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空気感

空気感(くうきかん)とは、空間や人物およびその表現が有する雰囲気のことである[1][2]

写真における空気感

絞り開放による撮影の例

写真表現における空気感について大竹 (2006)[要ページ番号]は、2次元である写真がまるで立体のように見えることを指すとする。また別所 (2021) は、黒潰れした写真は空気感がなくデフォルメされているように見えがちであるとし、シャドウ部の階調の豊かさが空気感の正体であると述べている。

ピントボケホワイト・バランス構図などを工夫することによっても、空気感は生まれる[2]。たとえば、絞りを開放し被写界深度を浅くすることにより、空気感が表れやすくなる[3]。また、被写体との距離に応じたコントラストの変化による空気遠近法フォーカス面からの微妙なボケにより立体感が表現されていたり、収差によるレンズ効果が少なく現実感に富んでいる場合にも空気感があると表現される[要出典]

空気感の演出について、大村 (2018) は、被写体をどこに配置するのかがもっとも重要であるとし、西澤 (2020)メインの被写体と同じくらい背景が重要であるとする。また木村は、書籍の撮影を例に取り、風による動きを活用してあたかも被写体に意思があるかのように表現する技法を紹介している。

その他の分野における空気感

ミネソタ州のライフスタイル・センター

福島 & 堀越 (2012) は、SD英語版法を用いた景観についての心理評価実験を元に、天候の変化が空気感の評価に影響を与える[注 1]と考察している。また、野口 (2013)商業施設における空気感の重要性を唱え、施設全体が屋根で覆われていないライフスタイル・センター英語版型のショッピング・モールを例に、人工物(商業施設)と自然物(空など)の融合により生成される情景や雰囲気と空気感を定義している。

なお美容分野における空気感(エアリー感)は、空気を含んだようなふんわりとした雰囲気や質感のことを指す[4]

脚注

  1. ^ これに対し、景観の構成要素は美的感に影響を与えるとしている。

出典

参考資料

書籍
  • 大竹, 省二『大竹省二のレンズ観相学』 距離計用レンズ編、朝日ソノラマ〈クラシックカメラ選書〉、2006年3月25日。ISBN 4-257-12047-9 
論文
  • 福島, 英和、堀越, 哲美「天候や時刻の移ろいと周辺環境が演出する建築のたたずまい」『人間‐生活環境系シンポジウム報告集』第36巻、人間‐生活環境系会議、2012年11月21日、29-32頁、NAID 110009735306 
辞典・用語集
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