翁(おう)は、漢姓のひとつ。中国、台湾、日本などに分布する。『百家姓』の200番目。
中華圏全体では目立って多い姓ではなく、2020年の中華人民共和国の統計では人数順の上位100姓に入っていないが[1]、福建省や台湾に多い。台湾の2018年の統計では47番目に多い姓で、93,602人がいる[2]。
なお、琉球王国の翁氏については翁氏永山殿内を参照。
歴史
『広韻』では『漢書』貨殖伝の翁伯という人物をあげるが、対応する『史記』では雍伯となっており、確実な翁姓の例とはなしがたい[3]。
今の福建省の出身で、唐末から五代十国の閩王の王審知に仕えた翁承賛という政治家・詩人が知られる[4]。『福建通志』によると福清の人であったという[5]。
福建、広東、台湾一帯の伝承によると、洪、江、翁、方、龔、汪の6つの姓の先祖は元々翁承賛の甥で、閩の補闕郎中・翁乾度の6人の息子であったが、閩が滅亡した時に翁乾度が莆田に避居し、息子のうち5人が改姓し、宋の初年に6人が共に進士に及第した[6]。そのため、現在はこの6つの姓が併せて「六桂」と呼ばれ、「六桂堂(中国語版)」という宗親組織もある[7]。
著名な人物
日本の姓
翁(おきな、おう)は、日本人の姓の一つである。東京都、大阪府、富山県発祥。
岐阜県や広島県に同様に地名がみられ佳字としてもちいられる。大きい場所や地域などの意味が転化した。神奈川県、長野県、宮城県などにもみられる。於井氏や尾井氏が関連姓。
脚注
台湾の多い姓上位100位 |
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第1~25位 | |
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第26~50位 | |
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第51~75位 | |
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第76~100位 | |
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備考 |
- 2023年6月30日公表の中華民国内政部の資料による統計。台湾の姓も参照。
- 中国大陸、東南アジアからの移民なども統計に含まれる。また、違う字体を使用する姓を2つの姓と見なされることもある。
#第3位は繁体字の「黃」であり、80位は簡体字の「黄」である。 #64位の「温」は簡体字と同形である。
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