輪島朝市(わじまあさいち)は、石川県輪島市で開かれる朝市である。千葉県勝浦市の勝浦朝市、岐阜県高山市の宮川朝市と並ぶ、日本三大朝市の一つに数えられる[1]。
歴史
平安時代から続く朝市で、神社の祭礼日などに生産物を持ち寄って、物々交換し合っていたのが始まりといわれている。室町時代には毎月4と9の付く日に開催されるようになり、明治時代に毎日開催されるようになって現在に至る[2]。
1961年(昭和36年)、輪島市が松本清張の小説を原作にした映画『ゼロの焦点』のロケ地となり、同映画がヒットすると多くの観光客が訪れるようになった、この頃から朝市の客層は地元住民に観光客も加わり始め観光名所化していく。1980年(昭和55年)のビーク時の訪問者数は約270万人を記録した[3]。その後、観光客は落ち込みを見せたが、2015年(平成27年)にNHKの連続テレビ小説『まれ』の舞台として再び脚光を浴びると、海外からのインバウンド需要もあり、年間50万-80万人ほど観光客が訪れ再び賑わいを見せるようになった。しかし、2020年(令和2年)に新型コロナウイルス感染症が拡大すると観光バスのツアー客は激減。2020年度の訪問者数は約15万人にとどまった。減少幅を広げた要因の一つとして、朝市の客層の8割から9割が県外からの観光バスのツアー客であったことが挙がっている[4]。
新型コロナウイルス感染症の影響が一段落した2024年(令和6年)1月1日16時10分ごろ、能登半島地震が発生。この時点で多くの建物に被害が発生していたが、同日18時ごろに「朝市通り」南側の店舗周辺から出火。現地で救助活動などを行っていた消防隊が直ちに消火活動に当たったが、地震による断水で消火栓が使えない、西側の河原田川の水位が極端に下がり取水できない、大津波警報の発令や道路の寸断により近隣の消防隊が消火活動に加わることができないなど悪条件が重なり[5][6]、翌日の1月2日午前に鎮圧宣言が発表されるまでの[7][8]焼失面積は約5万800平方メートル、約300棟が焼損した[9]。火災後、警察により行方不明者の捜索が行われたが、1月9日からは改めて100人規模の体制で一斉捜索を開始[10]。1月14日までに焼失箇所の90%近くの捜索を行った[11]。
店舗
「朝市通り」と呼ばれている商店街で、毎朝8時(第2水曜日と第4水曜日、正月三が日を除く)から海産物や野菜、輪島塗をはじめとした民芸品を扱う多くの露店が立ち並ぶ[12]。
脚注
関連項目
外部リンク
座標: 北緯37度23分47.2秒 東経136度54分7.2秒 / 北緯37.396444度 東経136.902000度 / 37.396444; 136.902000