リレハンメルオリンピックの開会式と閉会式は、ジャンプ会場で行われた。まず、サマランチIOC会長の呼びかけにより、10年前の開催地・サラエボが内戦の戦火に曝される現状に対し黙祷が捧げられた。オリンピック賛歌は、ノルウェーの国民的歌手で同大会のテーマソング"Fire in your heart"も歌ったシセル・シルシェブーが歌い出し部分をアカペラで独唱した。続いて、クロスカントリーでリレーされた聖火がジャンプ台からトーチを持ったジャンパーによって会場に降りてきて点火された。[注釈 1]
フラッグハンドオーバーセレモニーには、長野市の塚田佐市長(当時)が出席し、リレハンメルから長野へオリンピック旗が受け継がれ、閉会式の最後には長野大会のデモンストレーションが行われた。聖火の消えた聖火台の脇から、日本と長野の美しい自然を象徴する雪の花の精が現れ、階段を降りてフィールドに立つ。会場全体が照明で真っ赤に染まると、長野の民謡「信濃追分」を西洋の音楽の要素を入れてアレンジしたBGMが流れだし、雪の花の精は照明で花が描かれたフィールドを歩き回る。雪の花の精がノルウェーのベッテル達に会うと、ベッテル達が不思議そうに見つめる中、雪の花の精はベッテル達の合間を歩き、やがてゲートを見つめる。するとBGMが祭囃子のような音楽に変わり、ゲートからは紙吹雪が舞うと、各ゲートから日本とノルウェーのダンサーによって色鮮やかな6つの風船が運ばれた。それらは会場内を走り回ると、やがて中央に集まり、長野大会のエンブレムとなった。最後はジャンプ台にレーザー光線で「SEE YOU IN NAGANO 1998」というメッセージが映されると、花火が上がる中バルーンが空へと舞い上がり、長野大会の紹介が締めくくられた。