭) - 二見港 - 沖港間を不定期に運航しているが、旅客営業は行っていない。
港湾施設
脚注
参考文献
関連項目
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