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埼玉新都市交通2000系電車

埼玉新都市交通2000系電車
レッドパープルへとカラー変更された01編成(加茂宮駅にて)
基本情報
運用者 埼玉新都市交通
製造所 川崎重工業
製造年 2007年 - 2014年
製造数 6両編成7本(42両)
運用開始 2007年5月22日[1]
投入先 埼玉新都市交通伊奈線
主要諸元
編成 6両編成
軌間 1,650 mm
電気方式 三相交流600V,50Hz
剛体三相三線式
最高運転速度 60 km/h
設計最高速度 70km/h
起動加速度 3.5km/h/s (0.97m/s2)
減速度(常用) 3.5km/h/s (0.97m/s2)
減速度(非常) 4.5km/h (1.25 m/s2)
車両定員 先頭車:49 - 52名
中間車:66 - 68名
車両重量 先頭車:11.8 t
中間車:11.1 tまたは11.0 t
編成重量 45.0 t
全長 8,000 mm(連結面間)
全幅 2,480mm
先頭車バックミラー間:2,610mm
全高 3,240mm
床面高さ 1,120 mm
車体 ステンレス鋼
台車 前後軸4輪ステアリング方式
側壁案内方式
主電動機 かご形三相誘導電動機
主電動機出力 125kW(装備数 1台/両)
駆動方式 直角カルダン駆動方式
歯車比 1:6.833
定格速度 40.4km/h
制御方式 CI制御(コンバータ/インバータ・IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置 東洋電機製造製RG697-A-M(新製当初)
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ保安ブレーキ駐車ブレーキ
保安装置 車内信号ATC
備考 マスコン制御段数 力行3段、制動5段
集電装置 6台/編成片側 ユニット3台並列
出典[2]
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埼玉新都市交通2000系電車(さいたましんとしこうつう2000けいでんしゃ)は、2007年平成19年)5月22日より営業運転を開始した埼玉新都市交通AGT新交通システム)用電車

概要

2000系は、混雑緩和のための増発と、既存の1010系の置き換え及び1050系の取り換え準備のために導入が行われた。なお、購入に際しては自治体とJR東日本による経営支援を受けている[3]

2007年鉄道博物館開館に合わせた増発用に、01編成が導入された。以後、旧車両の置き換えのため、毎年1編成のペースで導入され[4]2010年に02編成、2011年に03編成・04編成、2012年に05編成、2013年に06編成、2014年に07編成が増備された[5]。総数は6両編成7本の42両である。

概説

ゴムタイヤ式2軸車の6両編成。

2100(M1)-2200(M2)-2300(M3)-2400(M4)-2500(M5)-2600(M6)

車体

車体はステンレス鋼製で、車体長は既存の車両と同じく8mだが、混雑緩和策として車体幅を160mm広くし、天井も30mm高くなった。

前面の形状も一新されたほか、行先表示器には、埼玉新都市交通で初採用となるLED式の表示器が使われ、前面運転台窓上のほか、側面にも設置されている(第1編成は1・2・5・6号車に設置、第2編成以降は2・5号車のみ設置)。また、前照灯は当初シールドビームが使用されていたが、2016年11月頃より順次HIDに交換されている。

前面と側面には編成ごとに異なるカラーを採用した。第1編成の前面塗装と側面帯には、埼玉県の県花「サクラソウ」をモチーフとしたメタリックピンク、前面・側面の窓周りには埼玉県の県鳥「シラコバト」のグレーをモチーフとしたダークグレーとシルバーグレーが配色され、既存の車両とは印象が大きく変わることとなった[1]。第2編成以降では前面と側面帯のみで(各編成の帯色については後述)、側面窓周り及び幕板部分が無塗装となった。第1編成も後に第2編成以降と同じように変更された。

車内

座席はオールロングシートであり、座席が緑、壁はグレー、床敷物はパープルのストライプ模様となっている(第2編成以降はパープル1色)。座席の前にはスタンションポール(縦の握り棒)が新設され、混雑時の対策もなされた。両先頭車の乗務員室直後には、折りたたみ式座席付きの車椅子スペースが設置されている[1]

窓は2段式で、上段は内傾式窓だが下段は固定窓となっている。第1編成では下段に日差し対策の横引きカーテンが設置されていたが[1]、第2編成以降では省略され、後に第1編成のカーテンも廃止された。

各ドア上には、LED式の車内案内表示装置が設置されており、次駅、行先などを案内する。当初は第1編成のみ両側配置で、第2編成以降は千鳥状に配置されていたが、2016年2月頃より第2編成以降も両側配置となっている。ドアブザーも装備されている。また、暖房効果持続のため、先頭車両のドアのみを開け、そのほかの車両のドアを閉める機能が備え付けられている。

また、2017年3月から第7編成の両先頭車で、車内防犯カメラの試行が行われ[6]、2018年からは全車両への取り付けが開始された[7]。2023年になって第1編成にドアランプが搭載されたが2020系とは、点滅の仕方が異なる。

制御装置

主変換装置には東洋電機製造製2レベルCI(コンバータ/インバータ)によるVVVFインバータ制御(RG-697-A-M形・新製当初)を採用している[2]。機器はコンバータ部・インバータ部共IGBT素子(1,700V - 1,200A)を使用しており、三相交流をコンバータにより直流に変換後、VVVFインバータ装置で三相交流に変換して誘導電動機を制御する(PGセンサレスベクトル制御・定速運転対応)[2]主電動機かご形三相誘導電動機であり、型式はTDK-6450-A(端子電圧700V、電流133A、周波数55Hz、出力125kW、定格回転数1,610rpm、効率91.5%、力率85%)である[2]。1台のCIにより、3台の主電動機を制御する1C3M制御方式である[2]

