IDEO(アイディオ)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州パロアルトに本拠を置くデザインコンサルタント会社 [1]。
パロアルトの他に、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク、ボストン、ロンドン、ミュンヘン、東京そして上海に拠点を持つ。
概要
IDEOは製品、サービス、環境そしてデジタルエクスペリエンスのデザインへの支援を行っている[1]。加えて、マネジメントコンサルティング事業を強化している[2]。
IDEOは1991年に4つの既存デザインファームの合併によって創設された。4つのデザインファームとは、スタンフォード大学の教授であるデビッド・ケリーによって創設されたDavid Kelly Design、イギリスのビル・モグリッジによって創設されたMoggridge AssociatesとID Twoの2社、そしてマイク・ヌタルの創設したMatrix Product Designである[3]。オフィス家具メーカーのSteelcase社が大半の出資を行っており、その独立部門として運営されている。前身である会社の創立者デビッド・ケリーは、2010年現在も同社に参加している。2001年にティム・ブラウンがCEOを引き継いだ。
同社では人間工学、機械・電気・電子工学、ソフトウェア工学、工業デザイン、インタラクションデザインの分野の人員を約500名を雇用している[4]。IDEOはこれまでにコンピュータ、医薬、家具、玩具、事務、自動車製造の顧客に対して、数千のプロジェクトを行った。特筆すべき事例としては、Appleの最初のマウスやPowerBook DuoのドッキングシステムDuo Dock[5]、マイクロソフトの2番目のマウス、PDAのPalm V 、そしてSteelcaseのLeap chairが挙げられる。2004年時点での主要な顧客企業としてProcter & Gamble(P&G)、ペプシ、マイクロソフト、Eli Lilliyが挙げられる。
2000年に、同社はABCの番組 Nightlineでの特集"Deep Dive"にて紹介され、わずか5日間で新しいショッピングカートのデザインを行う様子を放映され、話題となった。
2006年にはビジネスウィーク/アメリカ工業デザイン協会(IDSA) 工業デザイン優秀賞(IDEA)を最多受賞している[6]。
2011年、東日本大震災発生後、東京にオフィスを開設している。また、復興をテーマに開催されたカンファレンスTEDxTohokuにて、同社のChief Creative OfficerであるPaul Bennettが来日し、復興に必要不可欠な四種の動物という比喩を用いたプレゼンテーションを行った[7]。プレゼンテーションはYouTubeで公開されている[8]。
2016年2月10日、博報堂DYホールディングスの「kyu」から出資を受けたことを発表した[9][10]。
書籍
- The Art of Innovation - ゼネラルマネージャーのトム・ケリーが執筆。
- The Ten Faces of Innovation - ゼネラルマネージャーのトム・ケリーが執筆。
- Thoughtless Acts?: Observations on Intuitive Design
TED Talks
関連項目
脚注
- ^ a b IDEO Inc Private Company Information
- ^ Nussbaum, Bruce (2004-05-17). "The Power of Design", Business Week. Retrieved on 2006-12-19.
- ^ International Directory of Company Histories
- ^ IDEO Fact Sheet
- ^ Doctorow, Cory. “The Art of Innovation by Tom Kelley” (英語). Wired. ISSN 1059-1028. https://www.wired.com/2001/02/the-art-of-innovation-by-tom-kelley/ 2024年2月3日閲覧。
- ^ IDEO's IDEA awards
- ^ “TEDxTohoku | TED”. www.ted.com. 2024年2月3日閲覧。
- ^ TEDxTohoku 2011 Paul BENNETT 3-4
- ^ IDEO Joins the kyu collective
- ^ グローバルに展開するデザイン/イノベーション会社IDEO社、博報堂DYグループの戦略事業組織「kyu」の一員に
外部リンク