獅子島 (ししじま)は、天草諸島 のうち長島列島を構成する島の一つ[ 1] 。鹿児島県 出水郡 長島町 に属し、鹿児島県の有人離島では最北に位置し、また県の最北端でもある。人口は約689人(平成27年)[ 2] 。
また、行政区画としての「獅子島 」は長島町の大字 となっており、獅子島の全域がこれに該当する。
概要
獅子島には約1億年前頃の白亜紀 層(御所浦層群)をはじめ、古第三紀 始新世 までの地層がみられ、アンモナイト や三角貝、首長竜 などの化石 が見つかっている。
室町時代 の後期頃までの獅子島は、東仲島と呼ばれ肥後国 (現・熊本県 )に属していたが、当時の領主だった獅子谷七郎が、1565年 (永禄8年)島津氏 との戦に敗れ、以後その支配の下薩摩国 (現・鹿児島県)に属するようになった。その後、前領主の姓をとって、獅子島に島名が変更された。
島は、雲仙天草国立公園 にも入っており、「薩摩松島」などとも呼ばれる。また周囲は、リアス式海岸 となっており、複雑な地形で釣りのポイントが多い。スキューバダイビングもできる。
漁業はその地形を生かし、ブリ・タイ・ヒラメ・アオサなどが養殖される。また農業では、甘夏みかん、バレイショなどが栽培される。
毎年4月に、獅子島招魂祭が開かれる。招魂碑のある島の最高峰・七郎山に登り、獅子谷七郎とその家臣たちを供養し、島の繁栄を祈願する。
教育
中学校
長島町立獅子島中学校
小中一貫校前のアンモナイトと恐竜像
小学校
長島町立獅子島小学校
長島町立幣串小学校(2013年閉校)
高等学校
島内には、全日制高校や通信制高校の学習センター はない。なお、島内の高校受験生は、学区の制約なく県内の全ての県立高校へ進学できる。
交通
鹿児島県側から
熊本県側から
このほか、島内交通として、獅子島乗合バス が運行されている。
廃止航路
波戸汽船 の旅客船「すずかぜ」
獅子島御所ノ浦港 - 獅子島片側港 - 諸浦島 葛輪港 - 伊唐島 伊唐港 - 長島 宮ノ浦港 - 出水市 米ノ津港(2時間30分)…2008年5月19日運航休止、2009年1月廃止
山坂汽船の旅客船「ニューしんせいあづま」
獅子島幣串港 - 伊唐島伊唐港 - 長島宮ノ浦港(40分)…2009年1月廃
その他
沿岸で採集されたミナミウスボヤ(Didemnum prolifera )から3種類の抗生物質が発見され、島名に因んでシシジマイシン(shishijimicin)A、B、Cと名付けられている。[ 3]
脚注
^ 荒武 賢一朗. “長島町フィールドワークの記録 ”. 周縁の文化交渉学シリーズ8 『天草諸島の歴史と現在』 . 関西大学. 2022年10月24日 閲覧。
^ “獅子島(ししじま)の概要 ”. 鹿児島県. 2019年4月9日 閲覧。
^ N. Oku, S. Matsunaga, N. Fusetani; Shishijimicins A−C, Novel Enediyne Antitumor Antibiotics from the Ascidian Didemnum proliferum. J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 2044-2045.
関連項目
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外部リンク