2023年より主変換装置の機器更新(RG-6052-A-M形)が行われている[8]

乗務員室

運転台は既存の車両と同じくワンマン運転に対応しており、運転台の正面には速度計などの計器類が、右側にはモニタ装置ディスプレイが配されている[1]主幹制御器は片手ワンハンドル式(デッドマン装置付)で、力行1 - 3ノッチ、ブレーキは1 - 5段・非常位置である[2]

歴史

  • 2007年(平成19年)5月22日 - 01編成(2101F)を導入する(配色はサクラソウのピンクとシラコバトのグレー)。
  • 2010年(平成22年)3月8日 - 02編成(2102F)を導入する(オレンジ色)。
  • 2010年(平成22年)12月21日 - 大宮駅 - 鉄道博物館駅間でお召し列車として運用(02編成)。
  • 2011年(平成23年)2月7日 - 03編成(2103F)を導入する(緑色)[9]
  • 2011年(平成23年)12月28日 - 04編成(2104F)を導入する(黄色)[10]
  • 2012年(平成24年)12月5日 - 05編成(2105F)を導入する(水色)[11]
  • 2013年(平成25年)12月 - 06編成(2106F)を導入する(開業30年を記念した、開業時の赤色)[12]
  • 2014年(平成26年)12月 - 07編成(2107F)を導入する(さくら色)[5][13]
  • 2018年(平成30年)7月 - 01編成の配色をレッドパープルに変更する[14]
  • 2019年(平成31年)1月16日 - 加茂宮駅 - 鉄道博物館駅間を走行中の大宮行06編成の最後尾(2606)のタイヤがパンクバーストし、案内軌条から離脱して自走不能となった。乗客は徒歩で駅へ避難し、事故車の2606以外は牽引により回送、2606はクレーン車により地上に降ろされ、トレーラーで搬送された[15]。同編成は運用を離脱し、2606以外は丸山車両基地に留置された。
  • 2019年(令和元年)10月30日 - 2606の修理が完了し、06編成が運行再開[16]

編成表

 
(ループ線のため、1往復ごとに車両の向きが変わる)
← 大宮・内宿
大宮・内宿 →
形式 2100形
(M1)
2200形
(M2)
2300形
(M3)
2400形
(M4)
2500形
(M5)
2600形
(M6)
機器配置 APU,CP CI BT BT CI APU,CP
車両番号 2101

2107
2201

2207
2301

2307
2401

2407
2501

2507
2601

2607

凡例

  • CI:主変換装置
    APU:補助電源装置
    CP:空気圧縮機
    BT:蓄電池

脚注

  1. ^ a b c d e 交友社『鉄道ファン』2007年8月号CAR INFO「埼玉新都市交通2000系」pp.82 - 83。
  2. ^ a b c d e f 畠山卓也; 久保厳之; 山口敏弘 (2007年9月). “埼玉新都市交通株式会社向け2000系「ニューシャトル」新車用電気品” (PDF). 東洋電機技報 第116号. 東洋電機製造株式会社. pp. 7-11. 2010年2月26日閲覧。(インターネットアーカイブ)。
  3. ^ 埼玉県. “埼玉新都市交通への経営支援”. 埼玉県. 2020年12月1日閲覧。
  4. ^ 「2000系車両に順次切り替え 埼玉新都市交通 毎年1編成」『日本経済新聞』2010年2月24日付朝刊、第41面(「埼玉・首都圏経済」面)
  5. ^ a b 12月上旬より2000系07編成がデビューしました(埼玉新都市交通トピックス・インターネットアーカイブ)
  6. ^ 車内防犯カメラの試行について(埼玉新都市交通トピックス・インターネットアーカイブ)
  7. ^ ニューシャトル全車両に防犯カメラを設置します(埼玉新都市交通トピックス・インターネットアーカイブ)
  8. ^ 東洋電機製造『東洋電機技報』第147号(2023年)製品紹介「埼玉新都市交通株式会社伊奈線 ニューシャトル2000系車両機器更新用電機品」 (PDF) (国立国会図書館インターネット資料収集保存事業)。
  9. ^ 埼玉新都市交通ホームページ 2011年2月13日閲覧
  10. ^ ニューシャトル2000系04編成が営業運転を開始 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2012年1月3日
  11. ^ ニューシャトル2000系05編成が営業運転を開始 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2012年12月16日
  12. ^ ニューシャトル2000系06編成が営業運転を開始 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2013年12月15日
  13. ^ ニューシャトル2000系07編成が営業運転を開始 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2014年12月21日
  14. ^ ニューシャトル2000系01編成の配色が変更 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2018年7月15日
  15. ^ <ニューシャトル脱線>加茂宮―鉄道博物館で走行路外れる 16日は終日運転見合わせ、17日の運転も未定 - 埼玉新聞、2019年1月16日
  16. ^ 2000系06編成の運行再開等について 埼玉新都市交通 2019年10月21日

参考文献

  • 交友社編集部 「CAR INFO 埼玉新都市交通2000系」『鉄道ファン』2007年8月号(通巻556号)、交友社
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