PiTaPaベーシックカード(ピタパベーシックカード)とは、スルッとKANSAIが発行しているポストペイ方式のICカード「PiTaPa」のうち、PiTaPa の機能(乗車券機能・電子マネー機能)のみに特化したカードのことである[1]。
本稿では、「保証金預託制PiTaPaベーシックカード」についても記す。
PiTaPaベーシックカード
PiTaPa の中でも最も標準的なカードであるが、ほかの交通系ICカードなどと異なりポストペイ方式を採用していることから無記名式(持参人式)のカードは存在せず、自動券売機等での即時発行は行われていない。2009年12月の割賦販売法の改正に伴い、PiTaPaベーシックカードをはじめとするPiTaPaそのものが同法の適用対象となり、発行元であるスルッとKANSAIが信用情報機関(シー・アイ・シー)に加盟したほか、PiTaPaの重複発行禁止、引き落とし遅延時の遅延損害金計算率の見直しが行われている[2]。PiTaPa そのもので信用取引を行うため、クレジットカード等を別に用意する必要はない。
カード発行承認や債務管理は三井住友カードに委託されており、PiTaPaコールセンターも三井住友カード大阪本社(大阪市中央区今橋)内に設けられている。
会員区分
上述のようにPiTaPaには1枚ごとに使用者(会員)が紐付けられており、以下の会員区分に分けられている。子供用(小学生用)を単独で申し込むことは出来ず、必ず親権者の家族会員として申し込む必要がある(すなわち、親権者も必ずPiTaPaを申し込む必要がある)[3]。
- 本会員 - 個人名義の金融機関口座を持ち、信用情報審査に合格した満18歳以上の人物(未成年には親権者の同意が必要)。
- 家族会員 - 本会員と生計を共にする配偶者・子息。利用額は本会員の口座から決済される。
- 家族会員(ジュニア) - 満18歳に達してから最初の3月31日を過ぎるまでの者(中学生・高校生など)を対象とした家族会員。満18歳の3月末まで利用可能。
- 家族会員(キッズ) - 小学生を対象とした家族会員。交通機関利用時には自動的に小児運賃が適用される。小学6年の3月末まで利用可能。
利用枠
「少額決済」を前提としていることから、本会員・家族会員の合算利用額に対して以下の「利用枠」が設定されており、これを超えて利用することは出来ない。
- 交通機関の利用額 - 1日から月末までの、割引適用前普通旅客運賃の合計額が月15万円まで
- ショッピングの利用額 - 日額3万円・月額5万円まで(ただしIC定期券を搭載した場合の定期券購入時は30万円まで)
年会費
入会金・年会費無料を謳っている(デポジットも不要)が、「PiTaPaご利用代金通知書」発行ごとに 100円(税抜)の発行手数料がかかる(会員専用インターネットサービス「PiTaPa倶楽部」に申し込み、解除手続きを行うと発行を止められる。この場合でも「PiTaPa倶楽部」から利用明細を確認することは可能)。
また、1年間(入会月の翌月1日を基点とする。カードごとに判定)に一度も PiTaPa 決済を使用しなかった場合には、「維持管理料」(1,000円・税別)が発生する。
申し込み方法
PiTaPaベーシックカードは以下の方法で申し込む。いずれの場合もクレジットカード等を申し込むときと同様の項目(職業、住居、年収、家族構成等)に記入する必要がある。また、決済区分を「生計費決済」「事業費決済」から選択する必要がある。
- 郵送申し込み
- PiTaPa導入交通機関の主な駅などに設置してある入会申込書、またはPiTaPaコールセンターから取り寄せた入会申込書に必要事項を記入の上、郵送にて申し込む。
- 発行までに3-4週間程度を要する[3]
- オンライン申し込み
- 「PiTaPaベーシックカード オンライン入会」サイトからオンラインにより申し込む。
- 発行までに2週間程度を要する[3]
保証金預託制PiTaPaベーシックカード
クレジット決済に当たり、信用情報の審査の替わりに保証金(デポジット)を納入することで発行されるカード。ETCパーソナルカードに類似したシステム。
あらかじめ1ヶ月の利用枠を5万円以内1万円単位で設定し、申込窓口に利用枠の4倍の金額を保証金として納入することで利用可能となる。交通機関の運賃決済にのみ利用可能で、ショッピングサービスには利用できない。また、IC定期券を同梱させることも出来ない。また、発行にあたっては一定の審査が発生することも明記されている。
申込窓口はPiTaPaコールセンターではなくスルッとKANSAI本社(大阪市中央区南船場)内にある「PiTaPaお客様相談室」にあり、同所に電話して申込書を取り寄せることになる。
脚注・出典
関連項目
外部リンク
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鉄軌道 | |
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バス | |
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過去に導入 していた事業者 | |
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関連項目 |
各提携カード | |
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相互(片)利用 (ショッピングを除く) | |
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新幹線乗車サービス | |
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一部事業者の別カード | |
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関連項目 | |
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記事の凡例
- 無印:PiTaPa・「スルッとKANSAI」対応カード両方を使えた。
- P:PiTaPaのみ
- 別:別のIC乗車カードとの重複導入
- I:ICOCAも発売
- 除:一部除外事業者あり
- ▽:予約認証のみ
- >:重複の場合の優先順位
- ※重複事業者は鉄道を優先した。
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