海の森公園(うみのもりこうえん、英: Umi-no-Mori Park[3])は、東京港の中心にある東京都江東区海の森に建設中の都立の海上公園(東京都港湾局所管)である。1973年(昭和48年)から1987年(昭和62年)にかけて埋め立てられた1,230万トンのごみと建設発生土の上に立地し、東京都区部で最も広い公園となる予定[4]。
概要
2005年(平成17年)2月24日に開催された第74回東京都港湾審議会において答申された構想である[5]。2007年から本格的に植樹を開始し、30年をかけて完成させる予定。
当地区では、1996年(平成8年)の全国植樹祭にて当時の天皇・皇后がお手植え・お手まきを行い[6]、2018年(平成30年)の第42回全国育樹祭では当時の皇太子・皇太子妃が手入れをした。
2020年東京オリンピックでは、総合馬術とカヌースプリント・ボート競技の会場として使われた。これに伴い馬術競技の仮設競技場の建設と、中央防波堤内側埋立地と同外側埋立地の間の水路を利用して海の森水上競技場の建設が行われ、海の森水上競技場は2019年5月までに施設が完成した[7]。
資源循環型の森作りを目標とするため、公園で使用されている堆肥は都内で剪定した枝葉をリサイクルして作っている。
当初、2020年東京オリンピックまでの開園予定となっていたものの、開園はその後延期され、2025年3月に全面開園予定となっている。
帰属
所在する中央防波堤内側埋立地の帰属に関して江東区と大田区が争い、東京都の和解案に対し大田区が反発して裁判を起こしていたが、2019年の東京地方裁判所判決において、海の森水上競技場を含む海の森公園部分が江東区に帰属することが定められ[8]、この判決を江東区・大田区の双方が受け入れる形で最終的に決着を見た[9]。
海の森の基盤工事
- 「海の森」は昭和48年から昭和62年にかけて1,230万トンのごみと建設発生土などを交互に埋め立てるサンドイッチ構造で造成した埋立地である。高さ30メートルの「ごみの山」を森にするために、堆肥、土壌改良材、優良土、建設発生土を配合した厚さ1.5メートルの表層土による植栽基盤づくりを行った。完成までに必要な堆肥は、街路樹から発生する剪定枝葉を肥料化したものを活用。資源循環とコストカットを実現している。
- 「海の森」の中央部には、イベント会場やいこいの場となる「つどいの草原」や、林間レクリエーションが楽しめる「ふれあいの森」がある。基盤整備では、海からの強風や塩分を含む風からこれらの広場を守るために、土塁を設け、強風や塩害に強い常緑樹を植えた「風の森」の整備を優先的に進めている。「風の森」が防風・防潮林としての役割を果たすことで、広場の植物や環境が守られ、イベントの開催や市民の参加を容易なものにしているのである。[10]
海の森公園の植栽
- 海に面し、強い潮風があたる「風の森」という斜面林では、シイやタブノキを中心とした海岸性の森づくりが進められてきた。苗木は関東地区産の苗木のみを選定し、遺伝子のかく乱を防いでいる。潮風に強い樹木が生長すると、それらに守られるように他の植物が育ち、やがて昆虫や鳥をはじめとした多くの動物が集まってくる。既に多くの生物が確認されており、少しずつ多様性に富む森へと変化している。
- タブノキなどの常緑種を主体に、オオシマザクラやヤマグワなどの落葉樹も混ぜて植栽し、混交林を目指している。生物に配慮した「観察と保全の森」では、ヤマモモなど鳥や昆虫の食餌木となる樹種も多く植えている。さまざまな自然の力を得ながら、豊かで多様性のある森を育てていくものである。全域(88ha)を調査し、生育する植物個体を記録している(フロラ調査、毎年夏季1回)。[11]
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平成21年度植樹地の様子
(2010年8月)
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海の森公園・2012年2月21日
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公園内より海の森大橋を望む
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公園内より東京ゲートブリッジを望む
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スロープを進んで公園中心部へ入る
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テラスから広場を眺める
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展望台とウッドベンチ
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展望台からの眺望(お台場方面)
脚注
関連項目
外部リンク
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