風蓮湖(ふうれんこ)は、北海道根室市、野付郡別海町にまたがる湖である。野付風蓮道立自然公園に含まれる。ラムサール条約登録湿地。
地理
北海道東部・根室半島の付け根に位置する。面積59.01km2[1]は、日本の湖沼では13番目の面積規模を有する[2]。汽水湖としてはサロマ湖に次いで面積が北海道第2位であるが、周囲96kmは汽水湖として全道1位である。根室湾に直接面しており、湖面の標高は0m。西岸と南岸は標高 30〜40mの台地、北東岸は砂州からなる[3]。東隣には温根沼がある。
主な流入河川は風蓮川、別当賀川、ヤウシュベツ川。風蓮川の河口部には広大な塩沼がある[4]。
湖名の由来は、アイヌ語の「フーレ・ペツ」(赤い川)。これは本来、流入河川の風蓮川を指した地名であり、川に湿原由来の赤く染まった水が流れ込んでいたことにちなむ。湖の方はただ「トー」(沼)と呼ばれていた。
湖の東岸、春国岱には根室市が設置した根室市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターがあり、日本野鳥の会のレンジャーが常駐する他、周辺の自然に関する展示(常設)などがある。
自然
砂州である春国岱(しゅんくにたい)はアイヌ語の「シュンク・ニタイ」(エゾマツ林)が由来の地名そのままに、砂丘に自生する日本唯一のアカエゾマツ林で覆われている。さらに日本国内で最大級のハマナスの群落がある。
水中生物としては、食用となるオオノガイが生息する。資源枯渇を防ぐため、干潟での漁は1年に2日間のみ行われる[5]。
周囲には湿地帯が広がっているために、食糧を得られること、陸上を徘徊する捕食者にも襲われにくいこと、隠れ場所となる植生が存在することなどから、タンチョウの営巣地や水鳥の飛来地になっている。
越冬するハクチョウの飛来地としても有名[6]。渡り鳥が多数訪れることで知られる。エゾシカの越冬地としても知られ、結氷した湖面や砂州に集まる姿が見られる。
湖とそれに伴う湿原の重要性から、日本国政府は1993年に国指定風蓮湖鳥獣保護区(集団飛来地)に指定した(面積7,806ha、うち特別保護地区6,139ha)。その後、春国岱とともに「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」(ラムサール条約)が指定する湿地の候補として選定した。2005年10月21日には国内での登録を終え、2005年11月8日第9回会議で正式に決定された[4]。
別海十景や根室十景にも指定されている。
2022年6月、環境省は野付半島と風蓮湖、根室半島周辺を国定公園の新規指定候補地として選定。既存の野付風蓮道立自然公園を拡大する形で2030年までの国定公園指定を目指すとしている[7]。
交通
湖の北・西岸には別海町、標津郡標津町、根室市に通じる国道243号や国道244号が走る。東岸には北海道道475号風蓮湖公園線が走り、国道244号交点から入る。南岸には根室市、厚岸郡浜中町に通じる国道44号が走る。
湖畔東南に道の駅スワン44ねむろがある。
脚注
関連項目
外部リンク
- 風連湖 - 北海道公式観光サイト(公益社団法人 北海道観光振興機構)
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